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公開：2024-10-18

CBREが千歳市に大型物流施設を開発、半導体関連の物流需要取り込みを目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• CBREが千歳市に大型物流施設を開発
• 複数投資家出資のSPCで用地取得
• 2026年10月の竣工を計画

CBREが千歳市で大型物流施設開発をサポート

CBREはこのほど、アセットマネジメント部門が主体となり設立した特定目的会社を通じて、北海道千歳市内に大型マルチテナント型物流施設を開発することを発表した。このプロジェクトは、CBRE札幌支店が千歳市の千歳流通業務団地内の土地取得に向けて商談を始めたことから始まっている。CBREは、マーケット調査・分析結果に基づき、企画設計および設計施工を担うパートナー選定を行い、土地の不動産価値を最大化するプランを策定したのだ。^[1]

CBREのアセットマネジメント部門が主導し、物流施設の開発を進める事業スキームを構築した。複数投資家が出資する千歳ヤマセミ特定目的会社（SPC）を通じて用地を取得し、リスク分散を図るとともに、千歳市への投資機会を提供している。施設の開発フェーズでは、プロジェクトマネジメント部門が設計・施工の建設プロセスを支援し、施設竣工後の管理をプロパティマネジメント部門、リーシングをインダストリアル＆ロジスティクス部門が担当する。

本開発事業に対する不動産ノンリコースローンは株式会社北洋銀行を通じて実行され、設計施工業務は萩原建設工業株式会社へ委託される形で開発が進められる。2025年3月に着工し、2026年10月の竣工を計画している。この物流施設は、新千歳空港へ約5.4km、千歳駅へ約3.3kmと交通アクセスに優れた好立地に位置しているため、半導体関連の物流需要の取り込みを目指している。

千歳物流施設開発プロジェクト概要

不動産ノンリコースローンについて

不動産ノンリコースローンとは、特定の不動産のみを担保とし、その担保不動産から得られるキャッシュフロー（賃料収入や物件処分価値）を返済原資とするローンのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 担保不動産以外の資産に遡及されない
• プロジェクトの事業性が重視される
• リスクが限定されるため、大規模開発に適している

本開発事業では、株式会社北洋銀行を通じて不動産ノンリコースローンが実行されている。この融資スキームにより、CBREは千歳市での大型物流施設開発プロジェクトのリスクを限定しつつ、効率的な資金調達を実現している。不動産ノンリコースローンの活用は、地域開発や大規模不動産投資において重要な役割を果たしている。

CBREの千歳物流施設開発に関する考察

CBREの千歳市における大型物流施設開発プロジェクトは、地域経済の活性化と物流インフラの整備という点で高く評価できる。特に、新千歳空港や千歳駅に近接した立地を活かし、半導体関連の物流需要を取り込む戦略は、北海道の産業構造の変化に対応した先見性のある取り組みだ。一方で、大規模な物流施設の建設に伴う環境への影響や、地域住民との調和といった課題にも注意を払う必要があるだろう。

今後、eコマースの更なる成長や製造業のサプライチェーン再編に伴い、物流施設の需要は一層高まることが予想される。その中で、CBREのような総合的な不動産サービス企業が果たす役割は大きい。特に、複数の投資家を巻き込んだSPC方式や不動産ノンリコースローンの活用は、リスク分散と資金調達の両面で効果的な手法だ。これらの先進的なアプローチが、今後の地域開発のモデルケースとなる可能性も高いだろう。

CBREには、このプロジェクトを通じて得られる知見を活かし、持続可能な地域開発と効率的な物流ネットワークの構築に貢献することが期待される。同時に、AI・IoTなどの先端技術を活用したスマート物流施設の開発や、環境負荷を低減するグリーン物流の推進など、次世代の物流インフラ整備に向けた取り組みにも注目したい。CBREの今後の展開が、日本の物流産業の発展に与える影響は大きいはずだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「CBRE、千歳流通業務団地内に大型賃貸用物流施設の開発をサポート | シービーアールイー株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000167.000027786.html, (参照 24-10-18).

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