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公開：2024-10-18

下関市が環境省の脱炭素先行地域に選定、コスモ石油マーケティングの共同提案が採択され地域経済と脱炭素化の両立を目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 下関市が環境省の脱炭素先行地域に選定
• コスモ石油マーケティングが共同提案者として参画
• 地域経済循環創出と脱炭素化の同時達成を目指す

下関市の脱炭素先行地域選定とコスモ石油マーケティングの取り組み

コスモエネルギーホールディングス株式会社のグループ会社であるコスモ石油マーケティング株式会社は、環境省が募集する第5回「脱炭素先行地域」の公募に下関市の共同提案者として参画し、下関市が脱炭素先行地域に選定されたことを2024年10月16日に発表した。コスモ石油マーケティングが共同提案者として参画した提案が脱炭素先行地域に選定されたのは、今回が初めてとなる。^[1]

下関市の脱炭素先行地域計画提案では、唐戸市場等の観光施設や第三次産業が集積する市街地を中心に、環境配慮行動優良事業者認定制度と連携した地域金融機関の金利優遇融資商品の提供が計画されている。毎年度設定する目標達成に応じてインセンティブを拡大することで、設備投資等を加速化し認定事業者の脱炭素化を推進する取り組みが展開される。

コスモ石油マーケティングは、下関市における資源循環への取り組みとして、市の施設や飲食店等の廃食用油を回収し国産SAFとして活用することを検討している。また、コスモエネルギーグループのエネルギー・モビリティ事業のアセットを活用した「コスモ・ゼロカボソリューション」の提案と導入を促進し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを継続していく方針だ。

下関市の脱炭素先行地域計画の概要

SAFについて

SAFとは「Sustainable Aviation Fuel」の略称で、持続可能な航空燃料のことを指している。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 植物や廃棄物を原料とする航空燃料
• 従来の石油由来燃料と比較してCO2排出量を削減
• 既存の航空機エンジンで使用可能

コスモエネルギーグループは、SAFの大規模生産に向けた取り組みを進めており、堺製油所に国内初のSAF大規模製造実証装置を建設中である。2024年度内の完工を予定しており、国内のSAF供給体制の整備に貢献することが期待されている。日本政府は2030年時点で国内エアラインによる燃料使用量の10%をSAFに置き換えることを目標としている。

下関市の脱炭素先行地域選定に関する考察

下関市が脱炭素先行地域に選定されたことは、地域の特性を活かした脱炭素化の取り組みを推進する上で重要な一歩となるだろう。特に、環境配慮行動優良事業者認定制度と金融機関の融資制度を連携させる取り組みは、事業者の自主的な脱炭素化への取り組みを促進する効果的な仕組みとなる可能性が高い。一方で、認定制度の基準設定や評価方法の透明性確保、融資条件の適切な設定など、制度の運用面での課題も予想される。

コスモ石油マーケティングが提案している廃食用油の回収とSAF活用の取り組みは、地域資源の循環利用という観点から注目に値する。しかし、SAFの製造コストや供給体制の整備、航空会社との連携など、実用化に向けては多くの課題が存在している。これらの課題を克服し、持続可能なSAFサプライチェーンを構築できるかが、事業の成否を左右する重要な要素となるだろう。

今後、下関市の取り組みが他の地域のモデルケースとなることが期待される。特に、地域経済の活性化と脱炭素化の同時達成を目指す点は、多くの自治体が直面している課題解決のヒントとなる可能性がある。コスモエネルギーグループには、エネルギー事業者としての知見を活かし、地域の特性に合わせた脱炭素ソリューションの開発と提供を期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「コスモ石油マーケティングの共同提案が採択　～下関市が環境省の「脱炭素先行地域」に選定～ | コスモエネルギーホールディングス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000167.000098598.html, (参照 24-10-18).

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