富士フイルムがGFX100シリーズとドローンで遠隔撮影技術検証開始、上空からの大面積超高精細撮影実現へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

富士フイルムがGFX100シリーズとドローンで遠隔撮影技術検証開始
1億200万画素センサー搭載カメラを長時間飛行ドローンに搭載
上空からの大面積かつ超高精細な撮影の実現を目指す

富士フイルムがGFX100シリーズとドローンによる遠隔撮影技術の検証を開始

富士フイルム株式会社は2024年10月16日、1億200万画素ラージフォーマットセンサー搭載のミラーレスデジタルカメラ「GFX100シリーズ」を長時間飛行可能なドローンに搭載し、遠隔撮影を行う技術の検証を開始したと発表した。この技術検証は株式会社石川エナジーリサーチと共同で行われており、上空からの大面積かつ超高精細な撮影の実現を目指している。^[1]

GFX100シリーズは専用の交換レンズとの組み合わせで超高解像画像の撮影が可能で、2600万画素APS-Cサイズセンサー搭載カメラと比較して約4倍の面積を撮影できる。最新機種のFUJIFILM GFX100S IIは重量約883gと1億画素を超えるラージフォーマットセンサー搭載カメラとしては極めて軽量であり、民生用カメラシステムのままでドローンに搭載できる点が特徴だ。

この技術検証では、石川エナジーリサーチが約90分間の長時間飛行が可能なドローン上でGFX100シリーズを遠隔制御するソフトウェアの開発を担当し、富士フイルムがドローンに搭載したGFX100シリーズを遠隔制御するための技術支援を行う。両社は、長時間撮影中の天候変化などにタイムリーに対応しつつ、広大な範囲を上空から超高精細に撮影する技術の確立を目指している。

GFX100シリーズとドローンによる遠隔撮影技術の特徴まとめ

	GFX100シリーズ	ドローン	遠隔撮影技術
主な特徴	1億200万画素ラージフォーマットセンサー	約90分間の長時間飛行	上空からの大面積・超高精細撮影
開発担当	富士フイルム	石川エナジーリサーチ	両社共同
利点	超高解像画像の撮影が可能	長時間の空中撮影が可能	広範囲の詳細な情報収集
想定用途	大型設備の点検	広域農園・森林の管理	災害現場の被害状況確認

ラージフォーマットセンサーについて

ラージフォーマットセンサーとは、一般的な35mm判フルサイズセンサーよりも大きな撮像素子のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

高解像度と優れた階調表現を実現
ダイナミックレンジが広く、露出の許容範囲が大きい
被写界深度のコントロールが容易で、独特のボケ味を表現可能

GFX100シリーズに搭載されているラージフォーマットセンサーは、対角線の長さが55mm（横43.8mm×縦32.9mm）で、35mm判の約1.7倍の面積を持つ。このサイズの大きさにより、2600万画素APS-Cサイズセンサー搭載カメラと比較して約4倍の面積を撮影することが可能となり、広範囲の高精細な画像キャプチャを実現している。

GFX100シリーズとドローンによる遠隔撮影技術に関する考察

GFX100シリーズとドローンを組み合わせた遠隔撮影技術は、産業用途において革新的な可能性を秘めている。特に大型設備の点検や広域にわたる農園・森林の管理、災害現場の被害状況確認など、人間の目では捉えきれない広範囲かつ詳細な情報収集が求められる場面で、この技術は大きな価値を発揮するだろう。また、長時間飛行が可能なドローンとの組み合わせにより、一度の飛行で広大なエリアをカバーできる点も大きな利点となる。

一方で、この技術の実用化に向けては、プライバシーや安全性に関する課題も考慮する必要がある。高解像度カメラを搭載したドローンの使用は、意図せずに個人情報を収集してしまう可能性があるため、撮影エリアの制限や画像データの取り扱いに関する厳格なガイドラインの策定が求められるだろう。また、長時間飛行中の突発的な気象変化やバッテリー切れなどのリスクに対する安全対策も重要な課題となる。

今後、この技術がさらに発展していくためには、AIによる画像解析技術との統合が期待される。例えば、リアルタイムで撮影した超高精細画像をAIが即座に分析し、異常箇所や変化を自動検出するシステムが実現すれば、より効率的かつ迅速な情報収集が可能となるだろう。富士フイルムと石川エナジーリサーチには、こうした先進的な技術開発を通じて、産業用画像ソリューションの新たな地平を切り開くことを期待したい。

参考サイト

^ PR TIMES. 「ミラーレスデジタルカメラ「GFX100シリーズ」と長時間飛行可能なドローンを組み合わせた遠隔撮影に関する技術検証を開始 | 富士フイルム株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000263.000013110.html, (参照 24-10-18).

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