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公開：2024-10-18

東京メトロが陸上風力バーチャルPPAを導入、銀座線の電力を実質再エネ化し鉄道業界初の取り組みに

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 東京メトロが陸上風力バーチャルPPAを導入
• 銀座線の電力を一部実質再エネ化
• 鉄道業界初の取り組みとなる

東京メトロの陸上風力バーチャルPPA導入による銀座線の電力再エネ化

東京メトロは2024年9月27日、コスモエコパワー及び東京電力EPと陸上風力を活用したバーチャルPPAを締結した。このPPAにより、東京メトロは姫神ウィンドパークから年間約2,100万kWh分の環境価値を非化石証書として約15年間にわたり受け取ることが可能になった。これによって銀座線で使用する電力の一部を実質的に再生可能エネルギー化し、CO₂排出量を年間約8,190トン削減できる見込みだ。^[1]

バーチャルPPAとは、需要家の敷地外に立地する専用発電所で発電された再生可能エネルギーの環境価値のみを需要家が調達する手段である。国内の鉄道業界における陸上風力を活用したバーチャルPPAの導入は、本件が初めての事例となる。この取り組みは、東京メトロのカーボンニュートラルへの取り組みを大きく前進させるものだ。

東京メトロは2021年3月に長期環境目標「メトロCO2ゼロ チャレンジ 2050」を設定しており、東京メトログループ全事業が排出するCO2量について、2030年度までに2013年度比50%削減、2050年度までに実質ゼロを目指している。今回のバーチャルPPA導入は、この目標達成に向けた具体的な施策の一つとして位置付けられている。

東京メトロの陸上風力バーチャルPPA導入の詳細

バーチャルPPAについて

バーチャルPPAとは、Power Purchase Agreement（電力購入契約）の一形態であり、需要家が発電事業者から直接再生可能エネルギーを購入する契約形態のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 需要家の敷地外の発電所から環境価値のみを調達
• 物理的な電力供給は行わず、環境価値のみを取引
• 長期契約による安定的な再エネ調達が可能

バーチャルPPAは、企業が自社の敷地内に発電設備を設置することなく再生可能エネルギーを調達できるため、都市部の企業や大規模な電力消費者にとって有効な手段となる。東京メトロの事例では、姫神ウィンドパークで発電された電力の環境価値を非化石証書として受け取ることで、銀座線の電力を実質的に再生可能エネルギー化している。

東京メトロの陸上風力バーチャルPPA導入に関する考察

東京メトロによる陸上風力バーチャルPPAの導入は、鉄道業界におけるカーボンニュートラルへの取り組みを大きく前進させる画期的な施策だ。特に、都市部の公共交通機関が再生可能エネルギーを積極的に活用する姿勢を示したことは、他の交通事業者にも大きな影響を与える可能性がある。一方で、バーチャルPPAの導入には初期投資や長期的なコミットメントが必要となるため、中小規模の事業者にとっては導入のハードルが高い可能性もあるだろう。

今後の課題として、再生可能エネルギーの安定供給や、さらなる環境価値の拡大が挙げられる。風力発電は天候に左右されるため、安定的な電力供給を確保するためには、他の再生可能エネルギー源との組み合わせや蓄電技術の活用が重要になってくる。また、バーチャルPPAの普及に伴い、環境価値の取引市場がより活性化することで、より多くの企業が再生可能エネルギーを導入しやすくなることが期待される。

東京メトロには、今回の取り組みをさらに発展させ、他の路線にも再生可能エネルギーの活用を広げていくことが期待される。同時に、鉄道事業者間での知見の共有や、政府による支援策の拡充など、業界全体でのカーボンニュートラルへの取り組みを加速させることが重要だ。この先駆的な事例が、日本の公共交通機関全体の脱炭素化を牽引する役割を果たすことを期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「鉄道業界初、東京メトロが陸上風力バーチャルPPAを導入銀座線の使用電力を一部実質再エネ化 | 東京地下鉄株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001206.000020053.html, (参照 24-10-18).

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