M4チップとUltra Retina XDRディスプレイ搭載の新しいiPad Pro、Apple Pencil Pro、Magic Keyboardを発表

text: XEXEQ編集部

次世代iPad Proに関する記事の要約
Appleが薄型軽量デザインの新型iPad Proを発表
画期的なUltra Retina XDRディスプレイを搭載
M4チップによる飛躍的なパフォーマンス向上とAI機能
Apple Pencil ProとMagic Keyboardがワークフローを加速
iPad ProとAIの可能性に関する考察
参考サイト

次世代iPad Proに関する記事の要約

M4チップとUltra Retina XDRディスプレイを搭載した新しいiPad Proを発表
Apple Pencil ProとMagic Keyboardも同時に発表され、より高度な創作活動が可能に
iPadOS 17では、さらに使いやすくパーソナライズされたユーザー体験を提供
iPadのためのLogic Pro 2とFinal Cut Pro 2が大幅にアップデートされ、より強力な機能を搭載

Appleが薄型軽量デザインの新型iPad Proを発表

Appleは2024年5月7日、これまでで最も薄くて軽いiPad Proを発表した。新しい11インチモデルは5.3mmの薄さ、13インチモデルは5.1mmの薄さを実現している。^[1]

シルバーとスペースブラックの2色が用意され、100%再生アルミニウム製の筐体を採用。重量は11インチモデルが450g未満、13インチモデルが前世代より約100g軽量化された。

薄型軽量化により、プロユーザーはより多様な場所でワークフローを拡張できるようになった。持ち運びやすさが大幅に向上したことで、iPadの可能性がさらに広がったと言えるだろう。

画期的なUltra Retina XDRディスプレイを搭載

新しいiPad Proは、世界で最も先進的なディスプレイであるUltra Retina XDRを搭載した。最先端のタンデムOLEDテクノロジーにより、SDRとHDRコンテンツで1,000ニトのフルスクリーン輝度、HDRで1,600ニトのピーク輝度を実現している。

高精度な色再現とサブミリ秒単位のピクセル制御により、これまでにない鮮明さと動きの滑らかさを提供。映り込みを抑えるNano-textureガラスのオプションも用意され、プロユーザーの要求に応えている。

Ultra Retina XDRディスプレイは、iPad Proで写真や動画編集、デザイン作業をする上で大きな強みとなるだろう。比類のない視覚体験により、クリエイティブワークの質が大幅に向上すると期待できる。

M4チップによる飛躍的なパフォーマンス向上とAI機能

新しいiPad ProはM4チップを搭載し、前世代のM2から大幅なパフォーマンス向上を果たした。最大1.5倍高速なCPU、4倍高速なGPUレンダリング、60倍高速なNeural Engineを備え、あらゆる作業をこなせるパワフルなデバイスとなっている。

M4のNeural Engineは毎秒38兆回の演算処理が可能で、Final Cut ProのAIベースの編集機能などを高速に実行できる。iPadOSのCore MLフレームワークと組み合わせることで、AIを活用した革新的なアプリ体験を提供できるようになった。

M4の登場により、iPad Proはモバイル環境でも制約なくハイエンドな作業ができるプロ向けマシンへと進化を遂げた。Apple Siliconのパワーを存分に活用し、クラウドベースのAIソリューションとも連携できる柔軟性の高さは大きな魅力だ。

Apple Pencil ProとMagic Keyboardがワークフローを加速

新しいiPad Proと同時に発表されたApple Pencil Proは、筆圧検知に加えてスクイーズ操作や回転検知など、より直感的な入力方法を実現した。触覚フィードバックにより確認の手応えを得られ、紛失防止のために「探す」機能にも対応している。

Magic Keyboardは薄型軽量化が図られ、ファンクションキーや大型トラックパッドを搭載。フローティングデザインとアルミニウム製のパームレストにより、MacBookのような快適なタイピング体験を提供する。

Apple Pencil ProとMagic Keyboardは、iPad Proでのクリエイティブワークやドキュメント作成の効率を大幅に高めてくれるだろう。デバイスの垣根を越えたシームレスな操作性は、プロユーザーの生産性向上に大きく貢献すると期待できる。

iPad ProとAIの可能性に関する考察

M4チップのNeural Engineと連携するiPadOSのAIフレームワークにより、iPad Proはローカル環境でパワフルな生成AIモデルを動かせるようになった。これにより、ユーザーはクラウドに依存することなく、プライバシーを保護しながらAIの恩恵を受けられるようになるだろう。一方で、オフラインでのAIモデル実行には大容量のストレージが必要になるため、iPad ProのストレージオプションのさらなるTeraバイト級の拡張が求められるかもしれない。

Final Cut ProやLogic Proなどの専門的なアプリケーションにAIアシスタント機能が導入されたことで、iPad Proはプロフェッショナルな創作活動をサポートするツールとしての地位を確立しつつある。自然言語による高度な編集オペレーションの実現など、TouchとPencilを活用したAIとのインタラクションにより、iPad Proならではのユニークな創作体験が生まれていくことに期待が持てる。ただし、AIによる自動化が高度になるほど、人間のクリエイティビティとの棲み分けをどう図るかという課題も浮上してくるだろう。

13インチの大画面とUltra Retina XDRディスプレイを備えたiPad Proは、モバイル環境でもMacに匹敵する表現力を発揮できるようになった。デュアルディスプレイをサポートするiPadOS 17との組み合わせにより、オフィスでもフィールドでもシームレスに使えるオールインワンのワークステーションとしての活用が広がるだろう。ポストPC時代のプロユース向けコンピューティングの在り方を示す端末として、iPad Proはますます存在感を高めていくことが予想される。

セキュリティの観点からは、強力なAIを搭載したiPad Proがサイバー攻撃の格好のターゲットになる可能性も懸念される。ローカルでのAIモデル実行は、APIを介したクラウドサービスへのアクセスに比べて安全性が高いとはいえ、iPad ProのOSやアプリケーション層の脆弱性を突いた攻撃によって、AIが悪用される危険性は否定できない。ユーザーによる不用意なデータ共有などに起因するプライバシー侵害のリスクも考えられる。Appleには、ハードウェアとソフトウェアが一体となったセキュリティアーキテクチャのさらなる強化が求められるだろう。

ビジネスの視点で見ると、高性能でポータブルなiPad Proの登場は、モバイルワークスタイルの選択肢を広げる意味で重要な意味を持つ。クリエイティブ産業やIT業界など、従来からMacを中心に構築されてきた業務環境に、iPadベースのワークフローを柔軟に組み込めるようになるだろう。より安価なiPadでカバーできる業務領域が広がることで、社内のPC運用コストの最適化も期待できる。ただし、業務アプリケーションのiPadOS対応や、iPad管理・セキュリティツールの整備など、企業のIT部門には新たな課題も生まれる。トータルコストを見据えた戦略的なデバイス選定が求められるようになるはずだ。