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公開：2024-07-30

LIFULL ArchiTechがインスタントハウスのフェーズフリー活用を開始、キャンプ施設と避難シェルターの両立を実現

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• インスタントハウスをキャンプ施設として活用
• 災害時避難シェルターとしても利用可能
• 1時間以内で組み立て・移設が可能な設計

LIFULL ArchiTechとカトープレジャーグループによるフェーズフリー施設の開発

LIFULL ArchiTechとカトープレジャーグループは、インスタントハウス・パージ型を活用したキャンプ施設を京都府南丹市のDOD CAMP PARK KYOTOに2024年7月29日より導入した。この施設は通常時はキャンプ場として機能し、災害時には避難施設として利用可能なフェーズフリーな設計となっている。1時間以内での組み立てや移設が可能な柔軟性を持ち、宿泊やイベント、災害時シェルターなど多目的に運用できる点が特徴だ。^[1]

インスタントハウスは、2011年の東日本大震災をきっかけに開発された新しい構築物で、土地に定着しない非建築物扱いとなっている。テントシートを空気で膨らませ、内側から断熱材を吹き付ける工法により、短時間での建設が可能だ。断熱性や耐久性に優れ、耐震性や耐風性も兼ね備えているため、様々な用途に適応可能な設計となっている。

この取り組みは、自治体の土地の指定管理者であるカトープレジャーグループとの協業によるものだ。DOD CAMP PARK KYOTOは道の駅スプリングスひよし内にあるキャンプエリアで、アウトドアブランド「DOD」とのコラボレーションにより、初心者からベテランまで手ぶらでキャンプを楽しめる施設となっている。今後は、全国の自治体が所有するキャンプ場や都市公園での活用も視野に入れ、官民連携でインスタントハウスの社会インフラ化を目指すとしている。

フェーズフリーについて

フェーズフリーとは、日常生活と非常時の境界をなくすという考え方を指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 日常生活から無意識に災害に備えられる
• 平時と非常時の両方で使える商品やサービスを提供
• 「備えない防災」とも表現される新しい防災概念

フェーズフリーの考え方は、従来の防災対策とは異なり、特別な準備や意識付けを必要としない点が特徴だ。例えば、モバイルバッテリーの日常的な携行や、ローリングストックによる食料備蓄などが身近な実践例として挙げられる。このアプローチにより、人々の生活をより安全で快適なものにすることを目指している。

インスタントハウスのフェーズフリー活用に関する考察

インスタントハウスのフェーズフリー活用には、今後いくつかの課題が浮上する可能性がある。例えば、平常時と災害時での利用頻度の差により、メンテナンスや管理体制の整備が必要になるだろう。また、災害時に迅速に避難施設として転用するためのマニュアル整備や訓練の実施も求められる。

今後追加してほしい機能としては、太陽光パネルや蓄電システムの統合が挙げられる。これにより、災害時のエネルギー自給が可能となり、避難施設としての機能性が大幅に向上するだろう。さらに、IoT技術を活用した遠隔監視システムの導入も有効だ。平常時のキャンプ場利用状況や、災害時の避難者数の把握などに役立つ可能性がある。

インスタントハウスのフェーズフリー活用は、防災と地域活性化の両立という観点から、今後さらなる発展が期待される。全国の自治体や民間企業との連携を強化し、様々な地域特性に適応したモデルケースを創出することが重要だ。また、環境負荷の低減や循環型社会への貢献など、SDGsの観点からも、インスタントハウスの活用方法を模索していく必要があるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「LIFULL ArchiTech、カトープレジャーグループとインスタントハウスのフェーズフリー活用を開始　災害時避難シェルター想定キャンプ施設がオープン | 株式会社LIFULLのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000545.000033058.html, (参照 24-07-30).

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