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ブイアール

公開：2024-07-27

岡山大学病院とclusterがメタバースで希少がん患者支援、入院中の子どもたちに新たな体験を提供

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• 岡山大学病院がメタバースで希少がん患者の交流を実現
• clusterが医療現場でのメタバース活用に協力
• 入院中の子どもたちにVRで星空体験を提供

岡山大学病院とclusterによる希少がん患者支援の取り組み

クラスター株式会社は、岡山大学学術研究院医歯薬学域の長谷井嬢准教授と連携し、希少がん患者の孤独感解消を目指すメタバース活用の研究に協力を開始した。この取り組みは、小児・AYA世代の希少がん患者を対象に、遠隔地の患者同士が安全に交流できる仮想空間を提供することを目的としている。^[1]

メタバースを介した交流により、患者は同じ疾患や同世代の悩みを共有し、情報交換が可能となった。また、ゲームなどの体験を通じて楽しみながら交流することで、緊張感の緩和にも効果があると考えられている。この取り組みは、物理的制限から解放されることで、患者のQOL向上につながることが期待されている。

具体的な事例として、岡山大学病院小児科病棟では「メタバース七夕体験」を実施し、病室から出られない子どもたちにVRゴーグルを用いて満天の星空を体験させた。クラスターのプラットフォームには7万を超えるワールドが存在し、実生活では味わえない体験を提供することが可能となっている。

メタバースについて

メタバースとは、仮想空間上での生活そのものを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 物理的制限から解放された自由な交流が可能
• アバターを通じて匿名性の高いコミュニケーションが可能
• 現実世界では体験できない様々な活動や体験を提供

メタバースは、現実世界とは異なる3D仮想空間内で、ユーザーが自由に活動し、他者とコミュニケーションを取ることができる環境を提供している。この技術は、ゲームやエンターテインメントだけでなく、教育、ビジネス、医療など様々な分野での活用が期待されており、特に物理的な制約がある状況下での新たな可能性を切り開く存在として注目を集めている。

メタバースの医療応用に関する考察

メタバースの医療応用には、プライバシーとデータセキュリティの問題が大きな課題となる可能性がある。患者の個人情報や医療データの取り扱いには細心の注意が必要であり、仮想空間内でのセキュリティ対策や、参加者の身元確認システムの構築が不可欠だろう。また、長時間のVR使用による身体的な影響や、現実世界とバーチャル世界の境界線が曖昧になることによる心理的影響についても、慎重に検討していく必要があるだろう。

今後、メタバース上での医療相談や遠隔診療の実現が期待される。患者の表情や動作をより詳細に観察できる3D空間での診察や、複数の専門医が同時に参加するカンファレンスなど、従来の遠隔医療を超えた新たな可能性が広がると考えられる。さらに、医療従事者の教育や訓練にもメタバースを活用することで、リスクを伴わない環境で高度な技術を習得できるようになるだろう。

メタバースの医療応用において、今後最も期待したいのは、患者のエンパワーメントと医療の民主化だ。患者同士のピアサポートや情報共有が活発化することで、希少疾患患者の孤立感解消にとどまらず、患者主体の医療の実現につながる可能性がある。また、地理的・経済的な格差を超えて質の高い医療情報や専門家へのアクセスが可能になれば、医療の地域間格差の解消にも貢献するだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「『病室にいながら満天の星を見たよ』岡山大学病院発「希少がん患者の孤独感を解消する～メタバースを用いた世界初の挑戦」にclusterが協力していきます | クラスター株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000286.000017626.html, (参照 24-07-27).

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