セキュリティ

SECURITY

公開：2024-10-24

【CVE-2024-47166】Gradioにパストラバーサルの脆弱性、バージョン4.44.0未満で情報漏洩のリスクが発生

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Gradioにパストラバーサルの脆弱性が発見
• CVSS基本値5.3の警告レベルの脆弱性
• Gradio 4.44.0未満のバージョンが影響を受ける

Gradioのパストラバーサル脆弱性

Gradio projectは2024年10月10日にPython用Gradioにおけるパストラバーサルの脆弱性を公開した。この脆弱性は【CVE-2024-47166】として識別されており、CWEによる脆弱性タイプはパス・トラバーサル（CWE-22）に分類されている。^[1]

NVDの評価によると、攻撃元区分はネットワークであり、攻撃条件の複雑さは低いとされている。また、攻撃に必要な特権レベルは不要だが、利用者の関与は不要とされており、影響の想定範囲に変更がないとされている。

この脆弱性は機密性への影響が低く、完全性と可用性への影響はないとされている。CVSSによる深刻度基本値は5.3であり、警告レベルに分類され、影響を受けるバージョンはGradio 4.44.0未満のすべてのバージョンとなっている。

Gradioのセキュリティ評価まとめ

パストラバーサルについて

パストラバーサルとは、Webアプリケーションにおいてファイルパスを操作される脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 意図しないディレクトリへのアクセスが可能になる
• 重要なシステムファイルが露出するリスクがある
• 攻撃者による不正なファイル操作が可能になる

今回のGradioの脆弱性では、CVSSスコアが5.3と警告レベルに分類されており、機密性への影響が確認されている。この脆弱性は攻撃条件の複雑さが低く特権も不要とされているため、システム管理者は適切なバージョンへのアップデートを検討する必要がある。

Gradioの脆弱性に関する考察

Gradioの脆弱性対応は比較的迅速であり、バージョン4.44.0で修正が行われたことは評価できる点である。しかし、パストラバーサル脆弱性は情報漏洩につながる可能性があり、特に機密データを扱うシステムでは深刻な問題となり得るため、早急なアップデートが必要となるだろう。

今後は同様の脆弱性を防ぐため、入力値のバリデーションやファイルパスの正規化など、より厳密なセキュリティチェックの実装が求められる。また、定期的なセキュリティ監査やペネトレーションテストの実施により、新たな脆弱性の早期発見につながることが期待できるだろう。

将来的には、AIを活用したセキュリティ監視システムの導入やリアルタイムでの脆弱性検知機能の実装も検討すべきである。さらに、開発者コミュニティとの連携を強化し、脆弱性情報の共有や修正パッチの迅速な適用体制を整備することで、より強固なセキュリティ体制の構築が可能となるはずだ。

参考サイト

1. ^ JVN. 「JVNDB-2024-010836 - JVN iPedia - 脆弱性対策情報データベース」. https://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2024/JVNDB-2024-010836.html, (参照 24-10-24).

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