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公開：2024-10-25

大成建設とチャレナジーが超高層ビル屋上での風力発電実証実験を開始、市街地での再生可能エネルギー活用に期待

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 超高層ビル屋上での風力発電実証実験を開始
• サボニウス式風車による国内初の試み
• 3社による技術発展・普及に向けた協定を締結

大成建設とチャレナジーによる超高層ビル風力発電の実証実験開始

大成建設とチャレナジーは三井不動産の協力のもと、2024年10月23日に超高層ビル屋上での風力発電実証実験の実施を発表した。実証実験では垂直軸型サボニウス式風車を横浜三井ビルディング屋上に設置し、2025年4月から2026年3月にかけて国内初となる超高層ビルでの風力発電に取り組むことになる。^[1]

従来のプロペラ式風車では騒音や振動の問題に加え設置面積の広さが課題となっていたが、サボニウス式風車は狭いスペースでの設置が可能で低騒音・低振動という特徴を持つ。全方位からの風を受けて24時間発電できる新技術により、建物のゼロエミッション化に向けた新たな選択肢となるだろう。

実証実験では風量や発電量などのデータ取得を通じて技術のさらなる発展を目指すとともに、設置時における課題や要件の明確化を行う。3社は本実証実験を通じて市街地での建物のZEB化や災害時のBCP対応などへの貢献を視野に入れている。

サボニウス式風車の実証実験概要まとめ

サボニウス式風車について

サボニウス式風車とは、垂直軸型の風力発電装置で従来のプロペラ式風車とは異なる構造を持つ発電システムである。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 垂直軸で回転し3㎡程度の限られたスペースに設置可能
• 全方位からの風を受けて24時間発電が可能
• 低騒音・低振動でバードストライク防止にも効果的

サボニウス式風車は従来の水平軸型プロペラ式風車に見られた広い設置面積や風向の制限などの課題を解決する新技術として注目されている。建物の屋上など市街地での設置に適しており、太陽光発電と並ぶ再生可能エネルギー技術として期待が高まっているのだ。

超高層ビル風力発電に関する考察

サボニウス式風車による超高層ビル屋上での風力発電実証実験は、市街地における再生可能エネルギーの新たな可能性を示すものとして画期的な取り組みである。特に従来のプロペラ式風車では実現が難しかった都市部での風力発電が可能になることで、建物のゼロエミッション化に向けた選択肢が大きく広がるだろう。

今後の課題として、高層ビル特有の強風や突風への対応、メンテナンス体制の構築などが考えられる。実証実験を通じて得られるデータの分析と、それに基づく改良や最適化が重要になってくるだろう。また、設置コストの低減や発電効率の向上も普及に向けた重要な課題となる。

将来的には複数の超高層ビルでの導入による都市型分散電源網の構築や、太陽光発電との併用によるハイブリッド発電システムの開発なども期待される。サボニウス式風車の技術革新が進むことで、市街地における再生可能エネルギーの活用がさらに加速するはずだ。

参考サイト

1. ^ 大成建設株式会社. 「国内初 超高層ビル屋上でサボニウス式風車による風力発電の実証実験着手」. https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/assets_cms/pdf/10185.pdf, (参照 24-10-25).

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