株式会社S-CADE.がスマートフォンで高精度なジャンプ力測定を実現するJumpEyeアプリを開発、修正滞空時間法の実装によって競技スポーツの発展に貢献

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

スマートフォンで高精度なジャンプ力測定が可能に
修正滞空時間法をJumpEyeアプリに実装
従来の問題点を解消し力積法と同等の精度を実現

スマートフォン用ジャンプ測定アプリJumpEyeの新技術

株式会社S-CADE.は慶應義塾大学体育研究所の研究チームと共同で、ジャンプ高を高精度に測定できるアプリケーションJumpEyeを2024年11月7日にリリースした。スマートフォンのカメラを使用して離地時の大転子の高さを水平線として記録し、着地までの時間から測定する修正滞空時間法を採用することで、従来の滞空時間法の問題点を解消している。^[1]

従来のジャンプ高測定において地面反力計を使用する力積法は高い精度を持つものの、機器の大きさや専門知識が必要といった課題があった。一方で簡易なデバイスで測定可能な滞空時間法は最大10cmの誤差が発生する可能性があり、精度面での課題が指摘されていたのだ。

新たに開発された修正滞空時間法は力積法とほぼ同等の精度でジャンプ高を測定することが可能になった。この技術によってスポーツ現場におけるアスリートのパフォーマンスやコンディションの正確な評価が実現し、競技力向上に大きく貢献することが期待されている。

JumpEyeの特徴まとめ

項目	詳細
測定方式	修正滞空時間法（スマートフォンカメラ使用）
測定精度	力積法とほぼ同等（誤差0.2cm）
相関関係	力積法との強い正の相関（ρ = 0.987）
発表日	2024年11月7日
論文掲載	International Journal of Sports Physiology and Performance（2024年11月5日）

力積法について

力積法とは地面反力計という特殊な機器を用いてジャンプ高を算出する方法で、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

高い測定精度を持つゴールドスタンダード
専門的な知識と大型の機器が必要
実験室での測定が基本的な使用環境

力積法は従来の滞空時間法と比較して非常に高い精度でジャンプ高を測定することができ、研究分野での信頼性が高い手法として知られている。ただし機器が大型で持ち運びが困難なため、実際のスポーツ現場での使用には制限があることが課題となっていた。

修正滞空時間法に関する考察

修正滞空時間法の実用化によって、スポーツ現場での高精度なジャンプ力測定が一般化する可能性が高まっている。スマートフォンという身近なデバイスで測定が可能になったことで、アスリートの日常的なパフォーマンス管理やトレーニング効果の検証が容易になったのだ。

今後の課題として、カウンタームーブメントジャンプ以外の様々なジャンプ動作への対応が挙げられる。異なる動作パターンでも同様の精度が維持できるかどうかの検証が必要であり、測定可能な動作の拡大によってアプリケーションの汎用性が更に高まるだろう。

修正滞空時間法の技術は、スポーツ科学の研究分野にも大きな影響を与える可能性がある。従来は実験室でしか行えなかった高精度な測定が現場で可能になることで、より実践的なデータ収集や研究の展開が期待できるのだ。

参考サイト

^ PR TIMES. 「スマートフォンで簡単かつ高精度にジャンプ力を計測できる『修正滞空時間法』をApple OSのアプリ「JumpEye」に実装 | 株式会社S-CADE.のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000148883.html, (参照 24-11-09).

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