クラウドインフラ支出が22%増、Amazon・Microsoft・Googleが市場をリード、Oracleが急成長で5位に

text: XEXEQ編集部

記事の要約

Q2のクラウドインフラ支出が22%増加
Amazon、Microsoft、Googleが市場をリード
Oracleが成長率トップで5位に浮上

2024年Q2のクラウドインフラ市場動向

Synergy Research Groupの最新データによると、2024年第2四半期の企業向けクラウドインフラサービスへの世界的支出が790億ドルに達し、前年同期比22%増加したことが明らかになった。この成長は、generative AIの需要増加が一因となっており、市場の根本的な強さを示している。経済的な逆風や政治的な不確実性が残る中でも、クラウドサービスへの支出は新たな高みを記録し続けている。^[1]

競争環境において、Amazonは32%の市場シェアで首位を維持し、Microsoftが23%、Googleが12%でこれに続いている。これら3社は2023年半ば以降、成長率を大幅に上昇させており、市場の73%を占めている。ティア2のプロバイダーの中では、Oracle、Huawei、Snowflake、MongoDBが最も高い成長率を記録し、特にOracleはIBMを上回り、Salesforceと並んで5位に浮上した。

地理的には、すべての地域でクラウド市場が堅調な成長を続けている。アジア太平洋地域では、インド、日本、オーストラリア、韓国が25%以上の成長率を記録し、現地通貨ベースで最も強い成長を示した。一方、米国は依然として圧倒的に最大のクラウド市場であり、22%の成長率を達成している。欧州では、アイルランド、イタリア、スパインが最も高い成長率を記録している。

2024年Q2クラウドインフラ市場の動向まとめ

	市場規模	成長率	トップ企業	成長地域
概要	790億ドル	22%増	Amazon、Microsoft、Google	AP AC、米国、欧州
市場シェア	-	-	Amazon 32%、Microsoft 23%、Google 12%	-
成長要因	-	Generative AI需要	-	-
注目企業	-	-	Oracle、Huawei、Snowflake、MongoDB	-
地域別成長率	-	-	-	APAC 25%以上、米国 22%

クラウドインフラ市場の今後に関する考察

クラウドインフラ市場の急速な成長に伴い、今後はデータセキュリティとプライバシーの問題がより深刻化する可能性がある。特に、多国間でのデータ移転や保管に関する規制の違いが、グローバル企業にとって大きな課題となるだろう。また、市場の寡占化が進む中で、小規模プロバイダーの生存競争が激化し、イノベーションの停滞や価格競争の激化につながる恐れもある。

今後、クラウドプロバイダーには、AIと機械学習の能力をさらに強化し、より高度な自動化とインテリジェントな運用管理を実現する新機能の追加が期待される。また、エッジコンピューティングとの統合やハイブリッドクラウドソリューションの拡充など、より柔軟で効率的なインフラストラクチャの提供が求められるだろう。サステナビリティへの取り組みも重要となり、環境負荷を低減するグリーンクラウド技術の開発と導入が進むことが予想される。

クラウドインフラ市場の今後の発展には、技術革新だけでなく、規制環境の整備と国際協調が不可欠だ。各国政府とクラウドプロバイダーが協力し、データの越境移転に関する統一的なルールの策定や、AIの倫理的利用に関するガイドラインの確立などが期待される。また、中小企業や新興国市場向けのサービス拡充により、クラウド技術の恩恵をより広範囲に浸透させることが、市場の持続的成長につながるだろう。