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【CVE-2024-50239】Linuxカーネルのqmp-usb-legacyドライバにNULLポインタ参照の脆弱性が発見、ランタイムサスペンド時の安定性に影響

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Linuxカーネルのqmp-usb-legacyドライバにNULL参照の脆弱性
  • ランタイムサスペンド時にデバイスドライバデータが未初期化
  • コミット413db06c05e7により発生した問題に対処

Linuxカーネルのqmp-usb-legacyドライバの脆弱性

Linuxカーネルのメンテナーは2024年11月9日、qmp-usb-legacyドライバにおけるNULL参照の脆弱性【CVE-2024-50239】を修正するパッチをリリースした。この脆弱性は、コミット413db06c05e7によってプラットフォームデバイスドライバデータの初期化処理が削除されたことに起因している。[1]

qcom-qmp-usbドライバからqmp-usb-legacyドライバが作成された際にも同様の問題が引き継がれており、ランタイムサスペンド時にNULLポインタ参照が発生する可能性があった。この問題は現在手動で有効化する必要があるランタイムPM機能を使用する場合にのみ影響を及ぼすものだ。

本脆弱性の修正により、プローブ時にドライバデータが適切に初期化されるようになった。qmp-usb-legacyドライバを使用するシステムにおいて、ランタイムサスペンド機能の安全性と信頼性が大幅に向上している。

Linux 6.6の脆弱性対応状況

項目 詳細
影響を受けるバージョン Linux 6.6
修正されたバージョン Linux 6.6.60, Linux 6.11.7, Linux 6.12-rc6
影響範囲 ランタイムPM機能を使用するシステム
脆弱性の種類 NULLポインタ参照
対応状況 修正パッチがリリース済み

NULLポインタ参照について

NULLポインタ参照とは、プログラムが初期化されていないポインタや無効なメモリアドレスにアクセスしようとする際に発生する問題のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • メモリアクセス違反によるプログラムのクラッシュ
  • システムの安定性に重大な影響を及ぼす可能性
  • セキュリティ上の脆弱性につながる危険性

Linuxカーネルにおいて、ドライバのランタイムPMコールバック内でのNULLポインタ参照は、システムの安定性に重大な影響を及ぼす可能性がある。qmp-usb-legacyドライバの場合、プラットフォームデバイスドライバデータの初期化が適切に行われていなかったことで、ランタイムサスペンド時にNULLポインタ参照が発生する危険性が存在していた。

Linuxカーネルの脆弱性対応に関する考察

Linuxカーネルのドライバ開発において、コード整理や最適化の過程で重要な初期化処理が意図せず削除されてしまうリスクが明らかになった。特にqmp-usb-legacyドライバのケースでは、既存ドライバからの機能移植時にも同様の問題が引き継がれており、コードレビューやテストの重要性が改めて浮き彫りになっている。

今後は、ドライバのランタイムPM機能に関するテストケースの拡充が求められる。手動での有効化が必要な機能であっても、自動テストによって潜在的な問題を早期に発見できる仕組みを整備することが重要だろう。コード変更の影響範囲を正確に把握し、関連する機能の動作検証を徹底することが不可欠である。

また、既存ドライバからの機能移植時には、元のコードの問題点や制限事項を十分に理解した上で実装を行う必要がある。ドライバ開発のベストプラクティスやチェックリストを整備し、同様の問題の再発を防ぐための取り組みが求められるだろう。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-50239, (参照 24-11-19).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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