【CVE-2024-50236】Linux kernelのath10kドライバーにメモリリークの脆弱性が発見、修正パッチの適用を推奨
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記事の要約
- Linux kernelのwifiドライバーath10kにメモリリークの脆弱性
- 管理パケットTX時のメモリ解放漏れが発生
- 【CVE-2024-50236】として報告され修正パッチが提供
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Linux kernelのath10kドライバーにおけるメモリリークの脆弱性
Linux kernelの開発チームは、WiFiドライバーのath10kにおいて深刻なメモリリークの脆弱性を発見し、2024年11月9日に修正パッチをリリースした。この脆弱性は管理パケットのTX処理時にMSDUコンテキスト用に確保されたメモリが解放されないことで発生し、システムのメモリリソースを徐々に消費していく問題が確認されている。[1]
kmemleak診断ツールによって、このメモリリークは作業プロセスkworker/u16:7のPID 148で検出され、16バイトのメモリが未解放の状態で残留していることが判明した。バックトレース情報から、この問題はath10k_wmi_tlv_op_gen_mgmt_tx_sendおよびath10k_mgmt_over_wmi_tx_work関数内で発生していることが特定されている。
この脆弱性に対する修正として、管理TX完了時とクリーンアップ時にメモリを適切に解放する処理が実装された。また、ath10k_wmi_tlv_op_cleanup_mgmt_tx_send関数内でのmgmt_pending_tx idr_remove操作にar->data_lockによる保護が追加され、他の類似実装と同様の安全性が確保されている。
Linux kernelの影響を受けるバージョン
バージョン | 影響状況 |
---|---|
4.19 | 影響あり |
4.19.323以降 | 修正済み |
5.4.285以降 | 修正済み |
5.10.229以降 | 修正済み |
5.15.171以降 | 修正済み |
6.1.116以降 | 修正済み |
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メモリリークについて
メモリリークとは、プログラムが確保したメモリ領域を適切に解放せずに放置してしまう状態のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- システムのメモリリソースが徐々に枯渇する
- 長時間の運用で性能低下やクラッシュの原因となる
- デバッグツールによる検出が必要
今回のLinux kernelのath10kドライバーで発見されたメモリリークは、管理パケットのTX処理における16バイトのメモリ未解放が原因となっている。kmemleak診断ツールによって検出されたこの問題は、システムの安定性に影響を与える可能性があるため、適切なパッチ適用による修正が推奨される。
Linux kernelのメモリリーク修正に関する考察
今回のメモリリーク修正は、WiFiドライバーの安定性向上という点で重要な意味を持っている。特にath10kドライバーは広く使用されているため、この修正によってシステムの信頼性が向上し、長時間運用時のメモリリソース管理が改善されるだろう。
しかし、同様のメモリリークが他のドライバーコンポーネントにも存在する可能性は否定できない。今後はkmemleak等の診断ツールを活用した定期的なコード検査と、メモリ管理に関する厳密なコードレビューが重要になってくるだろう。
また、Linux kernelの開発プロセスにおいて、メモリ管理の自動化やエラー検出の仕組みをさらに強化することが望まれる。継続的なコード品質の向上と、早期のバグ発見システムの改善が、今後のLinux kernelの安定性向上につながっていくはずだ。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-50236, (参照 24-11-19).
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