【CVE-2024-11068】D-Link DSL6740Cモデムに特権API脆弱性、認証バイパスによるパスワード変更の危険性が浮上
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記事の要約
- D-Link DSL6740Cモデムに特権APIの不適切な使用の脆弱性
- 認証なしでユーザーパスワードの変更が可能
- Web、SSH、Telnetサービスへの不正アクセスのリスク
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D-Link DSL6740Cモデムにおける特権API脆弱性の発見
台湾のTWCERT/CCは2024年11月11日、D-Link DSL6740Cモデムに特権APIの不適切な使用の脆弱性【CVE-2024-11068】を確認したと発表した。この脆弱性により、認証されていないリモート攻撃者が任意のユーザーのパスワードを変更できる状態になっており、Web管理画面やSSH、Telnetサービスへのアクセスが可能になるという深刻な問題が発覚している。[1]
この脆弱性はCVSS v3.1での評価で最高レベルに近い9.8(クリティカル)を記録しており、攻撃の容易さと影響の大きさが指摘されている。TWCERTの分析によると、攻撃者は特別な権限や認証情報を必要とせず、ネットワーク経由で容易に攻撃を実行できる状態であることが判明した。
更にこの脆弱性は、攻撃の自動化が可能であり、システムへの影響が深刻であることが報告されている。SSVCの評価では技術的な影響が全体に及ぶとされており、不正アクセスによってデバイスの制御権が奪取される可能性や、ネットワークインフラ全体のセキュリティが脅かされる危険性が指摘されている。
D-Link DSL6740Cの脆弱性詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性ID | CVE-2024-11068 |
深刻度 | CVSS v3.1 スコア9.8(クリティカル) |
攻撃条件 | ネットワークアクセス可能、認証不要 |
影響範囲 | Web、SSH、Telnetサービスへのアクセス |
技術的影響 | システム全体に影響 |
自動化可能性 | 可能 |
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特権APIについて
特権APIとは、システムの重要な機能や設定にアクセスするための高レベルな権限を持つインターフェースのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- システムの重要な設定や機能の制御が可能
- 通常は厳格な認証と権限管理が必要
- 不適切な使用は重大なセキュリティリスクを招く
D-Link DSL6740Cモデムの事例では、特権APIの実装における認証メカニズムの不備が深刻な脆弱性を引き起こしている。この問題により、本来であれば厳重に保護されているべきパスワード変更機能が、認証なしで実行可能な状態となり、不正アクセスのリスクが著しく高まっているのだ。
D-Link DSL6740Cの脆弱性に関する考察
D-Link DSL6740Cモデムの特権API脆弱性は、IoTデバイスのセキュリティ設計における基本的な認証機能の重要性を改めて浮き彫りにした。特にネットワーク機器において、適切な認証メカニズムの実装は最も基本的かつ重要なセキュリティ要件であり、今回の事例はセキュアバイデザインの原則が徹底されていなかった可能性を示唆している。
今後の課題として、IoTデバイスメーカーは開発段階からのセキュリティレビューの強化と、継続的な脆弱性診断の実施が求められる。特に認証機能や特権操作に関わるAPIの実装については、複数の専門家による厳密なコードレビューと、セキュリティテストの実施が不可欠だろう。
また、IoTデバイスの利用者は、デフォルトパスワードの変更やファームウェアの定期的な更新など、基本的なセキュリティ対策の徹底が重要となる。特権APIの不適切な実装は、攻撃者に完全な制御権を与えてしまう可能性があり、ネットワーク全体のセキュリティリスクとなり得るのだ。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-11068, (参照 24-11-20).
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