TOPPANホールディングスが新型3D ToFセンサを開発、小型化と低消費電力化で配膳ロボットなどの活用範囲が拡大

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

TOPPANホールディングスが新型3D ToFセンサを開発
高精度かつ小型化・低消費電力化を実現した新機能を搭載
2025年5月からサンプル出荷、10月から量産開始予定

TOPPANホールディングスの新型3D ToFセンサ開発による性能向上

TOPPANホールディングスは小型化と低消費電力を実現した新型の3D ToFセンサを2024年11月20日に発表した。この新型センサはハイブリッドToFによる長距離測定や屋外測定、高速撮像、複数台同時駆動の4つの性能に加え、HDR機能と画素ビニング機能を内蔵することで距離測定の精度向上とデータ転送の最適化を実現している。^[1]

新型3D ToFセンサは待機電力を5mW以下に抑えるディープパワーダウンモードを実装し、長時間のバッテリー駆動を可能にした。さらに入出力ピン数を削減することでセンササイズを従来品から約20%小型化し、周辺機器のハードウェア設計の柔軟性向上とコスト削減を実現している。

新型センサは配膳ロボットやロボット掃除機、スマートグラスなどの小型デバイスへの搭載に最適化されており、2024年12月4日から6日まで開催される国際画像機器展2024のTOPPANグループブースで展示される予定だ。TOPPANホールディングスは2025年度中に約15億円の売上を目指している。

新型3D ToFセンサの主な機能まとめ

項目	詳細
サンプル出荷開始	2025年5月
量産開始予定	2025年10月
主な新機能	HDR機能、画素ビニング機能
消費電力	待機電力5mW以下
小型化	従来比約20%減
対応デバイス	配膳ロボット、ロボット掃除機、スマートグラス

ハイブリッドToFについて

ハイブリッドToFとは、ショートパルス型ToF方式とマルチタイムウインドウ技術によるセンサ制御を融合した技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

強力な外光耐性による屋外での使用が可能
被写体ブレに強く動きの速い物体を捉えられる
最長30mまでの距離測定に対応

TOPPANホールディングスは新型3D ToFセンサにハイブリッドToF技術を搭載することで、最大120fpsの高速動作と外光ノイズのリアルタイム除去を実現した。さらに低モーションアーティファクトを実現し、ToF方式が苦手としていた低反射率と高反射率の対象物を同時に捉えることが可能になっている。

新型3D ToFセンサに関する考察

新型3D ToFセンサの小型化と低消費電力化は、IoTデバイスやロボティクス分野での活用範囲を大きく広げる可能性を秘めている。特に待機電力5mW以下という省電力性能は、バッテリー駆動デバイスの長時間稼働を実現し、実用性の向上に大きく貢献するだろう。

一方で、今後は多様なデバイスへの搭載に伴い、センサの耐久性や信頼性の確保が重要な課題となる可能性がある。特に屋外での使用や振動の多い環境での動作安定性について、継続的な検証と改善が必要になってくるだろう。

新型センサの実用化が進めば、自動運転や産業用ロボット、AR/VRデバイスなど幅広い分野での応用が期待できる。特に4つの基本性能に加えHDR機能と画素ビニング機能を搭載したことで、より高度な空間認識と制御が可能になるはずだ。

参考サイト

^ PR TIMES. 「TOPPANホールディングス、高性能で小型化・低消費電力化を実現した3D ToFセンサを開発 | TOPPANホールディングス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001548.000033034.html, (参照 24-11-21).

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