公開:

【CVE-2024-50267】LinuxカーネルのUSBシリアルドライバーにuse-after-free脆弱性、複数バージョンで修正パッチをリリース

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Linuxカーネルのio_edgeportドライバーに脆弱性
  • デバッグ出力処理でuse-after-freeが発生
  • 複数のLinuxバージョンで修正パッチをリリース

LinuxカーネルのUSBシリアルドライバーに重大な脆弱性

Linuxカーネルの開発チームは2024年11月19日、USBシリアルドライバーの一つであるio_edgeportにおいて重大な脆弱性を発見し修正を行ったことを発表した。脆弱性は【CVE-2024-50267】として識別されており、デバッグ出力処理においてメモリの解放後にポインタにアクセスしてしまうuse-after-freeの問題が確認されている。[1]

この脆弱性は、デバッグメッセージを出力する際にusb_free_urb関数でメモリを解放した後もurbポインタを参照してしまうことで発生する。開発チームは関数の先頭でdevポインタを保存することで、メモリ解放後のポインタ参照を防ぐ修正を実装している。

修正パッチは複数のLinuxカーネルバージョンに対してリリースされており、バージョン4.19.324、5.4.286、5.10.230、5.15.172、6.1.117、6.6.61、6.11.8以降では脆弱性が修正されている。影響を受けるバージョンを使用しているユーザーは、最新のセキュリティアップデートを適用することが推奨される。

LinuxカーネルのUSBシリアルドライバー脆弱性の影響範囲

項目 詳細
脆弱性ID CVE-2024-50267
影響を受けるコンポーネント USB serial: io_edgeportドライバー
脆弱性の種類 Use-after-free
影響を受けるバージョン Linux 3.7から各修正パッチ適用前まで
修正バージョン 4.19.324以降、5.4.286以降、5.10.230以降、5.15.172以降、6.1.117以降、6.6.61以降、6.11.8以降

Use-after-freeについて

Use-after-freeとは、メモリ管理に関する脆弱性の一種で、すでに解放されたメモリ領域に対してアクセスを試みることで発生する問題のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 解放済みメモリへの不正アクセスによりプログラムがクラッシュする可能性
  • メモリ内の機密データが漏洩するリスク
  • 任意のコード実行につながる可能性がある深刻な脆弱性

Linuxカーネルにおけるuse-after-free脆弱性は、システム全体のセキュリティに影響を及ぼす可能性がある重大な問題である。今回のio_edgeportドライバーの脆弱性では、デバッグ出力処理においてurbポインタを解放した後もアクセスを試みる実装ミスが原因となっていた。

Linuxカーネルの脆弱性対応に関する考察

Linuxカーネルの開発チームによる迅速な脆弱性対応と複数のバージョンへのパッチ提供は、セキュリティ管理の観点から高く評価できる取り組みである。特に広く利用されているLTSバージョンに対して優先的にパッチを提供することで、多くのユーザーを保護することに成功している。

一方で、デバッグ機能におけるメモリ管理の不備は、開発プロセスにおけるコードレビューの重要性を改めて示している。今後はメモリ管理に関するより厳密な静的解析ツールの導入や、デバッグコードに対するセキュリティレビューの強化が求められるだろう。

また、オープンソースコミュニティによる脆弱性の発見と報告の仕組みが効果的に機能していることも注目に値する。今後も継続的なセキュリティアップデートの提供と、コミュニティによる積極的な脆弱性報告が、Linuxカーネルの安全性向上に貢献することが期待される。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-50267, (参照 24-11-26).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「セキュリティ」に関するコラム一覧「セキュリティ」に関するニュース一覧
ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。