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公開：2024-08-07

DAOWORKSがドローンで港湾施設点検効率化、国交省SBIRプロジェクトに採択され3社と連携し技術開発・実証を推進

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• DAOWORKSがドローン活用の港湾施設点検事業を開始
• 国土交通省のSBIRフェーズ3実証プロジェクトに採択
• 北海道大学など3社と連携し技術開発・実証を推進

ドローンを活用した港湾施設の点検・維持管理効率化事業

株式会社DAOWORKSは、国土交通省中小企業イノベーション創出推進事業のSBIRフェーズ3実証プロジェクトに採択され、2024年8月5日にドローンを活用した港湾施設の点検・維持管理の効率化に関する技術開発・実証事業を開始したことを発表した。本事業では、北海道大学、パナソニック アドバンストテクノロジー、日本データーサービスと連携協定を締結し、事業を推進していく。^[1]

この取り組みの背景には、国内の巨大インフラの老朽化という社会課題がある。2,000以上ある港湾施設の点検・維持管理は、現在、熟練した技術系・技能系人材の知見・ノウハウに依存した手作業で行われており、大きな人的コストがかかっている。また、熟練技術者の高齢化による人材確保の困難さや、限られた財源の問題から、十分な点検作業が行えていない現状がある。

本事業では、ドローンによる測量で点検作業の省人化・効率化を実現し、3次元データでの可視化により迅速な点検とリスク可視化を可能にする。具体的には、画像データによる遠隔点検システムの開発、3次元データでの港湾の変状等のリスクや緊急性の可視化、港湾管理者の修繕計画立案等をサポートする仕組みの構築を行う。これにより、平時からより多くの港湾で点検を行える体制を整え、災害時の迅速な現状把握を目指している。

事業連携各社の役割と特徴まとめ

SBIRフェーズ3実証プロジェクトについて

SBIRフェーズ3実証プロジェクトとは、国土交通省が推進する中小企業イノベーション創出推進事業の一環であり、革新的な技術やアイデアを持つ中小企業の事業化を支援するプログラムのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 国の重要課題解決に資する技術開発を支援
• 中小企業の研究開発から事業化までを一貫してサポート
• 公共調達等での活用を視野に入れた実証実験を実施

このプロジェクトは、基礎研究や概念実証を経た後の実用化に向けた実証段階を支援するものであり、DAOWORKSの事業はこの段階に該当する。SBIRフェーズ3実証プロジェクトへの採択は、当該技術の社会実装可能性が高く評価されたことを示しており、今後の事業展開に大きな期待がかかっている。

ドローンを活用した港湾施設点検・維持管理効率化に関する考察

ドローンを活用した港湾施設の点検・維持管理効率化事業は、インフラ維持管理の課題解決に向けた重要な一歩となる可能性がある。しかし、実際の運用にあたっては、ドローンの飛行に関する法規制や、港湾という特殊環境での安全性確保、さらには収集したデータの精度や信頼性の担保など、克服すべき課題も多く存在するだろう。特に、従来の目視点検と同等以上の精度を実現できるかが、この技術の普及における鍵となるはずだ。

今後、このシステムにAIによる画像解析技術を組み込むことで、変状の自動検出や経年変化の予測など、より高度な機能の追加が期待される。また、5G通信技術との連携により、リアルタイムでの高精細映像伝送や遠隔操作の精度向上など、さらなる効率化と安全性の向上が見込まれる。こうした技術の進化により、点検作業の質的向上と、熟練技術者の知見のデジタル化・継承が可能になるだろう。

ドローンを活用した港湾施設点検は、単なる効率化にとどまらず、インフラ維持管理のあり方そのものを変革する可能性を秘めている。今後は、この技術の実用化を通じて得られたノウハウを、橋梁や道路、ダムなど他のインフラ点検にも応用展開することで、社会インフラ全体の維持管理の高度化・効率化につながることが期待される。同時に、こうした技術革新が新たな雇用創出や、地方創生にも寄与する可能性を秘めており、その波及効果にも注目が集まるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「ドローンを活用した港湾施設の点検・維持管理の効率化に関する技術開発・実証事業を開始 | 株式会社DAOWORKSのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000127697.html, (参照 24-08-07).

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