セキュリティ

SECURITY

公開：2024-11-27

【CVE-2024-9775】Anih WordPress Theme 2024にXSS脆弱性、管理者権限で任意のスクリプト実行が可能に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Anih WordPress ThemeにXSS脆弱性が発見
• 管理者権限で任意のスクリプト実行が可能
• 影響範囲はマルチサイトと制限付き環境

Anih WordPress Theme 2024のXSS脆弱性

WordPressテーマ「Anih - Creative Agency WordPress Theme」において、管理者権限以上のユーザーが任意のWebスクリプトを注入できるXSS脆弱性が2024年11月9日に報告された。この脆弱性は不完全なブラックリストと不十分な入力サニタイズ、出力エスケープに起因している。^[1]

この脆弱性は2024年以前のバージョンに影響を及ぼしており、マルチサイトインストールとunfiltered_htmlが無効化された環境でのみ発生する。攻撃者は管理者以上の権限を持つユーザーアカウントを必要とし、インジェクトされたスクリプトは影響を受けるページにアクセスするユーザーに対して実行される。

WordFenceによって【CVE-2024-9775】として識別されたこの脆弱性は、CVSSスコアが5.5（MEDIUM）と評価されている。攻撃の複雑さは低く、ネットワークを介したアクセスが可能だが、高い特権レベルが必要とされ、機密性と整合性への影響は限定的であるとされている。

Anih WordPress Themeの脆弱性情報まとめ

クロスサイトスクリプティングについて

クロスサイトスクリプティング（XSS）とは、Webアプリケーションの脆弱性を悪用して、サイト閲覧者のブラウザ上で悪意のあるスクリプトを実行する攻撃手法のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• ユーザーの入力データが適切にサニタイズされずにページに出力される
• 攻撃者が任意のJavaScriptコードを実行可能
• セッション情報の窃取やフィッシング詐欺に悪用される可能性がある

WordPressテーマにおけるXSS脆弱性は、適切な入力検証とエスケープ処理の欠如により発生することが多い。この種の脆弱性は管理者権限を持つユーザーによって悪用される可能性があり、サイト訪問者に対して意図しないスクリプトが実行されることで、情報漏洩やマルウェア感染などのリスクをもたらすことがある。

Anih WordPress Themeの脆弱性に関する考察

Anih WordPress Themeの脆弱性は管理者権限が必要となる点で攻撃の難易度は高いものの、マルチサイト環境での影響が懸念される。複数のサイトを運営する企業や組織においては、管理者アカウントの適切な権限管理と定期的なセキュリティ監査が重要になってくるだろう。

今後は同様の脆弱性を防ぐため、テーマ開発者はより厳密な入力検証とエスケープ処理の実装が求められる。特にWordPressのマルチサイト環境では、サイト間での権限の継承や共有に関するセキュリティモデルを見直し、より堅牢な実装を検討する必要があるだろう。

WordPressテーマのセキュリティ強化には、継続的なコードレビューと脆弱性診断の実施が不可欠である。テーマ開発者とセキュリティ研究者の協力により、より安全なエコシステムの構築が期待される。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-9775, (参照 24-11-27).

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