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公開：2025-01-13

JALが世界初のサメ肌技術を国際線機体に導入、リブレット形状塗膜で年間381トンのCO2削減を実現へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• JALが世界初の国際線用リブレット形状塗膜機を導入
• サメ肌のような形状で空気抵抗を軽減し燃費を改善
• JAXAとオーウエルとの共同開発で実現化

JALが世界初のリブレット形状塗膜を施した国際線機体を導入

JAL（日本航空）は2025年1月10日、機体の表面を"サメ肌"のような形にする「リブレット形状塗膜」を施したボーイング787-9型機を世界で初めて国際線に導入すると発表した。JALはJAXAおよびオーウエルと共同でリブレット形状塗膜の開発を進めており、2025年1月中旬から運航を開始する予定だ。^[1]

リブレット形状塗膜は水溶性の型で機体外板に微細な溝構造を形成するPaint-to-Paint Methodにより施工されており、飛行時の空気抵抗を0.24%軽減することが可能だ。この技術により年間約119トンの燃料消費量と約381トンのCO2排出量を削減できる見込みである。

JALは2022年7月から国内線機材でリブレット形状塗膜の耐久性を検証し、2023年11月からは胴体下部に大面積の施工による燃費改善効果の確認を進めてきた。JAXAによる風洞試験や数値解析の結果、国際線機材での効果が確認されたため、胴体上部まで施工範囲を拡大することとなった。

リブレット形状塗膜の特徴まとめ

Paint-to-Paint Methodについて

Paint-to-Paint Methodとは、既存の塗膜上に水溶性の型を使用して塗膜に凹凸を形成する手法のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 直接塗膜にリブレット形状を施工可能
• デカールやフィルムと比べて重量軽減が可能
• 高い耐久性を実現

Paint-to-Paint MethodはJAXAとオーウエルが共同で特許を取得した技術であり、従来のデカールやフィルムによる加工と比較して優れた特性を持つ。特に航空機の機体に施工する場合、重量の軽減や耐久性の向上が期待でき、長距離フライトでの実用性が高い技術として注目を集めている。

リブレット形状塗膜技術に関する考察

リブレット形状塗膜技術の実用化は航空業界における燃費改善とCO2削減の新たな可能性を示している。従来の航空機の燃費改善は主にエンジンの性能向上に依存してきたが、機体表面の空気抵抗を低減する新技術の導入により、より多角的なアプローチが可能となることが期待できる。

今後の課題として、長期的な耐久性の検証と施工コストの最適化が挙げられる。国際線での運用では過酷な環境に晒されることから、Paint-to-Paint Methodによる塗膜の耐久性が重要となるが、定期的なメンテナンスによって性能を維持できる体制の構築が必要だろう。

航空機の脱炭素化に向けた取り組みとして、リブレット形状塗膜技術の更なる進化が期待される。JAXAとの共同研究により施工範囲の拡大や抵抗低減率の向上が実現すれば、より大きな環境負荷低減効果が得られるはずだ。

参考サイト

1. ^ JAL. 「大面積リブレット形状塗膜を施した機材を世界で初めて国際線に導入」. https://press.jal.co.jp/ja/release/202501/008565.html, (参照 25-01-13).

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