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中央開発が帯水層蓄熱システムの技術支援を開始、愛三工業新工場に200RT規模のシステムを導入し脱炭素化を推進

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

中央開発が帯水層蓄熱システムの技術支援を開始、愛三工業新工場に200RT規模のシステムを導入し脱炭素化を推進

PR TIMES より


記事の要約

  • 中央開発が帯水層蓄熱システムの普及促進を推進
  • 愛三工業の新工場に200RTの帯水層蓄熱システムを導入
  • 大阪市と連携し地下水の有効利用を検討推進

帯水層蓄熱システムによる脱炭素化への取り組み

中央開発株式会社は大林組と三菱重工サーマルシステムズと共同で、帯水層蓄熱システムの技術支援による普及促進を2025年1月7日に発表した。地中熱を活用したカーボンニュートラルの実現に向け、愛三工業の安城新工場において空調延べ床面積約1万m2をまかなう200RT規模のヒートポンプシステムを導入することが決定している。[1]

帯水層蓄熱システムは地下水を豊富に含んだ帯水層を巨大な蓄熱槽として活用し、夏季の冷房時温排熱を冬季暖房に利用する画期的な技術である。オランダでは建物空調における熱の再生可能エネルギー技術として主流となっているが、日本では地層が複雑なことや法規制の問題から開発や導入が遅れている状況だ。

大阪市では地球温暖化対策やヒートアイランド現象の緩和策として、平成27年から産学官連携による大容量帯水層蓄熱利用システムの技術開発を実証してきた。中央開発は平成28年度うめきた実証事業や平成30年度大阪市域における地盤環境に配慮した地下水の有効利用に関する検討結果など、多数のプロジェクトに協力している。

帯水層蓄熱システムの詳細情報

項目 詳細
システム規模 200RT(700kW)のヒートポンプ
適用面積 空調延べ床面積約1万m2
地下水処理能力 最大100m3/hの揚水と全量還水
導入事例 愛三工業安城新工場
技術提供 中央開発、大林組、三菱重工サーマルシステムズ
環境省の詳細はこちら

帯水層について

帯水層とは、地下水を豊富に含んだ地層のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 地下10~15メートル以上の深さで年間を通して温度が一定
  • 地下水流れが遅い場合、年間平均気温から+1℃程度で安定
  • 季節を超えた熱エネルギーの貯蔵が可能

帯水層蓄熱システムでは、1対の井戸を設置して一方から汲んだ地下水の熱だけを利用し、もう一方に100%還水することを基本としている。リバースサーキュレーション工法を用いることで、帯水層の透水性や井戸の還水性能に悪影響を与えることなく掘削が可能となるのだ。

帯水層蓄熱システムに関する考察

帯水層蓄熱システムは建築物の脱炭素化に大きく貢献する可能性を秘めており、特に大規模施設における省エネルギー効果が期待できる。一方で、日本特有の複雑な地層構造や法規制の問題から、導入にあたっては綿密な事前調査と専門的な技術が必要となるだろう。

今後の課題として、設備導入コストの低減や施工技術の標準化が挙げられる。特に地下水の流れが速い地域や地層が不安定な場所での導入には、新たな技術開発や施工方法の確立が必要となる可能性が高いだろう。

将来的には帯水層蓄熱システムの実績データの蓄積と共有が重要となる。日本各地での導入事例が増えることで、地域特性に応じた最適な設計・施工方法が確立され、さらなる普及促進につながることが期待される。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「帯水層蓄熱システムの研究開発 | 中央開発株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000093454.html, (参照 25-01-08).

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