公開:

Dream ReportとAVEVA Reports for Operationsに複数の脆弱性、産業システムのセキュリティに警鐘

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Dream ReportとAVEVA Reports for Operationsに複数の脆弱性
  • パストラバーサルと不適切なアクセス権の脆弱性が存在
  • 任意のコード実行やファイル改ざんのリスクあり

Dream ReportとAVEVA Reports for Operationsの脆弱性問題

Japan Vulnerability Notesは2024年8月14日、Ocean Data Systems製Dream ReportおよびAVEVA製AVEVA Reports for Operationsに複数の脆弱性が存在すると発表した。これらの製品は産業オートメーションシステム向けのレポート専用ソフトウェアであり、2023 R2より前のバージョンが影響を受ける。発見された脆弱性はパストラバーサル(CVE-2024-6618)と不適切なアクセス権(CVE-2024-6619)の2種類だ。[1]

パストラバーサル脆弱性(CVE-2024-6618)が悪用された場合、ログインしているユーザの権限で任意のコードを実行される可能性がある。一方、不適切なアクセス権の脆弱性(CVE-2024-6619)では、プロジェクトファイルの読み書きやインストールファイルの改ざんが行われる恐れがある。これらの脆弱性は産業システムのセキュリティに重大な影響を及ぼす可能性があるため、早急な対応が求められる。

開発元のOcean Data SystemsとAVEVAは、これらの脆弱性に対処するためのアップデートを提供している。ユーザーは速やかに最新バージョンにアップデートすることが推奨される。また、ICS Advisory(ICSA-24-226-08)も発行されており、関連する詳細情報が公開されている。産業システムの運用者は、これらの情報を参考に適切なセキュリティ対策を講じる必要がある。

Dream ReportとAVEVA Reports for Operationsの脆弱性まとめ

CVE-2024-6618 CVE-2024-6619
脆弱性の種類 パストラバーサル 不適切なアクセス権
CWE分類 CWE-22 CWE-732
想定される影響 任意のコード実行 ファイルの読み書きと改ざん
影響を受けるバージョン 2023 R2より前 2023 R2より前
対策方法 最新版へのアップデート 最新版へのアップデート

パストラバーサルについて

パストラバーサルとは、ウェブアプリケーションやシステムの脆弱性の一種で、攻撃者が意図しないディレクトリやファイルにアクセスできてしまう問題を指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • ファイルパスの操作により、本来アクセスできないファイルを読み取り可能
  • セキュリティ境界を越えて、重要なシステムファイルにアクセスされる危険性
  • ウェブアプリケーションの設計ミスや入力値の不適切な処理が原因となることが多い

Dream ReportとAVEVA Reports for Operationsで発見されたパストラバーサル脆弱性(CVE-2024-6618)は、この問題の典型例だ。攻撃者がこの脆弱性を悪用すると、ログインユーザーの権限で任意のコードを実行できる可能性がある。産業用システムでこのような脆弱性が存在すると、重要なデータの漏洩や生産システムの制御権限の奪取など、深刻な被害につながる恐れがある。

産業用ソフトウェアの脆弱性対策に関する考察

Dream ReportとAVEVA Reports for Operationsの脆弱性問題は、産業用ソフトウェアのセキュリティ管理の重要性を改めて浮き彫りにした。これらのツールは多くの企業で重要な業務データの分析や報告に使用されているため、脆弱性の影響は広範囲に及ぶ可能性がある。特に、産業制御システム(ICS)環境では、セキュリティ侵害が物理的な被害や生産停止につながる恐れがあり、その影響は甚大だ。

今後、産業用ソフトウェアの開発者はセキュリティ・バイ・デザインの原則に基づいた設計を徹底する必要がある。定期的なセキュリティ監査や脆弱性スキャンの実施、そして発見された問題に対する迅速な対応が求められるだろう。一方、ユーザー企業側も、ソフトウェアの更新管理を徹底し、セキュリティパッチの適用を迅速に行う体制を整える必要がある。

また、産業用ソフトウェアの脆弱性対策として、ゼロトラストセキュリティモデルの採用も検討すべきだ。すべてのアクセスを信頼せず、常に検証を行うこのアプローチは、パストラバーサルのような脆弱性の影響を最小限に抑える効果が期待できる。今回の事例を教訓に、産業界全体でセキュリティ意識を高め、より堅牢なシステム構築に向けた取り組みを加速させることが重要だろう。

参考サイト

  1. ^ JVN. 「JVNVU#99109857: Dream ReportおよびAVEVA Reports for Operationsにおける複数の脆弱性」. https://jvn.jp/vu/JVNVU99109857/index.html, (参照 24-08-16).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「セキュリティ」に関するコラム一覧「セキュリティ」に関するニュース一覧
ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。