イトーキがオフィス活動測定アプリケーションの開発開始、画像解析技術で従業員の行動パターンを可視化

text: XEXEQ編集部
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記事の要約
イトーキのオフィス活動測定アプリケーション開発
イトーキのオフィス活動測定アプリケーションの特徴まとめ
画像解析について
オフィス活動測定アプリケーションに関する考察
参考サイト

記事の要約

イトーキがオフィス活動測定アプリの開発開始
画像解析でオフィス空間の活用状況を定量化
従業員のプライバシーに配慮した調査実施

イトーキのオフィス活動測定アプリケーション開発

株式会社イトーキは、オフィス空間での従業員の活動を画像解析で定量測定できるアプリケーションの研究開発を2024年8月21日に開始した。この取り組みは、主にリニューアルや移転後のオフィスにおいて、スペースの有効活用状況を効果検証することを目的としている。DX推進本部が先端テクノロジーを活用した次世代の働き方に関するサービス提供の一環として進めているプロジェクトだ。^[1]

開発にあたり、まず画像解析の検知モデルに必要な調査をオフィス内で実施し、業務中の活動の分類と定義づけを行った。オフィスでの活動は1人の作業、2人以上の作業、ミーティング、電話、集中、休憩など、様々なパターンに分類される。これらひとつひとつを一から定義し、アルゴリズムを構築することで、定量的な画像解析の測定が可能になるとイトーキは考えている。

調査はイトーキの名古屋オフィス「ITOKI NAGOYA DELA」で、システムインテグレーター大手の株式会社オージス総研と共同で行われた。オフィスの一部のエリアを360度カメラで撮影し、調査メンバーが目視でも従業員の活動記録を実施。各自の活動を人、物、場所の観点で記述し、データを収集している。将来的にはこの技術を活用し、オフィスの構築・運用サービスの価値向上を目指すとしている。

イトーキのオフィス活動測定アプリケーションの特徴まとめ

	目的	技術	調査方法	プライバシー対策
主な特徴	オフィス空間の有効活用検証	画像解析による定量測定	360度カメラ撮影と目視記録	個人特定なし、エッジ処理検討
開発目標	次世代の働き方サービス提供	AIモデルによる活動検知	活動の分類と定義づけ	従業員の理解を得て実施
期待される効果	オフィス構築・運用サービス向上	定量的な効果測定の実現	詳細な活動データの収集	安全なデータ管理の実現

画像解析について

画像解析とは、デジタル画像を処理し、その中から有用な情報を抽出する技術のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

コンピュータビジョン技術を用いて画像データを解析
パターン認識や機械学習アルゴリズムを活用
物体検出、顔認識、動作分析など幅広い応用が可能

イトーキの事例では、この画像解析技術をオフィス空間の活動測定に応用している。360度カメラで撮影した画像データから、従業員の行動パターンや空間の使用状況を分析し、定量的なデータとして可視化する。これにより、オフィスのレイアウト改善や働き方の最適化など、より効果的なオフィス運用を実現することが期待されている。

オフィス活動測定アプリケーションに関する考察

イトーキが開発を開始したオフィス活動測定アプリケーションは、働き方改革やオフィスの効率的運用という観点で非常に有意義だ。特に、リモートワークの普及により変化したオフィスの使用状況を客観的に把握できる点は、多くの企業にとって貴重な情報源となるだろう。一方で、従業員のプライバシー保護や監視感による心理的負担の増加など、導入に際しては慎重な対応が求められる。

今後、このようなアプリケーションが普及するにつれ、オフィスデザインや働き方の概念そのものが大きく変わる可能性がある。例えば、個人の作業スタイルに合わせた柔軟なスペース配分や、コラボレーションを促進するための最適な環境設計など、データに基づいたオフィス改革が進むかもしれない。また、AIによる活動パターンの分析が進めば、個人やチームの生産性向上につながる具体的な提案も可能になるだろう。

一方で、このような技術の発展に伴い、データの管理や利用に関する法的・倫理的な枠組みの整備も急務となる。従業員の権利を守りつつ、企業の生産性向上を両立させるためのガイドラインの策定や、データの匿名化技術の更なる進化が求められる。イトーキには、技術開発と並行して、これらの社会的課題にも積極的に取り組むことを期待したい。