【CVE-2024-39399】アドビのcommerceとMagento Open Sourceにパストラバーサルの脆弱性、情報漏洩のリスクに

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約
アドビ製品のパストラバーサル脆弱性について
アドビ製品の脆弱性対策まとめ
パストラバーサルについて
アドビ製品の脆弱性に関する考察
参考サイト

記事の要約

アドビのcommerceとMagento Open Sourceに脆弱性
パストラバーサルの脆弱性が存在
CVSS v3による深刻度基本値は7.7（重要）

アドビ製品のパストラバーサル脆弱性について

アドビは、同社のcommerce製品およびMagento Open Sourceに存在するパストラバーサルの脆弱性を公開した。この脆弱性は、CVSS v3による深刻度基本値が7.7（重要）と評価されており、攻撃者によって悪用された場合、重大な影響を及ぼす可能性がある。影響を受ける製品バージョンには、commerce 2.4.3以前、2.4.4、2.4.5、およびMagento Open Source 2.4.3以前、2.4.4、2.4.5が含まれている。^[1]

この脆弱性の特徴として、攻撃元区分がネットワークであり、攻撃条件の複雑さが低いという点が挙げられる。また、攻撃に必要な特権レベルは低く、利用者の関与は不要とされている。これらの要因により、攻撃者にとって比較的容易に悪用できる可能性が高いと考えられる。

脆弱性の影響としては、主に情報の取得が可能になるという点が挙げられる。機密性への影響が高いとされていることから、重要な情報が漏洩するリスクがある。一方で、完全性と可用性への影響はないとされているが、情報漏洩だけでも深刻な問題となり得るため、早急な対策が求められる。

アドビ製品の脆弱性対策まとめ

	commerce	Magento Open Source
影響を受けるバージョン	2.4.3以前、2.4.4、2.4.5	2.4.3以前、2.4.4、2.4.5
脆弱性の種類	パストラバーサル	パストラバーサル
CVSS v3基本値	7.7（重要）	7.7（重要）
攻撃元区分	ネットワーク	ネットワーク
攻撃条件の複雑さ	低	低

パストラバーサルについて

パストラバーサルとは、攻撃者がウェブアプリケーションの脆弱性を悪用して、本来アクセスが許可されていないディレクトリやファイルにアクセスする攻撃手法のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

ファイルシステムの階層構造を利用して不正アクセスを行う
「../」などの相対パス表記を用いて上位ディレクトリに移動する
重要な設定ファイルや機密情報を含むファイルを読み取る可能性がある

アドビの製品で発見されたこのパストラバーサルの脆弱性は、攻撃者がネットワーク経由で容易に悪用できる可能性がある。CVSSスコアが7.7と高く評価されていることからも、この脆弱性の深刻さがうかがえる。ユーザーは、アドビが提供する正式な対策を速やかに適用することが強く推奨される。

アドビ製品の脆弱性に関する考察

アドビのcommerceおよびMagento Open Sourceに存在するパストラバーサルの脆弱性は、eコマース分野において広く利用されているプラットフォームに影響を与えるという点で非常に重要だ。特に、攻撃条件の複雑さが低く、特別な権限も必要としないという特徴は、潜在的な攻撃者にとって魅力的なターゲットとなり得る。この状況下では、アドビユーザーの迅速な対応が不可欠となるだろう。

今後、このような脆弱性に対する防御策として、アプリケーションレベルでのセキュリティ強化が更に重要になると考えられる。具体的には、入力値の厳格なバリデーション、最小権限の原則の徹底、そして定期的なセキュリティ監査の実施などが挙げられる。また、開発者側も、セキュアコーディング practices の採用や、脆弱性スキャンツールの積極的な活用を検討すべきだ。

長期的には、アドビのような大手ソフトウェアベンダーが、製品のセキュリティ設計をさらに強化し、脆弱性の早期発見・修正のプロセスを改善することが期待される。同時に、ユーザー企業においても、セキュリティ意識の向上とインシデント対応能力の強化が不可欠だ。このような取り組みが、エコシステム全体のセキュリティレベルの底上げにつながるだろう。