セキュリティ

SECURITY

公開：2024-08-24

【CVE-2024-38501】ピーアンドエフ製品に複数の脆弱性、クロスサイトスクリプティングの危険性が浮き彫りに

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• ピーアンドエフ製品に複数の脆弱性が発見
• クロスサイトスクリプティングの脆弱性が存在
• 影響を受ける製品のアップデートが必要

ピーアンドエフ製品の複数の脆弱性発見

ピーアンドエフ社は、同社の複数の製品においてクロスサイトスクリプティングの脆弱性が存在することを2024年8月13日に公開した。この脆弱性は、icdm-rx/tcp socketserverファームウェア、profinetファームウェア、profinet/modbusファームウェアなど、多岐にわたる製品に影響を及ぼしている。CVSSによる深刻度基本値は6.1（警告）とされており、早急な対応が求められる状況だ。^[1]

この脆弱性の影響を受ける製品には、eip/modbusファームウェア1.08未満、ethernet/ipファームウェア7.22未満、icdm-rx/tcp socketserverファームウェア11.65未満など、複数のバージョンが含まれている。攻撃者によってこの脆弱性が悪用された場合、情報の取得や改ざんが行われる可能性があり、セキュリティリスクが高まる恐れがある。

ピーアンドエフ社は、影響を受ける製品のユーザーに対して、最新バージョンへのアップデートを推奨している。具体的な対策方法については、ベンダーが提供する情報や参考情報を確認し、適切な対応を取ることが重要だ。この脆弱性は【CVE-2024-38501】として識別されており、セキュリティ関係者や影響を受ける製品の管理者は、早急な対応を検討する必要がある。

ピーアンドエフ製品の脆弱性まとめ

クロスサイトスクリプティングについて

クロスサイトスクリプティング（XSS）とは、Webアプリケーションの脆弱性の一種であり、攻撃者が悪意のあるスクリプトをWebページに挿入することで、ユーザーのブラウザ上で不正なスクリプトを実行させる攻撃手法のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• ユーザーの個人情報やセッション情報の窃取が可能
• Webサイトの内容を改ざんしユーザーを欺く攻撃が可能
• ユーザーのブラウザを介して他のサイトへの攻撃を仕掛けることが可能

ピーアンドエフ製品の脆弱性は、このクロスサイトスクリプティングに分類されている。CVSSによる評価では、攻撃元区分がネットワークであり、攻撃条件の複雑さは低いとされている。また、攻撃に必要な特権レベルは不要だが、利用者の関与が必要とされており、影響の想定範囲に変更があるとされている。このことから、適切な対策を講じないと重大な被害につながる可能性がある。

ピーアンドエフ製品の脆弱性に関する考察

ピーアンドエフ製品の脆弱性が明らかになったことで、産業用制御システムのセキュリティ対策の重要性が改めて浮き彫りになったと言える。特に、複数の製品ラインにまたがる脆弱性の発見は、製品開発過程における包括的なセキュリティレビューの必要性を示唆している。今後、ピーアンドエフ社には、脆弱性の根本原因の分析と、それに基づく開発プロセスの改善が求められるだろう。

一方で、この事例は産業用制御システムのユーザー企業にとっても重要な教訓となる。定期的なファームウェアのアップデートや、ネットワークセグメンテーションなどの多層防御策の実装が、今後ますます重要になってくると考えられる。また、サプライチェーン全体でのセキュリティ意識の向上と、脆弱性情報の迅速な共有体制の構築も課題となるだろう。

長期的には、産業用制御システムにおけるセキュリティ・バイ・デザインの概念の浸透が期待される。製品設計の初期段階からセキュリティを考慮し、脆弱性を最小限に抑える取り組みが重要になってくる。また、AIや機械学習を活用した脆弱性検出技術の発展により、より早期かつ効率的に潜在的な脅威を特定できるようになることも期待される。

参考サイト

1. ^ JVN. 「JVNDB-2024-006174 - JVN iPedia - 脆弱性対策情報データベース」. https://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2024/JVNDB-2024-006174.html, (参照 24-08-24).

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