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エレコム・ロジテック製ネットワーク機器に複数の脆弱性、最大CVSS8.8の深刻度で対策急務

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • エレコム・ロジテック製ネットワーク機器に複数の脆弱性
  • CVE-2023-32626など9件のCVEが公開
  • 影響を受ける製品の対策方法が提示

エレコム・ロジテック製ネットワーク機器の複数の脆弱性が判明

エレコム株式会社およびロジテック株式会社が提供するネットワーク機器において、複数の脆弱性が2023年8月10日に公開された。これらの脆弱性には、非公開の機能、Telnetサービスへのアクセス制限の不備、バッファオーバーフローOSコマンドインジェクションなどが含まれており、CVE-2023-32626をはじめとする9件のCVE番号が割り当てられている。[1]

影響を受けるシステムは多岐にわたり、LAN-W300N/RSやWRC-X1800GS-Bなど、複数のモデルが対象となっている。これらの脆弱性のCVSS v3基本値は最大8.8で、攻撃者が製品にアクセス可能な場合、任意のOSコマンドの実行や特定の操作画面へのログインなど、深刻な影響を及ぼす可能性がある。

対策方法として、WRC-X1800GS-Bなどいくつかのモデルではファームウェアの最新版へのアップデートが推奨されている。一方、WAB-S600-PSやWAB-S300などのモデルでは、設定画面のログインパスワード変更や、操作終了後のウェブブラウザの終了などのワークアラウンドが提案されている。その他の製品については、サポートが終了しているため、後続製品への乗り換えが推奨されている。

エレコム・ロジテック製ネットワーク機器の脆弱性まとめ

CVE-2023-32626 CVE-2023-38132 CVE-2023-39454 CVE-2023-39455
脆弱性の種類 非公開の機能 Telnetサービスへのアクセス制限の不備 バッファオーバーフロー OSコマンドインジェクション
CVSS v3基本値 8.8 8.8 8.8 6.8
影響を受ける製品例 LAN-W300N/RS LAN-W451NGR WRC-X1800GS-B WRC-600GHBK-A
主な対策方法 後続製品への乗り換え 後続製品への乗り換え ファームウェアのアップデート ワークアラウンドの実施

CVSSについて

CVSSとは、Common Vulnerability Scoring Systemの略称で、情報システムの脆弱性の深刻度を評価するための業界標準指標である。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 0.0から10.0までの数値で脆弱性の深刻度を表現
  • 攻撃の難易度や影響範囲など複数の要素を考慮
  • バージョン2と3が広く使用されている

本事例では、CVSSのバージョン3が使用されており、最も高い基本値は8.8となっている。この数値は、攻撃元区分が隣接ネットワーク、攻撃条件の複雑さが低、必要な特権レベルが不要、ユーザ関与が不要、機密性・完全性・可用性への影響が高いことを示している。このように、CVSSは脆弱性の危険度を客観的に評価し、対策の優先度を決定する上で重要な役割を果たしている。

エレコム・ロジテック製ネットワーク機器の脆弱性に関する考察

エレコム・ロジテック製ネットワーク機器における複数の脆弱性の発見は、IoT機器のセキュリティ管理の重要性を再認識させる機会となった。特に、非公開の機能やTelnetサービスへのアクセス制限の不備など、設計段階から考慮すべき脆弱性が含まれていることは、製品開発プロセスにおけるセキュリティ設計の見直しが必要であることを示唆している。これらの脆弱性は、攻撃者に悪用される可能性が高く、個人情報の漏洩やネットワーク全体の脅威につながる恐れがある。

今後の課題として、ファームウェアの自動更新機能の実装や、エンドユーザーへのセキュリティ啓発が挙げられる。多くのユーザーが機器のアップデートを怠りがちであることを考慮すると、自動更新機能は脆弱性対策の効果を大きく高める可能性がある。また、製品のサポート終了後も長期間使用されるケースが多いことから、製品のライフサイクル全体を通じたセキュリティ対策の提供が求められる。

エレコムとロジテックには、今回の事例を教訓として、製品開発段階からのセキュリティ・バイ・デザインの徹底が期待される。同時に、業界全体としても、IoT機器のセキュリティ基準の策定や、脆弱性情報の共有体制の強化など、より包括的なアプローチが必要だろう。ユーザー側も、定期的なファームウェア更新の重要性を理解し、適切な対応を取ることが、安全なネットワーク環境の維持には不可欠となる。

参考サイト

  1. ^ JVN. 「JVNVU#91630351: エレコム製およびロジテック製ネットワーク機器における複数の脆弱性」. https://jvn.jp/vu/JVNVU91630351/index.html, (参照 24-08-27).

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