ブロックチェーン

BLOCKCHAIN

公開：2024-08-29

BLOCKSMITH&Co.が顔認証Web3ウォレットの特許を取得、MPCとセキュリティ強化で資産管理が容易に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• BLOCKSMITHが顔認証Web3ウォレットの特許取得
• MPCとセキュリティ強化で資産管理を容易に
• 2024年秋頃よりQAQAアプリ内で提供開始予定

BLOCKSMITH&Co.の顔認証Web3ウォレット特許取得

株式会社BLOCKSMITH&Co.は2024年8月8日に顔認証技術を活用したWeb3ウォレットに関する特許を取得した。この特許を活用したウォレットは2024年秋頃より提供が開始される予定だ。従来の暗号資産ウォレットでは秘密鍵やシードフレーズの自己管理が必要であり紛失時の復旧が困難であったが、この問題を解決するための新たな取り組みである。^[1]

新たに開発された「BLOCKSMITH WALLET」では、MPC（マルチパーティ計算）技術を活用しユーザーの端末と複数のサーバーで秘密情報を分散管理している。この技術により、端末変更や紛失が発生した場合でも、サーバーで分散管理された秘密情報を使用してユーザーの資産へのアクセスが可能になった。これによってウォレット内の資産へのアクセス喪失リスクが軽減され、より安全で使いやすいウォレット体験が実現されることになる。

取得された特許（第7535825号）は「生体認証を用いる秘密情報分散システム」と名付けられており、秘密情報を安全に外部のサーバーにバックアップし、情報漏洩のリスクを最小限に抑えつつ、端末紛失時にも迅速に情報を復元できる技術が開発された。秘密情報を複数の「断片」に分割し、これらの断片を自分の端末と複数の外部サーバーに分散して保存する仕組みが特徴だ。

BLOCKSMITH WALLETの特徴まとめ

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MPCについて

MPCとは、マルチパーティ計算（Multi-Party Computation）の略称であり、複数の当事者が共同で計算を行う暗号技術のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 秘密情報を分散して保持し、単一障害点を排除
• 計算過程で個々の入力データを他者に開示せず処理
• 高度なセキュリティを維持しつつ、複数者間での協調計算を実現

BLOCKSMITH WALLETではこのMPC技術を活用し、ユーザーの秘密情報を複数のサーバーで分散管理している。これにより、一部のサーバーが攻撃を受けても全体の秘密情報が漏洩するリスクを大幅に低減させ、同時に端末紛失時の復旧も容易にしている。MPC技術の採用は、Web3ウォレットのセキュリティと利便性を両立させる上で重要な役割を果たしている。

顔認証Web3ウォレットに関する考察

BLOCKSMITH&Co.が開発した顔認証Web3ウォレットは、従来の暗号資産管理における課題を解決する画期的な取り組みだと言える。特にMPC技術と生体認証を組み合わせることで、セキュリティと利便性を高いレベルで両立させている点が評価できる。ただし、生体情報の管理やプライバシーの保護に関しては、より慎重な対応が求められるだろう。

今後の課題としては、生体認証データの安全な管理や、異なるデバイス間での連携、さらには他のブロックチェーンプラットフォームとの互換性の確保などが挙げられる。これらの課題に対しては、継続的な技術開発と、ユーザーフィードバックに基づく機能改善が重要になるだろう。また、法規制の変化に迅速に対応し、コンプライアンスを維持することも不可欠だ。

将来的には、このようなセキュアなWeb3ウォレットが普及することで、一般ユーザーのブロックチェーン技術への参入障壁が低くなることが期待される。さらに、顔認証やMPC技術を活用した新たな金融サービスや、より高度なデジタル資産管理システムの登場も予想される。BLOCKSMITH&Co.の今回の取り組みは、Web3技術の大衆化に向けた重要な一歩になるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「株式会社BLOCKSMITH&Co.、顔認証Web3ウォレットに関連する特許を取得 | 株式会社BLOCKSMITH&Co.のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000107403.html, (参照 24-08-29).

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