TRENDEが愛媛県のデジタル実装加速化プロジェクトに採択、V2XとP2P電力取引による地産地消モデルを構築

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

TRENDEが愛媛県のデジタル実装加速化プロジェクトに採択
V2XシステムとP2P電力取引による電気の地産地消を実現
東芝インフラシステムズと連携し、実装検証を実施

愛媛県のデジタル実装加速化プロジェクトにTRENDEが採択

TRENDE株式会社は、愛媛県のトライアングルエヒメ推進事業「デジタル実装加速化プロジェクト」の令和6年度新規採択プロジェクトに採択された。このプロジェクトでは、「V2XシステムとPeer to Peer（P2P）電力取引によるスキームを活用した電気の地産地消」をテーマに、東芝インフラシステムズ株式会社などと連携して取り組む。^[1]

愛媛県は「愛媛県地球温暖化対策実行計画」において「2050年脱炭素社会の実現」を目標に掲げており、再生可能エネルギーの発電設備増設と県内での効率的な電力消費を目指している。一方で、卒FITなどによる売電価格の下落や燃料価格高騰に伴う電気料金の上昇により、発電者と需要家双方で効率的な電力の売買へのニーズが高まっている。

本プロジェクトでは、東芝EIコントロールシステム株式会社四国事業所をモデル工場として、V2XシステムとP2P電力取引プラットフォームを活用した電気の地産地消スキームを構築する。太陽光パネル・蓄電池・EVを直流のまま接続できるマルチパワーコンディショナを設置し、通勤用EVを調整力として効率的に再生可能エネルギーとEVを利活用する実装検証を行う。

デジタル実装加速化プロジェクトの概要

項目	詳細
プロジェクト名	デジタル実装加速化プロジェクト
主催	愛媛県（トライアングルエヒメ推進事業）
採択企業	TRENDE株式会社
連携企業	東芝インフラシステムズ株式会社
テーマ	V2XシステムとP2P電力取引による電気の地産地消
実装検証場所	東芝EIコントロールシステム株式会社四国事業所
主な設備	マルチパワーコンディショナ、太陽光パネル、蓄電池、EV

V2Xについて

V2Xとは、「Vehicle to everything」の略称で、自動車とさまざまなモノをつなぎ、相互に連携する通信技術のことを指している。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

自動車と電力網、情報通信システムなどを連携
エネルギーの効率的な利用と管理を実現
再生可能エネルギーの安定供給に貢献

本プロジェクトでは、V2Xシステムを活用することで、EVを単なる移動手段としてだけでなく、電力の調整力として利用する。これにより、再生可能エネルギーの変動を吸収し、電力の地産地消を効率的に実現することが可能となる。マルチパワーコンディショナを用いてEVと太陽光発電、蓄電池を直流のまま接続することで、さらなる効率化を図っている。

P2P電力取引を活用した地産地消モデルに関する考察

P2P電力取引を活用した地産地消モデルは、再生可能エネルギーの普及と効率的な電力利用を促進する点で高く評価できる。特に、卒FIT後の太陽光発電所有者に新たな収益機会を提供し、同時に企業や一般家庭の電気料金削減にも貢献する可能性がある。しかし、電力の品質維持や系統安定性の確保、取引の公平性担保など、技術的・制度的な課題も存在するだろう。

今後は、ブロックチェーン技術の活用によるセキュアな取引システムの構築や、AIを用いた需給予測の高度化など、さらなる技術革新が期待される。また、地域コミュニティにおけるエネルギーの自給自足モデルの確立や、災害時のレジリエンス向上など、社会的価値の創出も重要な課題となるだろう。規制緩和や新たな制度設計も含め、多角的なアプローチが必要だ。

TRENDEのような先進的な企業の取り組みが、日本のエネルギー政策に与える影響も注目される。地方自治体との連携モデルが成功すれば、全国各地で同様のプロジェクトが展開される可能性がある。エネルギーの地産地消は、地域経済の活性化や環境負荷の低減にも寄与するため、今後の展開が期待される。