エルテックスが通販事業者の実態調査結果を発表、メール送信サービスの失敗率が最多に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約
エルテックスによる通販事業者の実態調査結果が公開
通販事業者の実態調査結果まとめ
SaaSについて
通販事業者の実態調査に関する考察
参考サイト

記事の要約

エルテックスが通販事業者の実態調査を発表
メール送信サービスが最も失敗・解約された
通販/ECシステム導入時の重視点も明らかに

エルテックスによる通販事業者の実態調査結果が公開

株式会社エルテックスは2024年8月29日、EC・通信販売事業関与者の実態調査「通信販売事業関与者の実態調査2024」の結果を発表した。この調査は通販企業の実態把握を目的とし、通販ビジネスの強化や通販サービス質の向上に向けた製品・ソリューションサービスの改善につなげることを意図している。^[1]

調査結果によると、通販事業者が導入に失敗・解約したEC関連サービスのトップは「メール送信」で20.7%を占めた。失敗・解約の理由として「効果が出なかった」「利用料が高かった」「使いこなせなかった」などが挙げられている。一方で、手間暇や創意工夫を凝らした「シナリオ/ステップアップメール」の失敗・解約率は13.7%と比較的低く、効果的な活用の可能性が示唆された。

通販/ECシステム導入時の重視点についても調査が行われ、全体では「導入や運用のコスト」が29.2%でトップとなった。特に年商1億円～10億円未満の事業者では40.6%と高いスコアを示した。一方、年商50億円以上の事業者では「希望の納期への適用力」が14.9%と、他の年商規模と比べて重視される傾向が見られた。

通販事業者の実態調査結果まとめ

	失敗・解約サービス	失敗・解約理由	システム導入重視点
トップ項目	メール送信（20.7%）	効果が出なかった（25.8%）	導入や運用のコスト（29.2%）
2位項目	サイト内検索（20.0%）	利用料が高かった（24.2%）	希望の納期への適用力（14.9%、年商50億円以上）
3位項目	アンケート（19.0%）	使いこなせなかった	-

調査レポートの詳細はこちら

SaaSについて

SaaSとは、「Software as a Service」の略称で、ソフトウェアをインターネット経由でサービスとして提供する形態を指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

インターネット経由でソフトウェアを利用可能
初期投資が少なく、月額や年額で利用できる
ソフトウェアの更新や保守が提供元で一括管理される

エルテックスの調査では、SaaS型のメール送信サービスが失敗・解約の上位に挙がっている。この結果は、SaaSの利便性と同時に、効果的な活用や費用対効果の見極めが重要であることを示唆している。通販事業者にとって、SaaSの特性を理解し適切に選択・運用することが、ビジネスの成功につながる鍵となるだろう。

通販事業者の実態調査に関する考察

エルテックスの調査結果から、通販事業者がEC関連サービスの導入に慎重になっていることが窺える。メール送信サービスの失敗率が高い点は、顧客とのコミュニケーション手段として重要視されているにも関わらず、効果的な活用が難しいことを示唆している。今後は、より使いやすく効果測定が容易なメールマーケティングツールの開発が求められるだろう。

通販/ECシステム導入時の重視点が企業規模によって異なる点も興味深い。中小規模の事業者がコストを重視する一方、大規模事業者が納期を重視する傾向は、事業規模に応じたシステム提供の必要性を示している。システム開発会社には、柔軟なカスタマイズ性と迅速な導入を両立させる能力が求められるだろう。

また、シナリオ/ステップアップメールの失敗率が比較的低い点は、より高度なマーケティング手法の有効性を示唆している。今後は、AIを活用した顧客行動分析や自動化されたパーソナライゼーションなど、より洗練されたマーケティングツールの需要が高まると予想される。通販事業者とシステム提供者双方が、これらの傾向を踏まえてサービスの改善や開発を進めることが重要だ。