【CVE-2024-33893】HMS Industrial Networks ABのewon cosy+ファームウェアにクロスサイトスクリプティングの脆弱性、産業用ネットワーク機器のセキュリティに警鐘

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約
HMS Industrial Networks ABのewon cosy+ファームウェアに発見されたクロスサイトスクリプティングの脆弱性
ewon cosy+ファームウェアの脆弱性詳細
クロスサイトスクリプティングについて
ewon cosy+ファームウェアの脆弱性に関する考察
参考サイト

記事の要約

HMS Industrial Networks ABのewon cosy+ファームウェアに脆弱性
クロスサイトスクリプティングの脆弱性が確認される
影響を受けるバージョンは21.0から22.1s3まで

HMS Industrial Networks ABのewon cosy+ファームウェアに発見されたクロスサイトスクリプティングの脆弱性

HMS Industrial Networks ABは、同社のewon cosy+ファームウェアにクロスサイトスクリプティングの脆弱性が存在することを公表した。この脆弱性は、ewon cosy+ファームウェアのバージョン21.0から21.2s10、および22.0から22.1s3に影響を与えることが確認されている。CVSS v3による深刻度基本値は6.1（警告）とされており、攻撃元区分はネットワークであることが報告されている。^[1]

この脆弱性の影響として、攻撃者によって情報の取得や改ざんが行われる可能性がある。攻撃条件の複雑さは低く、攻撃に必要な特権レベルは不要とされているが、利用者の関与が必要である点に注意が必要だ。影響の想定範囲には変更があり、機密性と完全性への影響は低いものの、可用性への影響はないとされている。

HMS Industrial Networks ABは、この脆弱性に対する対策として、ベンダアドバイザリまたはパッチ情報を公開している。ユーザーは参考情報を確認し、適切な対策を実施することが推奨される。この脆弱性は共通脆弱性識別子CVE-2024-33893として登録されており、National Vulnerability Database (NVD)でも情報が公開されている。

ewon cosy+ファームウェアの脆弱性詳細

項目	詳細
影響を受けるバージョン	21.0から21.2s10、22.0から22.1s3
CVSS v3深刻度基本値	6.1（警告）
攻撃元区分	ネットワーク
攻撃条件の複雑さ	低
攻撃に必要な特権レベル	不要
利用者の関与	要
影響の想定範囲	変更あり

クロスサイトスクリプティングについて

クロスサイトスクリプティング（XSS）とは、Webアプリケーションの脆弱性を悪用して、攻撃者が悪意のあるスクリプトをWebページに挿入する攻撃手法のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

ユーザーの入力データを適切にサニタイズせずに出力する脆弱性を悪用
攻撃者が挿入したスクリプトが被害者のブラウザ上で実行される
セッションハイジャックやフィッシング攻撃などに悪用される可能性がある

ewon cosy+ファームウェアで発見されたこの脆弱性は、CWEによってクロスサイトスクリプティング（CWE-79）に分類されている。この種の脆弱性は、Webアプリケーションセキュリティにおいて非常に一般的であり、適切な入力検証やエスケープ処理を行うことで防ぐことができる。HMS Industrial Networks ABが提供する対策を適用することで、ewon cosy+ファームウェアのセキュリティを向上させることが可能だ。

ewon cosy+ファームウェアの脆弱性に関する考察

HMS Industrial Networks ABがewon cosy+ファームウェアの脆弱性を公表したことは、産業用ネットワーク機器のセキュリティ向上に向けた重要なステップだと言える。特に、IoTデバイスやリモートアクセスゲートウェイの普及が進む中、このような脆弱性の早期発見と対応は、産業システム全体のセキュリティ強化につながる可能性が高い。一方で、影響を受けるバージョンの範囲が広いことから、多くのユーザーが影響を受ける可能性があり、迅速なパッチ適用が課題となるだろう。

今後の課題として、産業用機器のファームウェアアップデートの自動化や、脆弱性検出のための継続的なセキュリティ監査の実施が挙げられる。特に、リモートアクセス機能を持つデバイスは攻撃の標的になりやすいため、より強固なセキュリティ設計が求められる。また、ユーザー企業側でも、定期的な脆弱性情報のチェックやパッチ適用のプロセスを確立することが重要になってくるだろう。

HMS Industrial Networks ABには、今回の脆弱性対応を通じて得られた知見を活かし、より安全な製品開発プロセスの確立が期待される。同時に、産業用ネットワーク機器のセキュリティ標準化や、業界全体でのベストプラクティスの共有などにも積極的に取り組むことで、産業システム全体のセキュリティレベル向上に貢献できるのではないだろうか。今後も、セキュリティと機能性のバランスを取りながら、製品の継続的な改善が求められる。