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公開：2024-09-06

Visbanがミリ波通信革新技術「V-Mesh」を開発、約4億円の資金調達も完了しAI駆動メッシュネットワークの実用化へ前進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• VisbanがAI駆動メッシュネットワーク「V-Mesh」を開発
• シリーズAで約4億円の資金調達を完了
• ガラス基板RFデバイスでミリ波通信のカバレッジ拡大

Visbanのミリ波通信革新技術「V-Mesh」開発と資金調達

株式会社Visbanは、ミリ波通信のカバレッジ拡大を可能にするAI駆動のメッシュネットワーク「V-Mesh」を開発し、2024年9月5日に発表した。同社はこの技術開発に伴い、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社、大日本印刷株式会社、三菱マテリアル株式会社が運用する投資ファンド等から約4億円の資金調達を完了している。^[1]

V-Mesh技術の核心は、ガラス基板を活用したRFデバイスにある。このデバイスにより、高精度なアンテナ構造の実現と損失の低減が可能となり、ミリ波通信の課題であった到達距離の短さや障害物による信号遮断の問題を解決する。さらに、最先端の異種集積技術を用いることで、ICやその他の部品もガラス基板上に実装し、低コスト生産を実現している。

Visbanは既に台湾の工業技術研究院（ITRI）と共にRFデバイスの実証実験を行っており、大手フラットパネルディスプレイメーカーと量産プロセスの開発を進めている。また、東京大学の研究チームと協力し、AI駆動メッシュネットワークの開発にも取り組んでおり、エンドユーザー端末との間でミリ波を効率的かつ確実にルーティングする技術の確立を目指している。

V-Mesh技術の特徴まとめ

Visbanの公式サイトはこちら

ミリ波通信について

ミリ波通信とは、周波数帯が30GHz〜300GHzの電波を利用した通信技術のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 高周波数帯による大容量データ通信
• 低遅延性能による高速通信
• 高い指向性による干渉の低減

ミリ波通信は5G通信の重要な技術の一つとして注目されているが、到達距離が短く障害物の影響を受けやすいという課題がある。Visbanが開発したV-Mesh技術は、このミリ波通信の弱点を克服し、AI、VR、スマートシティなど、将来のアプリケーションに向けた信頼性の高い無線通信を低コストで実現することを目指している。

V-Mesh技術に関する考察

V-Mesh技術の開発は、ミリ波通信の実用化に向けた大きな一歩となる可能性がある。特にガラス基板を用いたRFデバイスの採用は、高性能と低コストの両立を実現する革新的なアプローチだ。この技術が成熟すれば、5G通信の普及を加速させ、IoTデバイスの接続性向上やスマートシティの実現など、幅広い分野に影響を与えるだろう。

しかし、V-Mesh技術の実用化には課題も存在する。特に、既存の通信インフラとの互換性や、大規模展開時の管理・運用方法の確立が重要となる。また、AIを活用したメッシュネットワークの安定性や、セキュリティの確保も重要な検討事項だ。これらの課題に対しては、通信事業者や他のテクノロジー企業との協力が不可欠となるだろう。

今後、V-Mesh技術にはさらなる機能の追加が期待される。例えば、エッジコンピューティング能力の統合や、自己修復機能の実装などが考えられる。また、環境センシング機能を追加することで、スマートシティの基盤インフラとしての役割も担える可能性がある。Visbanには、これらの新機能開発と並行して、標準化活動にも積極的に参加し、V-Mesh技術の業界標準化を目指してほしい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「株式会社Visbanがミリ波通信に革命をもたらすAI駆動のメッシュネットワーク "V-Mesh"を開発。シリーズAラウンドにて資金調達を完了。 | 株式会社Visbanのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000145662.html, (参照 24-09-06).

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