東京都と城南信用金庫がサステナブルファイナンス連携協定を締結、中小企業のサステナビリティ経営促進へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

東京都と城南信用金庫が連携協定を締結
中堅・中小企業のサステナビリティ経営促進が目的
連携金融機関が合計20社に拡大

東京都と城南信用金庫のサステナブルファイナンス連携協定締結

東京都と城南信用金庫は2024年9月2日、中堅・中小企業のサステナビリティ経営への転換を促進するためのサステナブルファイナンス活性化に向けた連携協定を締結した。本協定は信用金庫との連携としては2件目となり、東京都の連携金融機関は合計20社に拡大している。中堅・中小企業へのサステナブルファイナンスのすそ野拡大に向けた取り組みの一環だ。^[1]

連携協定の内容は主に3点ある。第一に、中堅・中小企業のサステナビリティ経営への転換を促す事業の推進、第二に経営者のサステナビリティ経営に関するリテラシー向上に資する取組の実施、そして第三に本事業やサステナブルファイナンスに関する取組事例等の効果的な情報発信だ。これらの取り組みを通じて、中小企業のサステナブル経営の促進が期待される。

東京都は「金融機関と連携したサステナビリティ経営促進事業」を展開しており、サステナビリティ・リンク・ローン（SLL）やポジティブ・インパクト・ファイナンス（PIF）等の活用を通じて、中堅・中小企業の経営をサステナビリティに配慮したものへと転換を促している。この事業では、企業が連携金融機関からSLLまたはPIF等で資金調達をする際に必要となる各種コンサルティング業務や外部評価に係る費用の一部を支援する取り組みも行っている。

東京都のサステナブルファイナンス連携協定の概要

	締結日	連携内容	連携金融機関数
詳細	2024年9月2日	サステナビリティ経営促進、リテラシー向上、情報発信	合計20社
主な対象	中堅・中小企業	経営者	金融機関
支援内容	SLL、PIF等の活用促進	コンサルティング、外部評価費用の一部支援	協定締結による連携強化

サステナビリティ・リンク・ローン（SLL）について

サステナビリティ・リンク・ローン（SLL）とは、借り手がサステナビリティに関する野心的な目標を設定し、その達成度合いと融資条件が連動する融資のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

企業のサステナビリティ戦略と融資を直接リンクさせる
目標達成度に応じて金利が変動する仕組み
企業の持続可能な成長を金融面からサポート

SLLは従来の融資と異なり、企業のサステナビリティ目標の達成を金融面から促進する革新的な金融商品だ。東京都の連携協定では、このSLLを活用して中堅・中小企業のサステナビリティ経営への転換を支援している。具体的には、SLLの利用に際して必要となるコンサルティングや外部評価の費用の一部を補助することで、中小企業の利用ハードルを下げる取り組みを行っている。

サステナブルファイナンス連携協定に関する考察

東京都と城南信用金庫の連携協定締結は、中小企業のサステナビリティ経営促進において重要な一歩だ。特に、地域に根ざした信用金庫との連携は、中小企業へのきめ細かなサポートを可能にし、サステナブルファイナンスの裾野拡大に大きく貢献するだろう。一方で、中小企業にとってはサステナビリティ経営への転換に伴うコストや専門知識の不足が課題となる可能性がある。

この課題に対しては、東京都による費用補助やコンサルティング支援が解決策となり得る。今後は、より多くの中小企業がサステナビリティ経営に取り組めるよう、成功事例の共有や業種別のガイドライン作成なども有効だろう。また、SLLやPIFの商品設計においても、中小企業の実情に合わせたよりきめ細かな対応が求められる。

長期的には、この取り組みが東京都全体の持続可能性向上につながることが期待される。サステナビリティ経営を実践する中小企業が増えることで、地域経済の活性化や環境負荷の低減、社会課題の解決に貢献する可能性がある。今後は、他の自治体や金融機関との連携も視野に入れ、日本全体でのサステナブルファイナンスの普及・拡大を目指すことが望まれる。