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SECURITY

公開：2024-07-18

SafariがPrivate Browsing 2.0を発表、プライバシー保護機能が大幅に強化されユーザーの匿名性が向上

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• Safariの新Private Browsing機能が発表
• トラッキング防止とプライバシー保護が強化
• 高度な指紋認証保護やリンク追跡保護を導入
• 通常ブラウジングモードでも一部機能が利用可能

SafariのPrivate Browsing 2.0の主な特徴

AppleはSafariブラウザの新機能「Private Browsing 2.0」を発表した。この新機能は2005年に導入された元のPrivate Browsingを大幅に強化したものだ。従来のエフェメラルブラウジングに加え、クロスサイトトラッキング防止やプライバシー保護機能が強化されている点が特筆される。^[1]

Private Browsing 2.0では、リンク追跡保護や既知のトラッカーのネットワーク読み込みブロック、高度な指紋認証保護などの新機能が追加された。これらの機能により、ユーザーのオンラインプライバシーがより強固に保護されることになる。Safari 17.0以降のバージョンで利用可能だ。

Private Browsing 2.0のプライバシー保護機能

Private Browsing 2.0では、ユーザーのプライバシーを守るために複数の新機能が導入された。リンク追跡保護機能は、ウェブサイト間の移動時にURLからトラッキング情報を除去することで、ユーザーの行動追跡を防止する。この機能により、広告主やウェブサイト運営者がユーザーの閲覧履歴を追跡することが困難になる。

高度な指紋認証保護機能も注目に値する。この機能は、デバイスや設定情報を基にユーザーを識別する「フィンガープリンティング」と呼ばれる技術に対抗するものだ。Safariは様々なWebAPIから得られる情報にノイズを加えることで、デバイスの一意性を低下させ、ユーザーの追跡を困難にしている。

• リンク追跡保護によるプライバシー強化
• 高度な指紋認証保護でデバイス識別を困難に
• 既知のトラッカーのネットワーク読み込みをブロック
• 暗号化DNSによる安全なドメイン解決
• iCloud+ユーザー向けの追加保護機能

フィンガープリンティングとは

フィンガープリンティングとは、ウェブサイトがユーザーのデバイスや設定情報を収集し、一意の「指紋」を作成することでユーザーを識別する技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• デバイスの特性を利用したユーザー追跡手法
• ブラウザの設定やインストールされた拡張機能なども利用
• 従来のCookie追跡よりも検出が困難
• ユーザーの同意なしに実行可能
• プライバシー侵害の懸念が高い技術

フィンガープリンティングは、デバイスの特性、ハードウェア情報、オペレーティングシステム、ブラウザのバージョンなど、様々な情報を組み合わせて行われる。これらの情報を基に作成された「指紋」は、ユーザーを一意に識別するために使用される。従来のCookie追跡と比較して検出が困難であり、ユーザーの同意なしに実行できる点が大きな問題となっている。

Private Browsing 2.0の影響と課題

Private Browsing 2.0の導入は、ウェブサイトの互換性に影響を与える可能性がある。プライバシー保護機能の強化により、一部のウェブサイトが正常に動作しなくなる可能性が懸念される。Appleはこの問題に対処するため、ユーザーがサイトごとにプライバシー保護レベルを調整できる機能を提供している。

一方で、この新機能はオンライン広告業界に大きな影響を与える可能性がある。ユーザー追跡が困難になることで、ターゲティング広告の精度が低下し、広告収入に依存するウェブサイトやサービスに影響を及ぼす可能性がある。業界全体がこの変化にどう適応していくかが今後の課題となるだろう。

Private Browsing 2.0に関する考察

Private Browsing 2.0の導入により、今後はより多くのウェブサイトがプライバシー重視の設計を採用する可能性がある。ユーザー追跡に依存しないビジネスモデルへの移行が加速することも予想される。一方で、プライバシー保護と利便性のバランスをどう取るかが大きな課題となるだろう。

今後、Private Browsing 2.0にはさらなる機能の追加が期待される。例えば、AIを活用したより高度なトラッキング防止機能や、ユーザーのプライバシー設定をより細かく制御できる機能などが考えられる。また、他のブラウザベンダーも同様の機能を導入する可能性が高く、ブラウザ間の競争が激化することも予想される。

Private Browsing 2.0の導入は、一般ユーザーのプライバシー意識向上にも貢献すると考えられる。より多くのユーザーがオンラインプライバシーの重要性を認識し、自身のデータを積極的に管理するようになる可能性がある。これにより、プライバシー重視のサービスや製品への需要が高まることも期待できるだろう。

一方で、この機能の導入により、広告主や一部のウェブサイト運営者にとっては損失が生じる可能性がある。ユーザー追跡が困難になることで、広告の効果測定やターゲティングの精度が低下し、広告収入に依存するビジネスモデルの見直しが必要になる可能性がある。業界全体がこの変化にどう適応していくかが注目される。

長期的には、Private Browsing 2.0のような機能が標準となることで、インターネット全体のプライバシー保護レベルが向上することが期待される。ユーザーの信頼を獲得し、プライバシーを尊重するウェブサイトやサービスが競争力を持つ時代が到来する可能性がある。この変化は、より健全で信頼性の高いインターネット環境の構築につながるだろう。

参考サイト

1. ^ WebKit. 「 Private Browsing 2.0 | WebKit」. https://webkit.org/blog/15697/private-browsing-2-0/, (参照 24-07-18).
2. Apple. https://www.apple.com/jp/

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