インボイス制度と電子帳簿保存法の影響、請求書処理の業務負担増加が明らかに

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

インボイス制度施行後、53.8%が業務時間増加
電子帳簿保存法対応で55.8%が負担増加
システム未導入企業で30.6%が大幅負担増

インボイス制度と電子帳簿保存法が企業の請求書処理に与える影響

株式会社TOKIUMは、全国の請求書処理に携わる従業員1,100名を対象に、2023年10月に施行されたインボイス制度が請求書処理業務に与える影響について調査を実施した。調査結果によると、インボイス制度開始後、全体の53.8％が業務時間の増加を報告している。主な要因として、発行および受領した請求書のインボイス制度対応確認が挙げられている。^[1]

業務時間増加の具体的な原因として、「発行する請求書がインボイス制度に対応しているかの確認に時間を要している（49.9％）」、「受領した請求書がインボイス制度に対応しているかの確認（49.6％）」が挙げられた。さらに、「届いた請求書に不備があった場合の対応（48.0％）」も大きな負担要素となっており、これらの業務が請求書処理全体の負担を増加させていることが明らかになった。

また、2023年12月末に宥恕期間が終了した電子帳簿保存法への対応も、請求書処理業務の負担に大きな影響を与えている。調査によると、全体の55.8％の従業員が電子帳簿保存法への対応で業務負担が増加したと回答した。特に、システムを導入していない企業では30.6％が業務負担の大幅な増加を報告しており、デジタル化対応の重要性が浮き彫りとなっている。

インボイス制度と電子帳簿保存法の影響まとめ

項目	詳細
インボイス制度による業務時間増加	53.8%
発行請求書のインボイス対応確認	49.9%
受領請求書のインボイス対応確認	49.6%
請求書不備対応	48.0%
電子帳簿保存法による業務負担増加	55.8%
システム未導入企業の大幅負担増加	30.6%

宥恕期間について

宥恕期間とは、新しい法律や制度が施行された際に、一定期間の猶予を設けて段階的に導入を進める期間のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

法令順守のための準備期間を提供
急激な変更による混乱を防止
企業や個人の負担を軽減

電子帳簿保存法の場合、2023年12月末に宥恕期間が終了した。この期間中、企業は新しい要件に完全に適合していなくても罰則を受けることなく、段階的に対応を進めることができた。宥恕期間の終了により、企業は完全な法令順守が求められるようになり、それに伴い業務負担が増加したと考えられる。

インボイス制度と電子帳簿保存法に関する考察

インボイス制度と電子帳簿保存法の導入は、長期的には企業の業務効率化とデジタル化を促進する重要な施策だと言える。しかし、短期的には多くの企業、特に中小企業にとって大きな負担となっていることが調査結果から明らかになった。この状況を改善するためには、政府や関連団体による支援策の拡充や、より使いやすいデジタルツールの開発が急務だろう。

今後、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応が進むにつれ、初期の混乱は落ち着いていくと予想される。ただし、システムを導入していない企業では依然として大きな負担が続く可能性が高い。そのため、クラウドベースの請求書管理システムや経費精算ツールなど、低コストで導入できるソリューションの普及が重要になるだろう。また、これらのツールの使い方に関する教育支援も必要不可欠だ。

長期的には、インボイス制度と電子帳簿保存法への対応を通じて、企業全体のデジタルトランスフォーメーション（DX）が加速することが期待される。請求書処理や経理業務のデジタル化は、単なる法令順守にとどまらず、業務効率の大幅な向上やデータ活用による経営判断の高度化にもつながる可能性がある。この機会を前向きに捉え、積極的なDX推進に取り組む企業が今後の競争力を高めていくだろう。

参考サイト

^ PR TIMES. 「インボイス制度開始からおよそ1年が経過してもなお、2人に1人が請求書処理の業務時間が増えたと回答 | 株式会社TOKIUMのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000298.000009888.html, (参照 24-09-13).

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