【CVE-2024-34017】Acronis社のsnap deployに重大な脆弱性、情報漏洩やDoSのリスクが浮上

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約
Acronis社のsnap deployに発見された重大な脆弱性
snap deploy脆弱性の詳細
制御されていない検索パスの要素について
Acronis snap deployの脆弱性に関する考察
参考サイト

記事の要約

Acronis社のsnap deployに脆弱性が発見
制御されていない検索パスの要素に関する問題
CVSS基本値7.3の重要な脆弱性と評価

Acronis社のsnap deployに発見された重大な脆弱性

Acronis International GmbHは、同社のWindows用ソフトウェアsnap deployに深刻な脆弱性が存在することを公表した。この脆弱性は制御されていない検索パスの要素に関するもので、CVE-2024-34017として識別されている。NVDによる評価では、CVSS v3による深刻度基本値が7.3（重要）とされ、早急な対応が求められる状況だ。^[1]

この脆弱性の影響を受けるバージョンは、snap deploy 6未満およびsnap deploy 6であると報告されている。攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、情報の取得や改ざん、さらにはサービス運用妨害（DoS）状態を引き起こす可能性があるとされている。Acronis社は、ユーザーに対して参考情報を確認し、適切な対策を実施するよう呼びかけている。

この脆弱性の特徴として、攻撃元区分がローカルであること、攻撃条件の複雑さが低いこと、攻撃に必要な特権レベルが低いこと、そして利用者の関与が必要であることが挙げられる。影響の想定範囲に変更はないものの、機密性、完全性、可用性のすべてに高い影響があるとされており、システム管理者は早急なパッチ適用や代替策の実施を検討する必要がある。

snap deploy脆弱性の詳細

項目	詳細
脆弱性ID	CVE-2024-34017
影響を受けるソフトウェア	Acronis snap deploy 6未満および6
CVSS基本値	7.3（重要）
攻撃元区分	ローカル
攻撃条件の複雑さ	低
攻撃に必要な特権レベル	低
利用者の関与	要
想定される影響	情報取得、情報改ざん、サービス運用妨害（DoS）

制御されていない検索パスの要素について

制御されていない検索パスの要素（CWE-427）とは、ソフトウェアが外部から制御可能な検索パスを使用して、システムリソースやプログラムを読み込む際に発生する脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

攻撃者が悪意のあるファイルを検索パスに挿入可能
システムの信頼できるプログラムの代わりに悪意のあるコードが実行される
権限昇格やシステム全体の制御権奪取につながる可能性がある

この脆弱性は、Acronis社のsnap deployソフトウェアにおいて特に危険性が高いと考えられる。snap deployはシステムの展開や管理に使用されるツールであり、多くの場合管理者権限で実行される。そのため、この脆弱性を悪用されると、システム全体に深刻な影響を及ぼす可能性がある。管理者は、Acronis社が提供する修正パッチの適用を迅速に行い、システムの安全性を確保することが重要だ。

Acronis snap deployの脆弱性に関する考察

Acronis社が迅速に脆弱性を公表し、対策情報を提供したことは評価に値する。企業の透明性とセキュリティへの姿勢を示す良い例となっており、ユーザーの信頼維持につながるだろう。一方で、この種の脆弱性が発見されたことは、ソフトウェア開発プロセスにおけるセキュリティレビューの重要性を再認識させる出来事でもある。

今後、この脆弱性を悪用したマルウェアの出現や、特定の組織を狙った標的型攻撃に利用される可能性が考えられる。特に、パッチ適用が遅れている組織や、レガシーシステムを使用し続けている環境がリスクにさらされる可能性が高い。対策として、迅速なパッチ適用はもちろんのこと、最小権限の原則に基づいたシステム設計や、定期的なセキュリティ監査の実施が重要になってくるだろう。

今後、Acronis社には脆弱性スキャンの強化やAIを活用したコード解析など、より高度なセキュリティ対策の導入が期待される。また、業界全体としても、オープンソースコミュニティとの連携強化や、脆弱性報奨金プログラムの拡充など、外部の知見を積極的に取り入れる取り組みが重要になってくるだろう。セキュリティは常に進化する脅威との競争であり、継続的な改善と警戒が不可欠だ。