スギノマシンがロボットバリ取りセル「RDM-S」を発売、コンパクト設計とツインスピンドル仕様で製造現場の自動化を促進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

スギノマシンがロボットバリ取りセル「RDM-S」を発売
2種類のスピンドルモータを搭載可能な小型装置
9月18日からJapan Robot Week 2024に出展予定

スギノマシンが小型ロボットバリ取りセル「RDM-S」を発売

株式会社スギノマシンは2024年9月13日、ロボットバリ取り自動化セル「RDM-S（Robot Deburring Machine – Standard）」の販売を開始した。本製品は7kg可搬の産業用垂直多関節ロボットの先端に、バリ取り用フローティング機構付きスピンドルモータ「BARRIQUAN」を最大2台取り付けることができるロボットバリ取りセルである。^[1]

RDM-Sの特長として、装置幅1000mmのコンパクト設計が挙げられる。これにより、一般的なバリ取り作業スペースに人の替わりに設置することが可能となった。また、2種類のスピンドルモータ（伸縮型BRQ-EZ01と傾動型BRQ-EL02）を搭載できるツインスピンドル仕様により、サイクルタイムの短縮とバリの対応力向上に貢献している。

本製品は製造業の人不足解消を目的に開発された。バリ取り作業は危険かつ神経を使う作業であるため、特に人不足が顕著な作業である。RDM-Sは、このような課題に対応するために設計された自動化ソリューションとして位置づけられている。

RDM-Sの主な仕様まとめ

	仕様詳細
装置サイズ	幅1000×奥行1700×高さ2100mm
テーブル	ロボット付加軸制御インデックステーブル（対象ワーク：□250、テーブルサイズ：□300）
ロボット	LR Mate-200iD（7kg可搬）
スピンドルモータ	BARRIQUAN BRQ-EZ01（伸縮型）／BRQ-EL02（傾動型）
販売開始日	2024年9月13日（金）
テスト受注開始日	2024年11月18日（月）

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フローティング機構について

フローティング機構とは、工具をワークの形状にならわせることで、ワークの削れ過ぎやバリの取り残しを防ぐ機構のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

ワークの形状に合わせて工具が追従する
ワークの過度な削り込みを防止する
バリの取り残しを最小限に抑える

RDM-Sに搭載されているBAORRIQUANスピンドルモータには、このフローティング機構が組み込まれている。伸縮型のBRQ-EZ01と傾動型のBRQ-EL02の2種類があり、それぞれ異なる特性を持つ。伸縮型は主に機械加工後のバリ取りに適しており、傾動型は鋳物部品のパーティングライン除去などに効果的だという。

ロボットバリ取りセルRDM-Sに関する考察

RDM-Sの開発は、製造業における人手不足という喫緊の課題に対する有効な解決策となり得る。特にバリ取り作業の自動化は、作業者の安全性向上と生産効率の改善に大きく貢献するだろう。一方で、ロボットによる自動化が進むことで、従来のバリ取り作業者のスキルや経験が活かせなくなる可能性も懸念される。

今後の課題として、より複雑な形状や材質のワークに対応できるようバリ取りの精度と柔軟性を向上させることが挙げられる。また、AIやマシンビジョン技術を統合することで、ワークの個体差に対応したより高度な自動化も期待できるだろう。さらに、エネルギー効率の改善や環境負荷の低減など、サステナビリティの観点からの最適化も重要な検討事項となるはずだ。

RDM-Sの今後の展開としては、より小型化・軽量化を進めることで、さらに多様な製造現場への導入が可能になると考えられる。また、クラウドベースの遠隔監視・制御システムの統合により、複数のRDM-Sを効率的に管理・運用できるようになれば、大規模工場での生産性向上にも大きく寄与するだろう。スギノマシンには、こうした技術革新を通じて製造業のデジタルトランスフォーメーションを牽引する役割が期待される。

参考サイト

^ PR TIMES. 「ロボットバリ取りセル「RDM-S（Robot Deburring Machine – Standard）」の販売を開始 | 株式会社スギノマシンのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000113.000070070.html, (参照 24-09-14).

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