NearMeがANAホールディングスから資金調達、エアポートシャトルの展開強化へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

NearMeがANAホールディングスから資金調達
ANA未来創造ファンドによる初の出資
二次交通問題解決に向けた取り組みを強化

NearMeがANAホールディングスから資金調達を実施

株式会社NearMeは、ANAホールディングス株式会社を引受先とした第三者割当増資によって資金調達を2024年9月17日に実施した。この出資はグローバル・ブレイン株式会社が運用するCVCファンド『ANA未来創造ファンド』を通じた初の出資となっている。NearMeとANAHDは、これまでANAのMaaSサービス「旅CUBE」とNearMeの「エアポートシャトル」で連携を行ってきた経緯がある。^[1]

今回の資金調達により、NearMeは地方における二次交通問題への取り組みやインバウンド回復に向けたサービス開発を強化する方針だ。NearMeの主力事業である「エアポートシャトル」は、空港とその周辺都市を結ぶシェア乗りサービスとして展開されている。このサービスは現在、全国16の空港で利用可能であり、年間の空港利用者の8割以上をカバーしている。

NearMeは、1つの車両を複数組でシェアする「ライドプーリング」によって、既存のアセットを活用しながら輸送量を質的に向上させることを目指している。同社は、生活者の日常における移動の選択肢として"シェア乗り"を浸透させることで、移動の課題解決と新たな価値創造を図っていく考えだ。この取り組みは、地域創生やシェアリングエコノミーの普及にも貢献すると期待されている。

NearMeとANAホールディングスの提携内容まとめ

	NearMe	ANAホールディングス
主なサービス	エアポートシャトル	旅CUBE（MaaSサービス）
資金調達形態	第三者割当増資	ANA未来創造ファンド（CVC）
連携内容	エアポートシャトルの提供	旅CUBEでの検索連携、マイレージ連携
今後の展開	二次交通問題への取り組み強化	地域創生、シェアリングエコノミー普及支援
サービス展開範囲	全国16空港	ANAの航空ネットワーク

ライドプーリングについて

ライドプーリングとは、1台の車両を複数の乗客でシェアする移動サービスのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

既存の交通インフラを有効活用
乗車率向上による環境負荷の低減
利用者間で費用を分担し、移動コストを削減

NearMeが提供する「エアポートシャトル」は、このライドプーリングの概念を空港アクセスに適用したサービスだ。全国16の空港で展開されており、年間の空港利用者の8割以上をカバーしている。このサービスは、都市部と空港間の移動課題解決に貢献するだけでなく、空港で働く人々の通勤手段としても活用されており、地域の交通インフラを補完する役割を果たしている。

NearMeとANAホールディングスの提携に関する考察

NearMeとANAホールディングスの提携は、両社の強みを活かした相乗効果が期待できる。ANAの広範な顧客基盤とNearMeの革新的な移動サービスの組み合わせにより、より多くのユーザーに利便性の高い移動手段を提供できるようになるだろう。また、この提携によって地方の二次交通問題の解決に向けた取り組みが加速することで、地域経済の活性化にも寄与する可能性がある。

一方で、今後の課題としては、サービスの認知度向上と利用者の行動変容が挙げられる。シェア乗りという概念はまだ一般的とは言えず、多くの人々にとって新しい移動手段となる。そのため、サービスの安全性や利便性を丁寧に説明し、ユーザーの信頼を獲得していく必要がある。また、地域ごとの交通事情や需要の違いに柔軟に対応できるサービス設計も求められるだろう。

今後、NearMeとANAホールディングスの提携がさらに発展し、AIやIoT技術を活用したより効率的な配車システムの開発や、他の交通手段との連携強化などが期待される。また、インバウンド需要の回復に合わせて、多言語対応や観光情報との連携など、訪日外国人向けのサービス拡充も重要な課題となるだろう。この提携が日本の移動インフラの革新につながることを期待したい。