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AWSのEBS(Amazon Elastic Block Store)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


EBS(Amazon Elastic Block Store)とは

EBS(Amazon Elastic Block Store)はAmazon Web Services(AWS)が提供するブロックレベルのストレージサービスです。EC2インスタンスにアタッチして使用することができ、永続的なストレージとして機能します。

EBSは高い信頼性と可用性を備えています。データは自動的に複製され、単一障害点(SPOF)を排除することで、耐障害性に優れたストレージを実現しています。

EBSはスナップショット機能を提供しています。これにより、ボリュームの特定時点のデータを保存し、バックアップやリカバリに活用できます。スナップショットから新しいボリュームを作成することも可能です。

EBSはさまざまなボリュームタイプを用意しています。汎用SSD、プロビジョンドIOPS SSD、スループット最適化HDDなどがあり、用途に応じて最適なタイプを選択できます。

EBSは動的なサイズ変更に対応しています。ボリュームの容量を増減させることができ、ストレージ要件の変化に柔軟に対応できます。また、ボリュームタイプの変更も可能です。

EBSの性能と信頼性

EBSの性能と信頼性に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • EBSの性能特性とボリュームタイプ
  • EBSの信頼性と耐障害性
  • EBSの性能モニタリングと最適化

EBSの性能特性とボリュームタイプ

EBSはボリュームタイプごとに異なる性能特性を持っています。汎用SSDはバランスの取れた性能を提供し、幅広いワークロードに適しています。プロビジョンドIOPS SSDは高い読み書きIOPS性能を実現し、I/O負荷の高いアプリケーションに適しています。

スループット最適化HDDは大容量のデータに対して高いスループットを提供します。コールドHDDはアクセス頻度の低いデータの長期保存に適しています。用途に応じて適切なボリュームタイプを選択することで、最適な性能を引き出すことができます。

EBSではボリュームサイズとIOPS性能の関係があります。ボリュームサイズを大きくすることで、IOPSの上限を引き上げることができます。また、プロビジョンドIOPS SSDではボリュームサイズとは独立してIOPS性能を設定できます。

EBSの信頼性と耐障害性

EBSは高い信頼性と耐障害性を備えています。データは自動的に複数のサーバーに複製され、単一障害点(SPOF)を排除しています。これにより、ハードウェア障害が発生しても、データの損失を防ぐことができます。

EBSでは年間の耐久性が99.999%以上と非常に高く、データの長期的な保存に適しています。また、リージョン内の複数のアベイラビリティゾーンにまたがってデータが複製されるため、障害の影響を最小限に抑えることができます。

EBSのスナップショット機能を活用することで、データの定期的なバックアップを取ることができます。スナップショットは増分バックアップであり、変更された部分のみが保存されるため、効率的です。スナップショットからボリュームを復元することで、障害からの迅速なリカバリが可能です。

EBSの性能モニタリングと最適化

EBSの性能を最適化するためには適切なモニタリングと分析が重要です。AWS CloudWatchを使用して、EBSボリュームのパフォーマンスメトリクスを収集し、可視化することができます。読み書きIOPS、スループット、レイテンシなどの指標を監視し、ボトルネックを特定します。

EBSボリュームのサイズと性能の関係を理解することも重要です。ボリュームサイズを適切に設定し、必要なIOPS性能を確保する必要があります。また、プロビジョンドIOPS SSDを使用する場合は適切なIOPS設定を行うことで、安定した高性能を実現できます。

EBSの性能を最適化するためのベストプラクティスにはボリュームタイプの適切な選択、ボリュームサイズの最適化、インスタンスタイプとEBSの組み合わせの最適化などがあります。定期的にパフォーマンスを確認し、必要に応じて設定を調整することが重要です。

EBSのスナップショットとデータ保護

EBSのスナップショットとデータ保護に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • EBSスナップショットの仕組みと活用方法
  • EBSスナップショットを使用したデータ保護戦略
  • EBSスナップショットの管理とコスト最適化

EBSスナップショットの仕組みと活用方法

EBSスナップショットはEBSボリュームの特定時点のデータを保存する機能です。スナップショットは増分バックアップであり、前回のスナップショットからの変更部分のみが保存されます。これにより、ストレージの使用量を最小限に抑えつつ、効率的なバックアップが可能です。

スナップショットはボリュームのデータを保護するだけでなく、新しいボリュームを作成するためにも使用できます。スナップショットから新しいボリュームを作成することで、データの複製や移行が容易になります。また、スナップショットを別のリージョンにコピーすることで、地理的な冗長性を確保できます。

EBSスナップショットはデータのバックアップ、ディザスタリカバリ、開発環境の構築、データの移行などさまざまな用途で活用できます。定期的にスナップショットを取得し、データの保護と復元に備えることが重要です。

EBSスナップショットを使用したデータ保護戦略

EBSスナップショットを活用することで、包括的なデータ保護戦略を構築できます。定期的なスナップショットの取得により、データの定期的なバックアップを実現できます。スナップショットの取得頻度はデータの重要性や変更頻度に応じて決定します。

スナップショットを別のリージョンにコピーすることで、地理的な冗長性を確保し、リージョン障害からデータを保護できます。また、スナップショットからボリュームを復元することで、障害発生時の迅速なリカバリが可能になります。

長期的なデータ保持のために、スナップショットをAmazon S3に保存することもできます。S3は高い耐久性と可用性を提供し、コスト効率の良いストレージオプションです。スナップショットのライフサイクル管理を適切に設定することで、コストを最適化しつつ、長期的なデータ保護を実現できます。

EBSスナップショットの管理とコスト最適化

EBSスナップショットを効果的に管理するためには適切なタグ付けとライフサイクル管理が重要です。スナップショットにタグを付けることで、スナップショットの用途や所有者を明確にし、管理を容易にします。また、不要になったスナップショットを定期的に削除することで、ストレージコストを最適化できます。

AWS Backup を使用することで、EBSスナップショットの管理を自動化できます。バックアップスケジュールやリテンション期間を設定することで、定期的なスナップショットの取得と削除を自動化し、運用の手間を減らすことができます。

コスト最適化のために、スナップショットの圧縮や重複排除を検討することもできます。圧縮技術を活用することで、スナップショットのストレージ使用量を削減できます。また、増分バックアップを活用することで、変更された部分のみを保存し、ストレージコストを抑えることができます。

EBSとEC2インスタンスの連携

EBSとEC2インスタンスの連携に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • EBSボリュームのEC2インスタンスへのアタッチ
  • EC2インスタンスタイプとEBSの最適な組み合わせ
  • EC2インスタンスの停止・終了時のEBSボリュームの動作

EBSボリュームのEC2インスタンスへのアタッチ

EBSボリュームはEC2インスタンスにアタッチして使用します。EC2インスタンスの起動時にEBSボリュームをアタッチすることも、起動後に動的にアタッチすることもできます。アタッチしたEBSボリュームはEC2インスタンス上でブロックデバイスとして認識され、ファイルシステムを作成して使用できます。

EBSボリュームは単一のEC2インスタンスにアタッチされ、そのインスタンスからのみアクセスできます。複数のインスタンスから同時にアクセスすることはできません。ただし、EBSマルチアタッチ機能を使用することで、複数のEC2インスタンスから同じEBSボリュームに同時にアクセスすることが可能になります。

EBSボリュームはアベイラビリティゾーン内でのみアタッチできます。異なるアベイラビリティゾーンのEC2インスタンスにアタッチすることはできません。必要に応じて、スナップショットを作成し、別のアベイラビリティゾーンでボリュームを復元することで、データを移行できます。

EC2インスタンスタイプとEBSの最適な組み合わせ

EC2インスタンスタイプとEBSの組み合わせはワークロードの要件に応じて最適化する必要があります。コンピューティング性能とストレージ性能のバランスを考慮し、適切なインスタンスタイプとEBSボリュームタイプを選択することが重要です。

I/O負荷の高いワークロードにはEBS最適化インスタンスを使用することをお勧めします。EBS最適化インスタンスはEBSボリュームとの間で専用の帯域幅を確保し、安定した高いI/Oパフォーマンスを提供します。また、プロビジョンドIOPS SSDを組み合わせることで、さらに高いIOPS性能を実現できます。

大容量のデータを扱うワークロードにはスループット最適化HDDを検討できます。スループット最適化HDDはシーケンシャルな読み書きに優れており、大容量データの処理に適しています。コールドHDDはアクセス頻度の低いデータの長期保存に適しています。

EC2インスタンスの停止・終了時のEBSボリュームの動作

EC2インスタンスを停止すると、アタッチされているEBSボリュームは保持されます。インスタンスを再起動すると、EBSボリュームは自動的に再アタッチされ、データは保持されます。ただし、インスタンスを終了する場合、デフォルトではルートボリュームが削除されます。

EBSボリュームの削除動作はインスタンス起動時の設定によって制御できます。インスタンス終了時にEBSボリュームを保持するように設定することで、データを永続的に保存できます。これにより、インスタンスを終了した後でも、EBSボリュームからデータを回収することができます。

EBSボリュームのスナップショットを定期的に取得することで、インスタンスの停止・終了に関わらず、データを保護することができます。スナップショットからボリュームを作成することで、新しいインスタンスにデータを復元したり、別のインスタンスにデータを移行したりすることが可能です。

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