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EMM(Enterprise Mobility Management)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


EMM(Enterprise Mobility Management)とは

EMMとはEnterprise Mobility Managementの略称であり、企業におけるモバイルデバイスの管理を行うための包括的なソリューションを指します。EMMはスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを安全かつ効率的に管理するために必要な機能を提供します。

EMMはモバイルデバイス管理(MDM)、モバイルアプリケーション管理(MAM)、モバイルコンテンツ管理(MCM)、アイデンティティ管理(IAM)などの機能を統合したソリューションです。これらの機能を組み合わせることで、企業はモバイルデバイスのセキュリティを確保しつつ、業務に必要なアプリケーションやデータへのアクセスを安全に管理できるのです。

EMMを導入することで、企業はモバイルデバイスの紛失や盗難、不正アクセスなどのリスクを最小限に抑えることができます。また、モバイルデバイスを使用する従業員の生産性を向上させることができ、ビジネスの競争力強化にも繋がります。

EMMはクラウドベースのサービスとしても提供されており、企業はオンプレミスで構築する必要がありません。クラウドベースのEMMを利用することで、企業はコストを削減しつつ、常に最新の機能を利用できるようになります。

EMMは企業のモバイルデバイス管理に欠かせないソリューションであり、今後もその重要性は増していくでしょう。企業は自社のニーズに合ったEMMソリューションを選択し、モバイルデバイスの管理体制を整備していく必要があります。

EMMの主要な機能と特徴

EMMの主要な機能と特徴に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • モバイルデバイス管理(MDM)による一元管理
  • モバイルアプリケーション管理(MAM)によるアプリ配信とセキュリティ確保
  • モバイルコンテンツ管理(MCM)によるデータ保護とアクセス制御

モバイルデバイス管理(MDM)による一元管理

EMMの中核となる機能がモバイルデバイス管理(MDM)です。MDMを使用することで、企業は従業員が使用するモバイルデバイスを一元的に管理できるようになります。

MDMではモバイルデバイスのインベントリ管理、デバイスの設定変更、セキュリティポリシーの適用、リモートロックやワイプなどの操作を行うことができます。これにより、企業はモバイルデバイスの運用コストを削減しつつ、セキュリティリスクを最小限に抑えることが可能になります。

MDMはiOSやAndroidなど様々なプラットフォームに対応しており、幅広いデバイスを管理できます。また、クラウドベースのMDMサービスを利用することで、管理者はWebブラウザからデバイスの管理を行えるため、場所を問わずに管理業務を実施できるのです。

モバイルアプリケーション管理(MAM)によるアプリ配信とセキュリティ確保

EMMのもう一つの重要な機能が、モバイルアプリケーション管理(MAM)です。MAMを使用することで、企業は業務に必要なアプリケーションを従業員のモバイルデバイスに配信し、アプリケーションのセキュリティを確保できます。

MAMではアプリケーションの配信、更新、削除などのライフサイクル管理を行うことができます。また、アプリケーションごとにセキュリティポリシーを設定し、データの暗号化や外部との通信制御などを行うことで、アプリケーションの安全性を高められるのです。

MAMは社内で開発したアプリケーションだけでなく、パブリックストアで提供されているアプリケーションにも対応しています。これにより、企業は業務に必要なアプリケーションを柔軟に選択し、従業員に提供できるようになります。

モバイルコンテンツ管理(MCM)によるデータ保護とアクセス制御

EMMのもう一つの重要な機能が、モバイルコンテンツ管理(MCM)です。MCMを使用することで、企業は機密情報を含むドキュメントや画像、動画などのコンテンツを安全に管理し、アクセス制御を行うことができます。

MCMではコンテンツの配信、更新、削除などのライフサイクル管理を行うことができます。また、コンテンツごとにアクセス権限を設定し、閲覧や編集、印刷などの操作を制御することで、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。

MCMはオンプレミスのストレージだけでなく、クラウドストレージとの連携にも対応しています。これにより、企業は場所を問わずにコンテンツにアクセスできるようになり、モバイルワークの生産性を高められるのです。

EMMを導入するメリットと留意点

EMMを導入するメリットと留意点に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • EMMによるセキュリティ強化とコンプライアンス対策
  • EMMがもたらす業務効率化と生産性向上
  • EMMを導入する際の課題と対策

EMMによるセキュリティ強化とコンプライアンス対策

EMMを導入することで、企業はモバイルデバイスのセキュリティを強化し、コンプライアンス対策を講じることができます。EMMを使用することで、デバイスの紛失や盗難、不正アクセスなどのリスクを最小限に抑えられるのです。

また、EMMを導入することで、企業は個人情報保護法やGDPRなどの法規制に対応できるようになります。EMMを使用してデバイスやアプリケーション、コンテンツを適切に管理することで、法令順守の体制を整備できます。

EMMによるセキュリティ強化とコンプライアンス対策は企業にとって重要な課題です。情報漏洩や法令違反は企業の信頼を失墜させ、事業継続にも影響を与えかねません。EMMを活用して、これらのリスクに適切に対処していく必要があるでしょう。

EMMがもたらす業務効率化と生産性向上

EMMを導入することで、企業は業務効率化と生産性向上を実現できます。EMMを使用することで、従業員はモバイルデバイスを使って、場所や時間を問わずに業務を遂行できるようになります。

また、EMMを導入することで、企業はペーパーレス化を推進できます。モバイルデバイスを使って電子文書を閲覧・編集することで、印刷コストを削減し、業務のスピードアップを図れます。

EMMによる業務効率化と生産性向上は企業の競争力強化に繋がります。モバイルワークを推進し、従業員の働き方を変革することで、企業はビジネスチャンスを逃すことなく、柔軟に対応できるようになるのです。

EMMを導入する際の課題と対策

EMMを導入する際にはいくつかの課題があります。例えば、EMMの導入コストや運用コスト、従業員の教育コストなどです。また、EMMを導入することで、従業員のプライバシーが侵害される可能性もあります。

これらの課題に対処するためにはEMMの導入前に十分な検討と準備が必要です。コストについてはクラウドベースのEMMサービスを利用することで、初期投資を抑えることができます。また、従業員のプライバシー保護については適切なポリシーを設定し、従業員への教育を徹底することが重要です。

EMMを導入する際の課題は企業ごとに異なります。自社の状況を踏まえ、適切なEMMソリューションを選択し、段階的に導入していくことが求められます。EMMの導入は一朝一夕にはできませんが、長期的な視点で取り組むことで、企業のモバイル活用を加速させることができるでしょう。

EMMの選定と導入のポイント

EMMの選定と導入のポイントに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • 自社に適したEMMソリューションの選定基準
  • EMMの導入プロセスと移行方法
  • EMMの運用体制の構築と継続的な改善

自社に適したEMMソリューションの選定基準

EMMソリューションを選定する際は自社のニーズに合ったものを選ぶ必要があります。EMMソリューションは多種多様であり、提供される機能やサポート体制、価格などが異なります。

EMMソリューションを選定する際はまず自社のモバイルデバイスの利用状況を把握し、必要な機能を洗い出すことが重要です。その上で、複数のベンダーのソリューションを比較検討し、自社に最適なものを選定しましょう。

また、EMMソリューションの選定ではベンダーの信頼性や実績も重要な判断基準となります。セキュリティ対策や法令順守の観点から、信頼できるベンダーのソリューションを選ぶことが求められます。

EMMの導入プロセスと移行方法

EMMの導入プロセスは計画策定、設計、構築、テスト、運用の5つのフェーズに分けられます。各フェーズで必要なタスクを漏れなく実施し、EMMを確実に導入することが重要です。

EMMへの移行方法は一括移行と段階的移行の2つがあります。一括移行は全てのデバイスを一度にEMMに移行する方法で、導入期間が短く、コストを抑えられるメリットがあります。一方、段階的移行は一部のデバイスから順次EMMに移行していく方法で、ユーザーの混乱を防ぎ、安全に移行できるメリットがあります。

EMMの導入プロセスと移行方法は自社の状況に応じて適切に選択する必要があります。導入を急ぐあまり、拙速な判断をすることのないよう、十分な検討が求められます。

EMMの運用体制の構築と継続的な改善

EMMを導入した後は適切な運用体制を構築し、継続的に改善していく必要があります。EMMの運用にはデバイスやアプリケーション、コンテンツの管理だけでなく、ユーザーサポートや問い合わせ対応なども含まれます。

EMMの運用体制を構築する際は役割と責任を明確にし、必要なスキルを持った人員を配置することが重要です。また、運用プロセスを定義し、マニュアルを整備することで、安定的な運用を実現できます。

EMMの運用ではPDCAサイクルを回し、継続的な改善を図ることが求められます。運用状況を定期的にモニタリングし、課題を抽出して改善策を講じることで、EMMの効果を最大限に引き出すことができるのです。

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