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L2TP(Layer 2 Tunneling Protocol)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


L2TP(Layer 2 Tunneling Protocol)とは

L2TP(Layer 2 Tunneling Protocol)は、インターネット上で仮想プライベートネットワーク(VPN)を構築するためのトンネリングプロトコルです。L2TPは、リモートアクセスやサイト間接続などのVPN接続を実現するために使用されます。

L2TPは、PPP(Point-to-Point Protocol)フレームをカプセル化し、IPネットワーク上でトンネリングを行います。これにより、インターネットなどの公衆ネットワークを介して、プライベートなネットワーク間の通信を安全に実現できるのです。

L2TPは、UDP(User Datagram Protocol)上で動作し、ポート番号1701を使用します。また、L2TPは、トンネルの確立や認証、セッション管理などの機能を提供します。

L2TPは、IPSecと組み合わせて使用されることが多いです。IPSecは、L2TPによって確立されたトンネル内のデータを暗号化し、機密性と完全性を確保します。L2TP/IPSecは、高度なセキュリティを要求されるVPN接続に適しています。

L2TPは、Windows、macOS、Linuxなど、多くのオペレーティングシステムでサポートされています。また、多くのVPNサービスプロバイダーがL2TPをサポートしており、幅広い環境でL2TP VPNを利用できます。

L2TPの仕組みと動作原理

L2TPの仕組みと動作原理に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • L2TPのトンネリングとカプセル化
  • L2TPの制御メッセージとセッション管理
  • L2TP/IPSecによるセキュアなVPN接続

L2TPのトンネリングとカプセル化

L2TPは、PPPフレームをカプセル化し、IPネットワーク上でトンネリングを行います。送信側のL2TPアクセスコンセントレータ(LAC)は、PPPフレームをL2TPヘッダーとIPヘッダーで囲み、宛先のL2TPネットワークサーバ(LNS)へ送信します。

LNSは、受信したL2TPパケットからIPヘッダーとL2TPヘッダーを取り除き、元のPPPフレームを取り出します。これにより、異なるネットワーク間でPPPセッションを透過的に転送できるのです。

L2TPのカプセル化は、UDP上で行われます。L2TPは、UDPポート番号1701を使用し、LACとLNS間でL2TPパケットを交換します。UDPを使用することで、NATを越えた通信が可能になります。

L2TPの制御メッセージとセッション管理

L2TPは、制御メッセージを使用して、トンネルとセッションの確立、維持、終了を行います。制御メッセージは、L2TPヘッダーの次に配置され、LACとLNS間で交換されます。

トンネルの確立時には、LACとLNSがトンネル確立要求と応答を交換します。これにより、トンネルの認証や暗号化アルゴリズムの選択などが行われます。セッションの確立時には、LACとLNSがセッション確立要求と応答を交換し、PPPセッションのネゴシエーションが行われます。

L2TPは、トンネルとセッションを独立して管理します。1つのトンネル内に複数のセッションを確立でき、各セッションはそれぞれ独立したPPPセッションとして動作します。セッションの終了時には、LACとLNSがセッション終了要求と応答を交換し、PPPセッションを終了します。

L2TP/IPSecによるセキュアなVPN接続

L2TP/IPSecは、L2TPとIPSecを組み合わせたVPNソリューションです。L2TPによって確立されたトンネル内のデータを、IPSecを用いて暗号化することで、高度なセキュリティを実現します。

IPSecは、IKE(Internet Key Exchange)プロトコルを使用して、セキュリティアソシエーション(SA)を確立します。SAには、暗号化アルゴリズムや認証アルゴリズム、鍵情報などが含まれます。確立されたSAに基づいて、L2TPパケットはIPSecによって暗号化され、転送されます。

受信側では、IPSecによって復号化されたL2TPパケットから、PPPフレームが取り出されます。これにより、L2TPとIPSecを組み合わせることで、高度な機密性と完全性を備えたVPN接続を実現できるのです。

L2TPの利点と適用シーン

L2TPの利点と適用シーンに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • L2TPのマルチプロトコルサポートとネットワーク透過性
  • L2TPのリモートアクセスとサイト間接続
  • L2TP/IPSecによるセキュアなモバイルワーク環境

L2TPのマルチプロトコルサポートとネットワーク透過性

L2TPは、PPPをトンネリングプロトコルとして使用するため、PPP上で動作する様々なプロトコルを透過的に転送できます。これには、IPv4IPv6、IPX、AppleTalkなどが含まれます。そのため、L2TPは、マルチプロトコル環境でのVPN接続に適しています。

また、L2TPは、IPネットワーク上でトンネリングを行うため、ネットワークの透過性が高いという利点があります。L2TPパケットは、通常のIPパケットと同様に、ルーターやファイアウォールを通過できます。これにより、既存のネットワークインフラストラクチャーを変更することなく、VPN接続を導入できます。

L2TPのリモートアクセスとサイト間接続

L2TPは、リモートアクセスVPNとサイト間VPNの両方に適用できます。リモートアクセスVPNでは、モバイルワーカーやテレワーカーが、インターネット経由で企業ネットワークにアクセスする際にL2TPを使用できます。L2TPクライアントソフトウェアを使用することで、セキュアなリモートアクセスが可能になります。

サイト間VPNでは、地理的に離れた拠点間をL2TPトンネルで接続することで、拠点間の通信を安全に行えます。L2TPは、拠点間のルーティングやネットワークアドレス変換(NAT)の問題を解決し、シームレスな接続を実現します。

L2TP/IPSecによるセキュアなモバイルワーク環境

L2TP/IPSecは、モバイルワーカーにセキュアなリモートアクセス環境を提供する上で特に有用です。モバイルワーカーは、公衆無線LANやホテルのネットワークなど、セキュリティが十分でない環境からVPNに接続することがあります。その際、L2TP/IPSecを使用することで、通信の機密性と完全性を確保できます。

多くのモバイルデバイスやオペレーティングシステムがL2TP/IPSecをサポートしているため、導入が容易という利点もあります。また、L2TP/IPSecは、NATトラバーサルにも対応しているため、ファイアウォールの内側からでもVPN接続を確立できます。

L2TPの課題とセキュリティ上の注意点

L2TPの課題とセキュリティ上の注意点に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • L2TP自体の脆弱性と暗号化の必要性
  • L2TP/IPSecの複雑性と設定の難しさ
  • L2TPの認証とアクセス制御の重要性

L2TP自体の脆弱性と暗号化の必要性

L2TP自体には、暗号化機能が含まれていません。そのため、L2TPを単独で使用した場合、トンネル内の通信が平文で送信されてしまうという脆弱性があります。攻撃者が通信を傍受した場合、機密情報が漏洩する可能性があります。

この問題を解決するために、L2TPはIPSecと組み合わせて使用されることが一般的です。IPSecによってトンネル内の通信を暗号化することで、機密性を確保できます。L2TPを単独で使用する場合は、暗号化の重要性を理解し、適切な対策を講じる必要があります。

L2TP/IPSecの複雑性と設定の難しさ

L2TP/IPSecは、高度なセキュリティを提供する一方で、設定が複雑になるという課題があります。L2TPとIPSecの両方を適切に設定する必要があり、ネットワーク管理者には専門的な知識が求められます。

特に、IPSecのセキュリティアソシエーション(SA)の確立や、IKEの設定には注意が必要です。また、ファイアウォールやNATトラバーサルの設定も、L2TP/IPSecの導入を難しくする要因の一つです。適切な設定ガイドラインに従い、セキュリティと利便性のバランスを取ることが重要です。

L2TPの認証とアクセス制御の重要性

L2TPでは、適切な認証とアクセス制御を行うことが重要です。L2TPの認証には、PAP(Password Authentication Protocol)やCHAP(Challenge Handshake Authentication Protocol)などの方式が使用されます。しかし、これらの認証方式には脆弱性が存在することがあります。

より強固な認証を行うために、EAP(Extensible Authentication Protocol)を使用することが推奨されます。EAPは、様々な認証方式をサポートし、2要素認証などの高度な認証も可能です。また、VPNへのアクセスを制御するために、ファイアウォールやVPNゲートウェイで適切なアクセス制御ポリシーを設定することが重要です。

参考サイト

  1. Apple. https://www.apple.com/jp/

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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