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GI型光ファイバーとは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


GI型光ファイバーとは

GI型光ファイバーは勾配屈折率型光ファイバーとも呼ばれ、通信用に広く使用されている光ファイバーの一種です。コアの屈折率を中心部から外側に向かって徐々に低くすることで、光の伝播を制御しています。

この特性により、GI型光ファイバーはモードディスパージョンと呼ばれる光の広がりを抑制することができます。その結果、高速かつ長距離の通信を実現しています。

GI型光ファイバーのコアは石英ガラスに不純物を添加して作られています。添加する不純物の種類や濃度を調整することで、所望の屈折率分布を得ることができるのです。

また、GI型光ファイバーはSI型光ファイバーと比較して、より広い波長帯域で低損失かつ低分散な伝送が可能となります。このため、高速・大容量の光通信システムに適しているといえるでしょう。

GI型光ファイバーは現在の光通信インフラの中核を担っており、インターネットやモバイルネットワークなどの発展に大きく貢献しています。今後も、さらなる高性能化や低コスト化が期待されている重要な技術なのです。

GI型光ファイバーの構造と原理

GI型光ファイバーに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • GI型光ファイバーのコアとクラッドの構造
  • GI型光ファイバーにおける屈折率分布の特徴
  • GI型光ファイバーでの光の伝播メカニズム

GI型光ファイバーのコアとクラッドの構造

GI型光ファイバーはコアとクラッドという2つの部分で構成されています。コアは光を伝送する中心部であり、クラッドはコアを取り囲む外層部分です。

コアとクラッドはともに石英ガラスでできていますが、コアには屈折率を上げるための不純物が添加されています。この不純物添加により、コアの屈折率がクラッドよりも高くなっているのです。

コアとクラッドの境界面では光の全反射が起こります。これにより、光はコア内に閉じ込められ、ファイバーに沿って伝播していきます。

GI型光ファイバーにおける屈折率分布の特徴

GI型光ファイバーの最大の特徴はコアの屈折率分布が放物線状になっていることです。つまり、コアの中心部で最も屈折率が高く、外側に向かって徐々に低くなっているのです。

この屈折率分布により、コアの中心部を伝わる光と、外側を伝わる光の速度差が補正されます。その結果、モードディスパージョンが抑制され、高速な信号伝送が可能となります。

屈折率分布の設計はGI型光ファイバーの性能を左右する重要な要素です。最適な分布を実現するために、不純物の種類や濃度、製造工程などが精密に制御されています。

GI型光ファイバーでの光の伝播メカニズム

GI型光ファイバーでは光は屈折率の高い中心部を直進するのではなく、屈折率分布に沿って緩やかに曲がりながら伝播します。この現象は光の屈折の法則に基づいています。

コアの中心部を通る光は屈折率が高いため速度が遅くなります。一方、外側を通る光は屈折率が低いため速度が速くなります。この速度差により、光のパスが曲がり、波面が揃った状態で伝播するのです。

この伝播メカニズムにより、GI型光ファイバーはモードディスパージョンを抑制し、高速・長距離の通信を実現しています。また、マルチモード伝送にも適しており、柔軟性の高いシステム設計が可能となります。

GI型光ファイバーの種類と特性

GI型光ファイバーに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • シングルモードGI型光ファイバーの特徴と用途
  • マルチモードGI型光ファイバーの特徴と用途
  • GI型光ファイバーの波長帯域と伝送損失

シングルモードGI型光ファイバーの特徴と用途

シングルモードGI型光ファイバーはコア径が非常に小さく、単一のモードで光を伝送するタイプです。これにより、モード分散が抑えられ、高速・長距離の通信に適しています。

シングルモードGI型光ファイバーは主に長距離の幹線系ネットワークや、高速・大容量の通信システムに使用されます。また、コヒーレント光通信や光センシングなどの分野でも活用されている重要な技術なのです。

シングルモードGI型光ファイバーの製造には高度な技術が必要とされます。コアとクラッドの屈折率差を精密に制御し、超低損失な伝送路を実現するためです。

マルチモードGI型光ファイバーの特徴と用途

マルチモードGI型光ファイバーはコア径が大きく、複数のモードで光を伝送するタイプです。シングルモードに比べ、モード分散の影響を受けやすいものの、伝送容量が大きいという特徴があります。

マルチモードGI型光ファイバーは主に短距離・中距離の通信システムや、構内ネットワークなどに使用されています。また、産業用の光伝送や、医療機器などにも応用されているのです。

マルチモードGI型光ファイバーはシングルモードに比べて製造が容易であり、コストが低く抑えられます。また、光源や検出器とのカップリングが容易であるため、システムの構築や維持管理が簡便になります。

GI型光ファイバーの波長帯域と伝送損失

GI型光ファイバーは広い波長帯域で低損失な伝送が可能です。特に、1.3μm帯と1.55μm帯の2つの波長領域が重要視されています。

1.3μm帯はゼロ分散波長域と呼ばれ、材料分散とウェーブガイド分散が相殺され、分散が最小となる領域です。一方、1.55μm帯は伝送損失が最小となる領域であり、長距離伝送に適しています。

GI型光ファイバーの伝送損失は主にレイリー散乱や赤外線吸収によって生じます。超高純度な石英ガラスを使用し、不純物を極限まで低減することで、理論限界に近い超低損失な光ファイバーが実現されているのです。

GI型光ファイバーの製造技術と今後の展望

GI型光ファイバーに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • GI型光ファイバーの製造工程と品質管理
  • GI型光ファイバーの高性能化に向けた研究開発
  • GI型光ファイバーの将来展望と新たな応用分野

GI型光ファイバーの製造工程と品質管理

GI型光ファイバーの製造はVAD法やOVD法などの気相析出法が主流です。高純度な原料ガスを反応させ、石英ガラスを析出させることで、光ファイバーの素材であるプリフォームを作製します。

プリフォームには所望の屈折率分布を持たせるため、ドーパントと呼ばれる不純物が添加されます。ドーパントの種類や濃度、添加のタイミングなどを精密に制御することが、高品質なGI型光ファイバーを製造するために不可欠なのです。

製造されたプリフォームは線引き工程を経て、細い光ファイバーに加工されます。線引き時の温度や張力、冷却条件などが、光ファイバーの特性に大きな影響を与えるため、厳格な品質管理が行われています。

GI型光ファイバーの高性能化に向けた研究開発

GI型光ファイバーの性能向上には材料技術と製造技術の両面からのアプローチが必要です。新しいドーパントの探索や、屈折率分布の最適化などが、活発に研究されています。

また、光ファイバーの損失を限界まで低減するために、超高純度化技術や、新しい線引き技術の開発も進められています。さらに、非線形光学効果を利用した新しい光信号処理技術なども、次世代の光通信システムに向けた重要な研究テーマとなっています。

GI型光ファイバーの高性能化は情報通信インフラの発展に直結する重要な課題です。産学官の連携により、基礎研究から実用化までを見据えた研究開発が推進されていくことが期待されます。

GI型光ファイバーの将来展望と新たな応用分野

GI型光ファイバーは今後も情報通信インフラの中核を担い続けると考えられます。5Gや6Gといった次世代移動通信システムや、IoTの普及などに伴い、より高速・大容量な光通信ネットワークが求められるためです。

また、GI型光ファイバーは通信分野以外でも新たな応用が期待されています。光センシングや光計測、医療機器、産業用途など、多岐にわたる分野で活用が進むと予想されます。

GI型光ファイバーの将来展望として、空間多重伝送技術や、マルチコアファイバーなどの新しい光ファイバー構造の実用化も注目されています。これらの技術により、さらなる大容量化と高機能化が実現されることでしょう。

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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