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【CVE-2024-38877】シーメンス製品に重要情報平文保存の脆弱性、複数のomnivise t3000製品に影響

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • シーメンス製品に重要情報平文保存の脆弱性
  • CVSS基本値8.8の重要な脆弱性が発見
  • 複数のomnivise t3000製品が影響を受ける

シーメンス製品における重要情報平文保存の脆弱性

シーメンス社は、複数のomnivise t3000製品に重要な情報の平文保存に関する脆弱性が存在することを公開した。この脆弱性は、omnivise t3000 application server、omnivise t3000 domain controller、omnivise t3000 network intrusion detection systemなど、多くの製品に影響を与えている。CVSS v3による深刻度基本値は8.8(重要)とされており、攻撃者によって悪用された場合、深刻な被害をもたらす可能性がある。[1]

この脆弱性の影響範囲は広範囲に及び、omnivise t3000 product data management、omnivise t3000 terminal server、omnivise t3000 thin client、omnivise t3000 whitelisting serverなども影響を受ける。攻撃元区分はローカルであり、攻撃条件の複雑さは低いとされている。また、攻撃に必要な特権レベルは低く、利用者の関与は不要とされており、影響の想定範囲に変更があるとされている。

本脆弱性が悪用された場合、情報の取得や改ざん、さらにはサービス運用妨害(DoS)状態に陥る可能性がある。シーメンス社は、この脆弱性に対処するためのベンダアドバイザリやパッチ情報を公開しており、ユーザーに対して適切な対策を実施するよう呼びかけている。CWEによる脆弱性タイプは重要な情報の平文保存(CWE-312)に分類されており、共通脆弱性識別子はCVE-2024-38877として登録されている。

シーメンス製品の脆弱性影響範囲

製品名 影響を受けるバージョン
omnivise t3000 application server r9.2以上
omnivise t3000 domain controller r9.2以上
omnivise t3000 network intrusion detection system 9.2およびそれ以前
omnivise t3000 product data management r9.2以上
omnivise t3000 terminal server 9.2およびそれ以前
omnivise t3000 thin client r9.2以上
omnivise t3000 whitelisting server r9.2以上

CVSSについて

CVSSとは、Common Vulnerability Scoring Systemの略称で、情報システムの脆弱性の深刻度を評価するための業界標準指標である。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 0.0から10.0までのスコアで脆弱性の重大度を表現
  • 攻撃の容易さや影響度など複数の要素を考慮
  • バージョン3が最新で、より精密な評価が可能

本件のシーメンス製品の脆弱性では、CVSS v3による深刻度基本値が8.8と評価されている。この数値は「重要」レベルに分類され、攻撃元区分がローカル、攻撃条件の複雑さが低い点などが考慮されている。また、機密性・完全性・可用性への影響がいずれも高いと評価されており、早急な対策が必要とされる脆弱性であることを示している。

シーメンス製品の脆弱性対応に関する考察

シーメンス製品における重要情報の平文保存脆弱性の発見は、産業用制御システムのセキュリティ重要性を再認識させる契機となった。特に、CVSSスコアが8.8と高く評価されている点は、この脆弱性の深刻さを如実に示している。今後、同様の脆弱性が他の産業用システムでも発見される可能性があり、業界全体でのセキュリティ意識の向上と対策の強化が急務となるだろう。

一方で、この種の脆弱性対応には課題も存在する。産業用システムは長期運用が前提のため、パッチ適用やシステム更新が容易でない場合が多い。また、重要インフラに関わるシステムではダウンタイムが許容されにくく、セキュリティ対策と可用性のバランスをとることが困難になる可能性がある。これらの課題に対しては、段階的なアップデート戦略や一時的な代替策の導入など、柔軟な対応が求められるだろう。

今後、シーメンスをはじめとする産業用システムベンダーには、設計段階からのセキュリティ対策の組み込み(セキュリティ・バイ・デザイン)がより一層求められる。同時に、ユーザー企業側にもセキュリティ意識の向上と、定期的な脆弱性診断やインシデント対応訓練の実施が望まれる。産業用システムのセキュリティは、ベンダーとユーザーの協力なくしては成り立たない。今回の事例を教訓に、業界全体でのセキュリティレベルの底上げが期待される。

参考サイト

  1. ^ JVN. 「JVNDB-2024-008689 - JVN iPedia - 脆弱性対策情報データベース」. https://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2024/JVNDB-2024-008689.html, (参照 24-09-24).

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