大阪大学とマルホ株式会社が製剤設計用デジタルプラットフォーム開発のための共同研究体制を構築、理論製剤設計学共同研究講座を開設
PR TIMES より
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記事の要約
- 大阪大学とマルホ株式会社が共同研究体制を構築
- 製剤設計用デジタルプラットフォーム開発を目指す
- 大阪大学に共同研究講座を開設
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製剤設計用デジタルプラットフォーム開発に向けた共同研究体制の構築
大阪大学とマルホ株式会社は、北海道大学、岡山大学、横浜市立大学、福岡大学の4大学と共に、製剤設計用デジタルプラットフォーム開発を目的とした共同研究体制に関する契約を締結した。この取り組みの一環として、2024年7月1日に大阪大学大学院基礎工学研究科に「理論製剤設計学(マルホ)共同研究講座」を開設している。[1]
本共同研究体制では、各大学が持つ理論化学・計算化学・化学情報学の専門知識とマルホの製剤設計およびデジタル技術の活用に関する知見を融合させる。これにより、有効成分と1,000種類以上の添加剤との相互作用を考慮し、期待する製剤特性を発揮する処方を効率的に導き出すことを目指している。
このプラットフォーム開発には、分子シミュレーションや人工知能などのデジタル技術の利用が不可欠だ。最先端の技術や知見の融合により、世界初かつ独自の製剤設計用デジタルプラットフォームの構築を目指し、製剤開発プロセスの効率化と新規アイデアの創出促進を図る。これにより、より良い医薬品がより早く患者の手元に届くことが期待される。
共同研究講座の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
講座名 | 理論製剤設計学(マルホ)共同研究講座 |
設置場所 | 大阪大学 豊中キャンパス |
設置期間 | 2024年7月1日~2027年6月30日(3年間) |
代表研究員 | 松林 伸幸教授(大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻) |
招へい准教授 | 馬場 廣海招へい准教授(マルホ株式会社 トランスレーショナルリサーチ推進部) |
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製剤設計用デジタルプラットフォームについて
製剤設計用デジタルプラットフォームとは、医薬品の製剤開発を効率化し最適化するためのデジタルツールや技術の統合システムのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 分子シミュレーションや人工知能を活用した処方設計
- 有効成分と多数の添加剤の相互作用を考慮した最適化
- 製剤開発プロセスの効率化と新規アイデアの創出促進
このプラットフォームは、医薬品の有効性・安全性・品質の特性を最適化するために重要な役割を果たす。有効成分以外の添加剤成分でも、その変化に伴い製剤の特性が大きく変化することが知られており、1,000種類以上の添加剤との相互作用を考慮した処方設計が可能になる。これにより、より効果的で安全な医薬品の開発が促進されることが期待される。
製剤設計用デジタルプラットフォーム開発に関する考察
製剤設計用デジタルプラットフォームの開発は、医薬品開発プロセスの革新的な変革をもたらす可能性がある。このプラットフォームによって、従来は膨大な時間と労力を要していた製剤設計プロセスが大幅に効率化され、新薬開発のスピードアップにつながることが期待される。また、人工知能や分子シミュレーションの活用により、これまで見逃されていた新たな製剤の可能性が発見される可能性も高まるだろう。
一方で、このようなデジタルプラットフォームの開発と運用には、大規模なデータ管理とセキュリティの課題が付きまとう。医薬品開発に関わる機密性の高い情報を扱うため、データの漏洩や不正アクセスのリスクに十分な対策を講じる必要がある。また、AIの判断に過度に依存することで、人間の専門家の洞察や経験が軽視される危険性も考慮しなければならないだろう。
今後、このプラットフォームがさらに進化し、バイオ医薬品や個別化医療などの先端分野にも適用範囲を広げていくことが期待される。また、製薬企業間でのデータ共有や協力体制の構築により、業界全体での知識の蓄積と活用が進むことで、医薬品開発の新たな地平が開かれる可能性がある。産学連携のさらなる強化と、国際的な研究ネットワークの構築が、この革新的なプラットフォームの発展に不可欠だろう。
参考サイト
- ^ PR TIMES. 「製剤設計用デジタルプラットフォーム開発を目的としたアカデミア/マルホによる共同研究体制の構築-「理論製剤設計学(マルホ)共同研究講座」を開設- | マルホ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000102936.html, (参照 24-10-01).
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