日本調剤が大阪市で調剤業務の一部外部委託を開始、異なる法人間での一包化業務の委託が10月中旬からスタート

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

日本調剤が大阪市で調剤業務の一部外部委託を開始、異なる法人間での一包化業務の委託が10月中旬からスタート

PR TIMES より


記事の要約

  • 日本調剤が調剤業務の一部外部委託を開始
  • 大阪市全域で異なる法人間の委受託を実施
  • 10月中旬から一包化業務の委託がスタート

日本調剤が調剤業務の一部外部委託を大阪市で開始

日本調剤株式会社は、2024年10月1日に大阪市全域の国家戦略特別区域において「調剤業務の一部外部委託」事業の異なる法人間の委受託実施に向けた届け出を行った。この取り組みは、厚生労働省が2015年に策定した「患者のための薬局ビジョン」に基づく対物業務効率化の一環として位置付けられている。[1]

日本調剤は2024年8月に同一法人内での委受託を全国で初めて実施しており、今回は異なる法人間で調剤業務の一部(一包化に限る)を委受託する予定だ。具体的には、日本調剤 はなてん薬局(大阪市鶴見区)がスギ薬局 在宅調剤センター西田辺店(大阪市阿倍野区)に委託し、スギ薬局 加美北店(大阪市平野区)が日本調剤 喜連東薬局(大阪市平野区)に委託する形で実施される。

この「調剤業務の一部外部委託」の実現により、薬剤師が服薬指導後のフォロー、医師へのフィードバック、在宅医療や地域包括ケアの取り組みなど対人業務の充実を図ることが可能となる。日本調剤は、これによって患者さまへの良質な医療サービスの提供を目指し、新たな取り組みを推進していくとしている。

調剤業務の一部外部委託の概要

委託側 受託側
ケース1 日本調剤 はなてん薬局(大阪市鶴見区) スギ薬局 在宅調剤センター西田辺店(大阪市阿倍野区)
ケース2 スギ薬局 加美北店(大阪市平野区) 日本調剤 喜連東薬局(大阪市平野区)
委託内容 一包化業務(患者さまの同意が得られた場合に限る)
実施開始予定 2024年10月中旬
実施地域 大阪市全域(国家戦略特別区域)

一包化について

一包化とは、複数の薬を一つの袋にまとめることで、患者の服薬管理を支援する調剤技術のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 飲み間違いや飲み忘れを防止する
  • 複数の薬を一度に管理できる
  • 服薬スケジュールの視覚化が可能

日本調剤が実施する調剤業務の一部外部委託では、この一包化業務に限定して委託を行う予定だ。これにより、薬局間で業務を分担し、各薬局が得意分野に注力することで、より効率的かつ高品質な調剤サービスの提供が期待される。一包化の委託によって、患者の服薬管理がより適切に行われ、医療の質の向上につながる可能性がある。

調剤業務の一部外部委託に関する考察

調剤業務の一部外部委託は、薬剤師の業務効率化と専門性向上という点で大きな意義がある。対物業務の一部を委託することで、薬剤師は服薬指導や患者フォローアップなどの対人業務に多くの時間を割くことができ、より質の高い医療サービスの提供が可能になるだろう。しかし、個人情報保護や調剤ミスの責任所在など、新たな課題も生じる可能性がある。

これらの課題に対しては、委託側と受託側の緊密な連携体制の構築や、定期的な業務監査の実施が解決策として考えられる。また、今後は一包化以外の調剤業務にも委託範囲を拡大することで、さらなる業務効率化が期待できる。同時に、AIやロボット技術を活用した調剤支援システムの導入も、業務の正確性と効率性を高める上で有効だろう。

調剤業務の一部外部委託は、日本の医療システムにおける大きな転換点となる可能性がある。薬局間の連携強化や地域医療への貢献など、この取り組みが医療サービスの質的向上につながることを期待したい。今後は、患者の満足度や医療安全性の観点から継続的な評価を行い、制度の改善と拡充を進めていくことが重要だ。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「日本調剤、「調剤業務の一部委託」事業で異なる法人間の委受託、10月1日に届け出を終え、10月中旬実施スタートへ | 日本調剤株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000333.000013551.html, (参照 24-10-05).
  2. 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/index.html

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