OKIがリチウムイオン電池の経年劣化安全性評価サービスを開始、ウエアラブル機器の安全性向上に貢献

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

OKIが経年劣化リチウムイオン電池の安全性評価サービスを開始
ウエアラブル機器などへの安全性の高い電池採用を支援
2024年度に1億円の売上目標、10月17日からサービス提供開始

OKIの新サービスがリチウムイオン電池の安全性向上に貢献

OKIグループの一員であるOKIエンジニアリングは、「リチウムイオン電池の経年劣化安全性評価サービス」を2024年10月17日より開始すると発表した。このサービスは、ウエアラブル機器などにリチウムイオン電池の採用を検討する企業向けに提供され、安全性の高い電池の採用を支援することを目的としている。2024年度には1億円の売上を目指すという野心的な計画だ。^[1]

OKIエンジニアリングが評価した焼損事故の約7割が、リチウムイオン電池の経年劣化に関わる原因で発生していたことが明らかになっている。製品の安全性を高めるためには、経年劣化させた電池単体および電池搭載機器の評価が不可欠だが、リチウムイオン電池の特性上、メーカー自身での安全性評価が困難な状況にあった。

新サービスでは、1～2年使用相当の経年劣化状態を模擬し、焼損や発火のリスクを確認する。検査項目には外観検査、電気特性検査、X線CT検査、分解検査、過充電評価、外部加熱評価が含まれ、OKIエンジニアリングの豊富な評価・解析知見を活用している。これにより、メーカーはより安全性の高い電池の選定・採用および製品設計に取り組むことが可能になるのだ。

リチウムイオン電池の経年劣化安全性評価サービスの概要

項目	詳細
サービス名	リチウムイオン電池の経年劣化安全性評価サービス
提供開始日	2024年10月17日
販売目標	1億円（2024年度）
主な検査項目	外観検査、電気特性検査、X線CT検査、分解検査、過充電評価、外部加熱評価
対象	ウエアラブル機器などにリチウムイオン電池の採用を検討する企業
特徴	1～2年使用相当の経年劣化状態を模擬し、安全性を評価

リチウムイオン電池の経年劣化安全性評価の詳細はこちら

経年劣化について

経年劣化とは、時間の経過や使用に伴って製品や部品の性能が低下することを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

使用頻度や環境によって進行速度が異なる
製品の寿命や安全性に大きな影響を与える
適切なメンテナンスや評価によって進行を遅らせることが可能

リチウムイオン電池の場合、経年劣化は容量の減少や内部抵抗の増加といった形で現れる。OKIエンジニアリングの新サービスは、この経年劣化を模擬することで、実際の使用環境下での安全性を評価し、潜在的なリスクを明らかにすることが可能だ。これにより、製品設計段階での安全性向上や、長期使用における信頼性確保に貢献することができるのである。

リチウムイオン電池の安全性評価サービスに関する考察

OKIエンジニアリングの新サービス開始は、ウエアラブル機器や小型家電製品の安全性向上に大きく寄与する可能性がある。経年劣化を模擬した評価は、実際の使用環境に近い状態でのリスク検証を可能にし、より信頼性の高い製品開発につながるだろう。また、このサービスが普及することで、リチウムイオン電池関連の事故件数が減少し、消費者の安全が確保されることが期待できる。

一方で、今後の課題として、評価結果の標準化や業界全体での共有が挙げられる。個別の評価サービスだけでなく、業界全体で安全性基準を確立し、それに基づいた評価システムを構築することが、より広範囲な製品安全性の向上につながるだろう。また、評価技術の継続的な改善や、新たな劣化メカニズムへの対応も重要だ。

今後は、AIやIoT技術を活用した予測型の安全性評価サービスの開発が期待される。実際の使用データを収集・分析することで、より精密な劣化予測や安全性評価が可能になるかもしれない。さらに、リチウムイオン電池以外の新型電池への対応も視野に入れ、エネルギーストレージ技術の進化に合わせたサービス拡充が求められるだろう。