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公開：2024-08-02

IDCが公共クラウドサービス市場の急成長を予測、2028年までに倍増の見込み

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• IDCが公共クラウドサービス支出の予測を発表
• 2024年に805億ドル、2028年に倍増を予想
• 2023-2028年のCAGRは19.4%と高成長を維持

IDCによる2024年から2028年の公共クラウドサービス市場予測

国際データ株式会社（IDC）は、2024年から2028年にかけての公共クラウドサービス市場に関する最新の予測を発表した。この予測によると、2024年の世界の公共クラウドサービスへの支出は805億ドルに達し、2028年までにその規模が倍増すると見込まれている。年間成長率は予測期間中にやや鈍化するものの、5年間の年平均成長率（CAGR）は19.4%と高い水準を維持すると予想されている。^[1]

IDCのデータ＆アナリティクス部門のグループバイスプレジデントであるEileen Smith氏は、クラウドがインフラストラクチャ、プラットフォーム、アプリケーションにわたるテクノロジー支出を支配していると指摘している。多くの組織が、エンタープライズアプリケーションのホスティングや顧客向けソリューションの開発・展開のために、コスト効率の高いプラットフォームとして公共クラウドを採用しているのだ。

IDCの予測によると、2024年の公共クラウドサービス支出の上位3業界は、銀行業、ソフトウェア・情報サービス業、小売業となり、合計で1900億ドルに達する見込みだ。続く5つの主要産業（通信、メディア・エンターテインメント、資本市場、医療提供者、専門・個人サービス）はそれぞれ、世界の支出の5%以上を占めると予測されている。

CAGRについて

CAGRとは、Compound Annual Growth Rateの略称で、日本語では「年平均成長率」と訳される。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 一定期間における平均的な成長率を示す指標
• 複利計算の原理を用いて算出される
• ビジネスや投資分析で広く使用される重要な指標

CAGRは、特定の期間における成長率を年率換算して表すため、異なる期間や異なる成長パターンを持つ投資や事業を比較する際に非常に有用だ。単純な平均成長率とは異なり、複利効果を考慮に入れているため、より現実的な成長率を示すことができる。特に、長期的な成長トレンドを分析する際に重要な役割を果たしている。

公共クラウドサービス市場の成長に関する考察

公共クラウドサービス市場の急速な成長は、デジタルトランスフォーメーション（DX）の加速と密接に関連している。企業がデータ駆動型の意思決定やカスタマーエクスペリエンスの向上を目指す中で、クラウドサービスはその基盤となる重要な役割を果たしている。特に、AIや機械学習の分野での革新が、クラウドサービスの需要をさらに押し上げる要因となっているのだ。

しかし、この急速な成長に伴い、セキュリティやデータプライバシーの問題がますます重要になってくる。クラウドプロバイダーは、厳格なコンプライアンス要件や地域ごとのデータ保護法に対応しつつ、革新的なサービスを提供するという難しい課題に直面するだろう。さらに、マルチクラウド戦略の採用が進む中で、異なるクラウド環境間でのシームレスな統合と運用が求められることになる。

今後、エッジコンピューティングとの統合やサステナビリティへの対応が、公共クラウドサービス市場の新たな成長ドライバーとなる可能性がある。特に、5Gの普及に伴いエッジコンピューティングの需要が高まる中、クラウドとエッジの効果的な連携が重要になってくるだろう。また、データセンターの電力消費や環境負荷の問題に対し、より持続可能なクラウドインフラの開発が進むことで、新たな市場機会が生まれる可能性も高い。

参考サイト

1. ^ IDC. 「Worldwide Spending on Public Cloud Services is Forecast to Double Between 2024 and 2028 According to New IDC Spending Guide」. https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS52460024, (参照 24-08-02).

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