【CVE-2024-10915】D-Link NASデバイスに深刻な脆弱性、コマンドインジェクション攻撃のリスクが浮上
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記事の要約
- D-Link NASデバイスにコマンドインジェクションの脆弱性
- DNS-320などの複数機種で深刻な脆弱性を確認
- CVSSスコア9.2のクリティカルな脆弱性として報告
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D-Link NASデバイスのコマンドインジェクション脆弱性
2024年11月6日、D-LinkのNASデバイスであるDNS-320、DNS-320LW、DNS-325、DNS-340Lにおいて、重大な脆弱性【CVE-2024-10915】が報告された。この脆弱性は/cgi-bin/account_mgr.cgiファイルのcgi_user_add機能において、groupパラメータの操作によりOSコマンドインジェクションが可能になるという深刻な問題を引き起こすものだ。[1]
この脆弱性はリモートから攻撃可能であり、攻撃の複雑さは比較的高いものの、認証やユーザーの操作を必要としない点が特に危険である。CVSSスコアは4.0で9.2というクリティカルなレベルに評価され、機密性や整合性、可用性に重大な影響を及ぼす可能性が指摘されている。
影響を受けるバージョンは2024年10月28日までのものとされており、すでにエクスプロイトが公開されている状態である。この脆弱性は特にCWE-78のOSコマンドインジェクション、CWE-74のインジェクション、CWE-707の不適切な中和化として分類されている。
D-Link NASデバイスの脆弱性詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
影響を受ける製品 | DNS-320、DNS-320LW、DNS-325、DNS-340L |
脆弱性の種類 | OSコマンドインジェクション |
影響を受けるコンポーネント | /cgi-bin/account_mgr.cgi?cmd=cgi_user_add |
CVSSスコア | 9.2(Critical) |
CWE分類 | CWE-78、CWE-74、CWE-707 |
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コマンドインジェクションについて
コマンドインジェクションとは、攻撃者が悪意のあるコマンドを正規のコマンドに挿入し、システムに不正な操作を実行させる攻撃手法のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- システムコマンドの実行権限を不正に取得可能
- データの改ざんや情報漏洩のリスクが高い
- リモートからの攻撃が可能で影響が広範囲
D-Link NASデバイスで発見された脆弱性では、account_mgr.cgiのgroupパラメータを通じてOSコマンドを注入できる状態にあることが判明した。この種の攻撃は認証を必要とせず、かつユーザーの操作も不要なため、システム全体のセキュリティを著しく低下させる可能性が指摘されている。
D-Link NASデバイスの脆弱性に関する考察
D-Link NASデバイスの脆弱性は、特に認証が不要でリモートから攻撃可能という点で深刻な問題を提起している。企業や組織のデータストレージとして広く使用されているNASデバイスにおいて、このような脆弱性が存在することは、情報セキュリティの観点から早急な対応が必要となるだろう。
今後はNASデバイスのセキュリティ設計において、入力値の厳密なバリデーションやサニタイズ処理の実装が不可欠となる。特にWebインターフェースを通じた管理機能では、パラメータの取り扱いに細心の注意を払い、コマンドインジェクション攻撃を防ぐための多層的な防御策を講じる必要があるだろう。
D-Linkには早急なセキュリティパッチの提供が求められるが、ユーザー側でも不必要なポートの開放を避け、ファイアウォールによる適切なアクセス制御を実施するなどの対策が重要である。今回の脆弱性を教訓に、NASデバイスのセキュリティ設計全体を見直す契機としたい。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-10915, (参照 24-11-12).
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