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【CVE-2024-46889】SINEC INSにハードコードされた暗号鍵の脆弱性が発見、バックアップファイルの不正復号のリスクに

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • SINEC INSにハードコードされた暗号鍵の脆弱性
  • バックアップファイルの復号が可能になるリスク
  • V1.0 SP2 Update 3未満のバージョンに影響

SINEC INSのハードコードされた暗号鍵による脆弱性

Siemens社は、SINEC INSにおいてハードコードされた暗号鍵によるセキュリティ脆弱性を2024年11月12日に公開した。この脆弱性は【CVE-2024-46889】として識別されており、V1.0 SP2 Update 3未満のすべてのバージョンに影響を及ぼすことが判明している。[1]

この脆弱性は設定ファイルの難読化に使用される暗号鍵材料がハードコードされていることに起因しており、攻撃者がアプリケーションバイナリのリバースエンジニアリングを通じて暗号鍵を取得できる可能性が指摘されている。攻撃者は取得した暗号鍵を使用して任意のバックアップファイルを復号する可能性があるだろう。

CISAによる評価では、この脆弱性の攻撃は自動化が可能であり、技術的な影響は部分的とされている。CVSSスコアは3.1で5.3、4.0で6.9と中程度の深刻度に分類されており、早急な対策が推奨されている。

SINEC INSの脆弱性詳細

項目 詳細
CVE番号 CVE-2024-46889
影響を受けるバージョン V1.0 SP2 Update 3未満
CWE分類 CWE-321(ハードコードされた暗号鍵の使用)
CVSSスコア(v3.1) 5.3(中程度)
CVSSスコア(v4.0) 6.9(中程度)
Siemensのセキュリティアドバイザリの詳細はこちら

ハードコードされた暗号鍵について

ハードコードされた暗号鍵とは、ソフトウェアのソースコード内に直接埋め込まれた暗号化キーのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • ソースコード解析で容易に発見可能
  • 複数のインスタンス間で同一の鍵を共有
  • 鍵の変更や更新が困難

SINEC INSの事例では、設定ファイルの難読化に使用される暗号鍵材料がハードコードされており、アプリケーションバイナリのリバースエンジニアリングによって暗号鍵が露出するリスクが存在する。攻撃者は露出した暗号鍵を使用して任意のバックアップファイルを復号し、機密情報にアクセスできる可能性がある。

SINEC INSの暗号鍵脆弱性に関する考察

SINEC INSの暗号鍵がハードコードされていた問題は、システムの安全性を根本から揺るがす重大な設計上の欠陥といえる。設定ファイルの難読化という基本的なセキュリティ機能が、リバースエンジニアリングによって容易に突破できる状態にあったことは、今後の製品開発における重要な教訓となるだろう。

今後予想される問題として、露出した暗号鍵を利用した設定ファイルの不正な復号や、それに伴う機密情報の漏洩が考えられる。この問題に対する解決策としては、動的な鍵生成メカニズムの導入や、設定ファイルの暗号化方式の見直しなど、より強固なセキュリティアーキテクチャの採用が不可欠となるはずだ。

産業用システムのセキュリティ強化は、今後さらに重要性を増していくと予想される。特に設定ファイルやバックアップデータの保護は、システム全体の安全性を確保する上で重要な要素となっており、暗号化実装の見直しと共に、定期的なセキュリティ監査の実施も望まれるところだ。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-46889, (参照 24-11-19).
  2. NEC. https://jpn.nec.com/

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