【CVE-2024-11312】TRCore DVC 6.0-6.3にパストラバーサルの脆弱性、未認証での任意コード実行が可能に
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記事の要約
- TRCore DVCにパストラバーサルの脆弱性が発見
- 未認証のリモート攻撃者による任意のファイルアップロードが可能
- Webシェルアップロードによる任意のコード実行のリスク
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TRCore DVC 6.0-6.3のパストラバーサル脆弱性
TRCore社は、同社のDVC製品バージョン6.0から6.3において重大な脆弱性が発見されたことを2024年11月18日に公開した。この脆弱性は【CVE-2024-11312】として識別されており、CVSS v3.1のスコアは9.8と最も深刻度の高い「Critical」に分類されている。[1]
この脆弱性は認証を必要としないリモート攻撃者によってファイルのアップロードが可能になるパストラバーサルの問題であり、アップロードされるファイルタイプにも制限がないことが判明している。攻撃者はWebシェルをアップロードすることで任意のコードを実行できる可能性があるため、早急な対応が必要とされている。
TWCERTによって公開された情報によると、この脆弱性はCommon Weakness Enumerationでは相対パストラバーサル(CWE-23)と危険なタイプのファイルの無制限アップロード(CWE-434)の2つに分類されている。SSVCによる評価では技術的な影響が全体に及ぶとされ、攻撃の自動化が可能であることも指摘されている。
TRCore DVC脆弱性の詳細情報まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE番号 | CVE-2024-11312 |
影響を受けるバージョン | 6.0から6.3 |
CVSSスコア | 9.8(Critical) |
脆弱性の種類 | パストラバーサル、無制限ファイルアップロード |
攻撃の前提条件 | 認証不要、リモートからアクセス可能 |
想定される影響 | 任意のコード実行、システムの完全な制御 |
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パストラバーサルについて
パストラバーサルとは、Webアプリケーションにおいてファイルパスを操作される脆弱性のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 想定外のディレクトリへのアクセスが可能になる
- システム上の重要なファイルが読み取られる危険性
- ../などの相対パス指定による権限昇格のリスク
TRCore DVCの事例では、パストラバーサル脆弱性とファイルアップロード制限の欠如が組み合わさることで、より深刻な脅威となっている。攻撃者はこの脆弱性を利用してWebシェルを任意の場所にアップロードし、システム全体を制御下に置く可能性があるため、製品の更新やセキュリティパッチの適用が急務となっている。
TRCore DVCの脆弱性に関する考察
今回発見された脆弱性は認証が不要なリモートからの攻撃が可能である点と、ファイルタイプの制限がない点が特に重大な問題として挙げられる。パストラバーサル対策と適切なファイルアップロード制限を組み合わせることで、より堅牢なセキュリティ体制を構築できたはずであり、基本的なセキュリティ設計の重要性を再認識させられる事例となった。
今後はファイルアップロード機能を実装する際に、アップロード先ディレクトリの厳密な制限やファイルタイプのホワイトリスト方式による制御が必要不可欠となるだろう。特に産業用制御システムなどの重要インフラに関わるシステムでは、認証機能の強化や特権分離なども含めた多層的な防御策の導入が望まれる。
また、脆弱性が発見された場合の迅速な対応や情報公開も重要な課題となっている。TWCERTとの連携による情報共有体制の確立や、定期的なセキュリティ監査の実施によって、脆弱性の早期発見と対策が可能になるはずだ。製品開発段階からセキュリティを考慮したシステム設計が求められている。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-11312, (参照 24-11-22).
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