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Kyuluxと日本曹達が次世代有機EL発光材料TADFの量産体制構築に向け資本業務提携、世界初の量産化へ前進

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • KyuluxとNIPPON SODAが資本業務提携契約を締結
  • TADFの量産体制構築に向けた取り組みを開始
  • 世界初となるTADF材料の量産化を目指す

KyuluxとNIPPON SODAが次世代有機EL発光材料の量産化へ前進

Kyuluxと日本曹達は2024年10月20日、次世代有機EL発光材料である熱活性化遅延蛍光材料(TADF)の量産体制構築に向けた資本業務提携契約を締結したことを発表した。両社は2020年1月から共同開発契約を締結しTADFの生産ノウハウ確立に取り組んでおり、量産開始を見据えてさらなる連携強化を決定したのである。[1]

日本曹達はKyuluxへの資本参加を実施するとともに、量産体制確立に向けたプロセス開発と設備投資を進めていく方針を示している。Kyuluxは日本曹達の量産体制構築を技術面から全面的に支援することで、世界初となるTADFの本格的な量産と安定供給体制の実現を目指すことになった。

KyuluxはTADFを用いたHyperfluorescence技術により、高効率かつ高色純度の発光を低コストで実現できる次世代有機EL材料の開発を進めてきた。九州大学発のスタートアップとして2015年に設立されて以来、レアメタルを使用しない環境負荷低減型の新規材料開発に取り組んでいる。

Kyuluxと日本曹達の資本業務提携の概要

項目 詳細
提携日 2024年10月20日
提携内容 TADFの量産体制構築に向けた資本業務提携
日本曹達の役割 資本参加、プロセス開発、設備投資の実施
Kyuluxの役割 技術面からの量産体制構築支援
開発製品 次世代有機EL発光材料(TADF)
目標 世界初のTADF量産と安定供給体制の実現

TADFについて

TADFとは、Thermally Activated Delayed Fluorescenceの略称で、有機EL分子が熱エネルギーの助けを受けて放出する熱活性化遅延蛍光のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • レアメタルを使用しない環境負荷低減型の新規材料
  • 内部量子効率が極めて高い第3世代有機EL発光材料
  • 高効率、高色純度および長寿命、低コストを同時に実現

TADFは2012年に九州大学の安達教授と最先端有機光エレクトロニクス研究センターで開発された革新的な技術である。有機ELディスプレイ市場の急成長に伴い、より一層の高性能化と低消費電力化が求められる中で、TADFは次世代のディスプレイ技術として世界中の研究者や企業から注目を集めている。

次世代有機EL発光材料の量産化に関する考察

Kyuluxと日本曹達の資本業務提携は、次世代有機EL材料の実用化に向けた重要な一歩となることが期待される。特にTADFの量産体制確立は、有機ELディスプレイの性能向上とコスト削減を同時に実現する可能性を秘めており、産業界に大きなインパクトをもたらすだろう。

一方で、量産化に向けては製造プロセスの最適化や品質管理体制の構築など、数多くの技術的課題を克服する必要がある。両社の強みを活かした協力体制を確立し、効率的な開発推進と市場ニーズへの迅速な対応が求められるだろう。

今後は有機ELディスプレイ市場の拡大に伴い、TADFの需要も急速に高まることが予想される。長期的な視点で見れば、環境負荷の低減と高性能化を両立するTADFは、持続可能な社会の実現に貢献する重要な技術として発展していく可能性が高いだろう。

参考サイト

  1. ^ Kyulux. 「株式会社Kyuluxと日本曹達株式会社、 有機EL発光材料の量産体制構築に向け資本業務提携契約を締結 - Kyulux」. https://www.kyulux.com/kyulux-nippon-soda-capital-business-alliance/?lang=ja, (参照 24-11-24).

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