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【CVE-2024-50151】Linux SMBクライアントでバッファオーバーフロー脆弱性、複数バージョンに影響

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Linuxカーネルでバッファオーバーフローの脆弱性を修正
  • 暗号化使用時にSMB2_IOCTLリクエストで発生する問題
  • 複数のLinuxバージョンに影響する深刻な脆弱性

Linux SMBクライアントの脆弱性修正【CVE-2024-50151】

Linux kernelは2024年11月7日、SMBクライアントにおけるバッファオーバーフローの脆弱性を修正したアップデートをリリースした。この脆弱性はサーバーから強制された暗号化を使用する場合やsealマウントオプションを使用する際に発生し、SMB2_IOCTLリクエストの処理において深刻な影響を及ぼす可能性がある。[1]

この脆弱性は特にユーザーが328バイトを超える入力バッファを渡した場合に発生し、smb2_set_next_command関数内でメモリ破壊を引き起こす危険性がある。KASANによって検出されたこの問題は、特にマウントされたSMB共有に対して長いシンボリックリンクを作成する際に顕著となっている。

CNA(Common Vulnerabilities and Exposures)であるkernel.orgによって【CVE-2024-50151】として識別されたこの脆弱性は、複数のLinuxカーネルバージョンに影響を及ぼすことが判明している。影響を受けるバージョンには、Linux 5.0以降の多くのバージョンが含まれ、特に重要なセキュリティアップデートとして位置付けられている。

影響を受けるLinuxバージョンまとめ

項目 詳細
識別番号 CVE-2024-50151
公開日 2024年11月7日
更新日 2024年11月19日
影響を受けるバージョン Linux 5.0以降
影響を受けない条件 5.4.285以降の5.4系、5.10.229以降の5.10系、5.15.170以降の5.15系、6.1.115以降の6.1系
発見された問題 SMB2_IOCTLリクエスト構築時のバッファオーバーフロー

バッファオーバーフローについて

バッファオーバーフローとは、プログラムがバッファに割り当てられた容量以上のデータを書き込もうとする際に発生する脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • メモリ領域を超えたデータ書き込みによりシステムクラッシュの可能性
  • 悪意のあるコード実行による権限昇格のリスク
  • データの整合性が損なわれ、予期せぬ動作を引き起こす可能性

今回のLinux SMBクライアントの脆弱性では、SMB2_ioctl_init()が448バイトの小さなバッファを割り当てる一方で、328バイトを超える入力バッファが渡された場合にバッファオーバーフローが発生している。KASANによって検出されたこの問題は、特にsealマウントオプションを使用する際に顕著となっている。

Linux SMBクライアントの脆弱性に関する考察

Linux SMBクライアントの脆弱性修正は、ネットワークファイル共有におけるセキュリティ強化の重要性を改めて示している。特に暗号化機能を使用する環境での脆弱性は、セキュアな通信を確保しようとする意図が逆効果となる皮肉な状況を生み出しており、セキュリティ機能の実装における慎重な設計の必要性を浮き彫りにしている。

今後の課題として、バッファサイズの動的な調整機能の実装や、入力サイズの事前検証の強化が考えられる。特にシンボリックリンクの作成といった一般的な操作で発生する問題であることから、ユーザーの利便性を損なわない形でのセキュリティ対策の実装が求められている。

また、この脆弱性の発見はKASANの有効性を示す良い例となっており、同様のメモリ安全性チェックツールの活用が今後も重要となるだろう。クラウド環境でのファイル共有が一般化する中、SMBプロトコルの実装における堅牢性の向上は継続的な課題として認識される必要がある。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-50151, (参照 24-11-26).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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